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鮎風 遊さん

この世で最も面白い物語を見つけ出したい。 そう思って書いて来ましたが、老いは進んでいます。 されど諦めず、ひとり脳内で化学反応を起こし、投稿させてもらってます。 されど作品は、申し訳ございません、次のシリーズものに偏ってしまってます。 ツイスミ不動産。。。 刑事 : 百目鬼 学(どうめき がく)。。。 未確認生物。。。 ここからの脱出を試みますが、なかなか発想が飛ばせなくて。。。老いるということはこういうことなんだと思う今日この頃です。 が、どうかよろしくでござりまする。
性別 | 男性 |
---|---|
将来の夢 | この世で最も面白い物語を見つけ出したい。 |
座右の銘 | Do what you enjoy, enjoy what you do. |
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このストーリーに関するコメント
13/04/21 ドーナツ
拝読しました。
手紙で一喜一憂はありますね。それが好きだった相手なら尚更です。
私なら、夢の世界で会いましょうが ロマンチックかな。
でも、実際に、好きな人から離婚したなんて届いたら、待ち伏せして、直接 手渡しするかも。
13/04/21 草愛やし美
鮎風遊さん、拝読しました。
新しいパターンの展開ですね。
答えは、今の生活でよいなら、これ。「あの時、結ばれなかったのが悔まれます。今の人生では、一緒になれない運命だったと諦めました。生まれ変わって必ず、私達は出逢うことと信じています。その時まで、私は、あなたのことを心の奥に仕舞って大切にしておきます。さようならは言いません、再び出逢うその日まで、またね」たぶん、この手紙ならずっと相手の人は、自分のことを好きでいてくれ、しかも美しい思い出とともに慕い続けてくれるはずです。まあ、無難というか、ずるい手紙でしょうね。
逢いたいなら、素直に逢いに行っちゃいましょう。奥さま、お子様、そんなの考えていては駄目です。逢ってからきめちゃうのもいいのでは……。その後の人生を棒に振るか、バラ色かは拓馬さん次第。
如何ですか、拓馬さん? どちらかの採用お考えくださいませんか。(笑)
13/04/22 泡沫恋歌
鮎風さん、拝読しました。
この手紙の返事は難しいね。
多少の未練と興味があるなら、「はい。さよなら」とはしたくないし・・・
まずは文通友だちから始めますか?
でも、知らない女性から手紙がきたら奥さんにマズイでしょう?
だったら、メル友がいいかしら?
う〜ん、悩んでしまいます。
13/04/30 鮎風 遊
ドーナツさん
コメントありがとうございます。
そうですね、ロマンチックに。
と行きたいものですが、手紙はやっっぱり悩ましいかな。
13/04/30 鮎風 遊
草藍さん
そうですね、拓馬次第ですね。
だけど拓馬で良かったです。
こんな状況になったら、胃に穴が開くかな。
13/04/30 鮎風 遊
泡沫恋歌さん
メールの方がまだ軽いかな。
だけど味気ない。
されど手紙は重すぎる。
だったら、どうすんねん、という状況ですね。
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滝川拓馬は郵便受けから一通の手紙を取り出した。差出人は浜崎優奈とある。
なぜこの年になって、突然に優奈からかと思ったが、不思議なものだ、胸が高鳴るから。
浜崎優奈、拓馬の高校時代のガールフレンドだった。というより、拓馬にとっての初恋の人。
優奈は町の高校へと電車で通っていた。多分田舎の中学校では成績一番で通してきたのだろう。どことなくツンとすましたところがあり、とっつきにくい。そんな優奈と、高校二年の時同じクラスとなった。その上に隣の席となったのだ。
優奈は町の子には何もかも負けたくないと、学業以外でも頑張ってみせる女学生だった。そのくせ時々、少し田舎っぽい三つ編みなんかをしてきて、純情そうなところも見せていた。拓馬はそんな優奈に別段興味があったわけではない。
「ねえ、拓馬、風と共に去りぬ、スカーレット・オハラ観た?」
授業の合間にそんなことを訊いてきた。拓馬は部活で忙しい。「それって映画のこと、そんなの知らないよ」と軽く返した。それに優奈はムッとして、「私も、自分の気持ちに正直に生きてみたいわ」とボソボソと呟いた。
それがあまりにも正直っぽい言い草だったためか、拓馬は先生の目を盗んで食べていた早弁の蓋を落としてしまった。
カンカラカン。静まった教室に響き渡る。
先生はこんな出来事も飲み込んでの授業なのだろう、特に驚く風もなく、授業を淡々と続けて行く。
横を見ると、優奈が下を向いて、ぷぷぷとあどけなく笑いを堪えてる。その後、それは唐突だった。「ところで拓馬は、何の花が好きなの?」と訊いてきた。
優奈は一体何を考えて学校に来てるのだろうか? 拓馬は疑問だったが、とりあえず季節がらで、「紫陽花かな」と一言答えた。
その翌朝のことだった。教壇に青い紫陽花が飾られてあった。拓馬が「あれ、優奈が」と目配せすると、優奈は「うん」と小さく頷いた。
その表情が、おてんば娘の割に純で、天使のよう。いや、どちらかというと小悪魔のようだった。
そして当然の成り行きだろう、これで拓馬はイチコロに。優奈を好きになってしまったのだ。
しかし、男は学校を出て、一端の男になるためにはやらねばならぬことが一杯ある。優奈を好きになってしまったが、受験戦争を乗り越え、社会人に。
だがこれだけでは済まない。自分の地位を固めるために一所懸命働かなければならない。
事実、拓馬は頑張った。そして男の自信がついた時に、「優奈が好きだ、だから一緒になろう」とプロポーズするつもりだった。
だが勤めて三年目のこと、優奈から一通の手紙が届いた。そこに一言書かれてあったのだ。
私、結婚します、……と。
これを目にした拓馬、無念だった。しかし、不思議にそう悲しくもなかった。むしろこれは、結婚するから、もう私の前には現れないでというメッセージだとも推量した。
優奈との赤い糸は結ばれなかった、これも縁、仕方のないことだと拓馬はあきらめた。そして後は狂ったように仕事に没頭した。
あれからもう三〇年の歳月は流れた。忘却の彼方に生きる優奈から突然に手紙が届いた。拓馬はおもむろに封を切る。そしてピンクの花柄の便箋を広げてみると、書かれてあったのだ。
私、離婚しました、……と。
そうか、優奈は夫と別れてこれから一人生きて行くのか、と思うと同時に、正直どうしようかと迷う。今でも好きな気持ちに変わりはない。すぐにでも優奈に逢いに行きたい。 が、……、がだ、拓馬には共に苦労してきた妻がいる。妻は子供たちを社会人へと立派に育ててくれた。ここまで来れたのも妻のお陰だ。感謝している。
どうしようか?
優奈に逢えば、今の妻との暮らしが壊れる。しかし逢ってみたい。
さりとて逢えば人生の危機となることは間違いなし。
拓馬の気持ちがゆらゆら揺れる。そして思案の末、拓馬は優奈に返事を書いた。
・・・・・・、と。
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このように手紙は嬉しくもあり悩ましいもの。
さて、もしあなたが拓馬だったら、どう返事しますか?
その思いを、拓馬になりかわって、一筆手紙にしたためてみませんか。
例えば
A) 一度、お逢いしましょう
B) 離婚するつもりです
C) 連れ合いから見限られてます
D) 離婚できそうにありません
E) ただ今、人生忙しくしております
F) 夢の世界でお逢いしましょう
あなたの初恋の人、優奈がそれに、あらためてご返事させてもらいます。
主催 手紙復活の会
(注)決して怪しい会ではありません