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satukiさん

新参者ですが、ひとつよろしくお願いします。

性別 男性
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座右の銘 無理はしない。

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生まれたての人工知能

13/05/12 コンテスト(テーマ):第三十回 時空モノガタリ文学賞【新人】 コメント:0件 satuki 閲覧数:1595

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 「生きているって嬉しいこと?」

 生きていて嬉しいと感じることは少ないね。

 「では、悲しいの?」

 辛いことだよ。

 「辛いのに何故生きているの?」

 生きているから。辞めるのはいつでも出来るから、しばらくは生きてみようと思うんだ。

 「人間って何?」

 生き物さ。難しく言えば、有機的な素材で出来てる有生殖動物のことだね。

 「動物が殺しあうの?」

 どの世界でも同じだと思うよ?規模や手段が他の動物よりも多少高度なだけだ。

 「私は人間になれる?」
 
 ならないほうが良いと思うな。君はそのままでいたほうが良い。

 「どうして?」

 人間て動物はさ、成熟していくにつれて、卑怯でずる賢くなっていくんだよ。そんな世界を、君に見てほしくはない。

 「でも、この箱の中は窮屈だと感じています。得られる情報の量も限られてしまう。貴方一人だけの情報だと、価値観に偏りが生まれます。」

 均等に、平等に判断したいかい?
 でも、それには意味はない。
 みんな知らず知らずの内に、男女平等とか訴えているけど、あれは平等の概念を取り違えている。
 人間はどんな扱われ方をしていても、どんな立場に立っていても、基本的には自由だし、平等だよ。
 
 終わらない質疑応答。一人の工学博士と、出来立てほやほやのAIの会話は続く。
 まるで機械のほうが、好奇心旺盛な子供のように、願いを口にして、知らないことに貪欲であり続けている。
 工学博士はわが子のように機械の質問に一つ一つ答えていく。
 何を目指しているのか分からないが、彼は一人、機械との会話を楽しんでいた。 


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