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石蕗亮さん

占師。および魔術師。 WEB幽にて怪談投稿してました。 弟子育成の経験や実体験を基にした不思議な話を中心に書いていきたいです。 沢山の方に読んで頂き、反論含めコメント頂けると幸いです。

性別 男性
将来の夢 作家、起業
座右の銘 人は言葉に置き換えれるものしか理解できない。置き換えた言葉でしか理解できない。

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7

窓辺の女性

13/02/18 コンテスト(テーマ):第一回 【 自由投稿スペース 】 コメント:4件 石蕗亮 閲覧数:2323

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コンビニ帰りのことだった。
空き家だと思っていた洋館の、道路に面した窓辺に女性の姿が見えた。
白いワンピース姿で、物憂げに景色を眺めているようだった。
髪は長いみたいだが、彼女の胸から上しか見えず、ここからではどれくらいかは判らないが、幼くも大人らしくも見える不思議な魅力を感じた。
 ふと目が合ったような気がして、恥ずかしくなり慌ててその場を去った。
家に帰ってからも彼女の姿が脳裏から離れず、それが恋心に変わるまで時間はさほどかからなかった。
 その道を通る度に洋館の窓を目で追い、彼女の姿を探してしまった。
見るたびに彼女の表情は物憂げであった。
 ある日のこと、いつものように窓を、彼女の存在を眺めながら通ると穏やかな表情の彼女がいた。
いつもは白いワンピースなのに、その日は鮮やかな明るい紅色のワンピース姿だった。
いつにも増して白い肌と穏やかな笑顔に思わず見とれてしまった。
いつもは座っているのか胸から上しか見えなかったが、今日は立ち上がっているようで、ほぼ全身が見て取れた。
ふいに我に返り、いつぞやのように目が合って恥ずかしい思いをする前にと、そそくさと家路についた。
その夜は眠れなかった。
鮮やかな服の赤と対照的な肌の白さ、そして笑顔が脳裏から離れず悶々とした夜を過した。
 翌日、いつものように彼女は窓辺に佇んでいた。
しかし、服は喪服のような漆黒のものだった。
昨日の赤と白の美しさとは違ったゴシックなイメージに、更に眠れぬ夜が増えた。
いっそ声を掛けてみよう。もしかしたら今とは違う状況が生まれるかもしれない。
そう思ったら心が躍った。
 翌日いつものように洋館の前を通った。
窓辺にいつものように彼女が佇んでいた。
「こんにちは。」
思い切って通りから声を掛けてみた。
が、反応が無かった。
聞こえなかったのかもしれない。やっと決心して声を掛けたのに、このまま通り過ぎるのも恥ずかしい気がしてもう一度声を掛けた。
「良いお天気ですね。」
やはり反応がない。
よく見ると彼女の表情がおかしい。
視線が虚ろで口がうっすらと開いている。
具合でも悪いのかもしれない。
窓越しに声を掛けてみよう。
そう思い、敷地に入ると窓に近づいた。
すると窓越しに彼女の後ろに人影が見えた。
よく見るとそれは梁からロープを垂らして首吊りしたものだった。
そして彼女もまた、首を吊るされ、襟元を切り裂かれた死体だった。
あの服の紅は彼女の鮮血で、黒い色はそれが乾いたものだったと理解した直後、後頭部に鈍い痛みを感じ意識が遠のいた。
あぁ、私も彼女の仲間になるのだろう。


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このストーリーに関するコメント

13/02/18 笹峰霧子

最後まで読むとぞくぞくっとする怖いお話でした。
最終的には犯罪かなと想像しましたが、前半はいい感じで始まっていますね。

13/02/19 泡沫恋歌

何んとなく死体フラグは立っていたが・・・

やっぱりホラーだったのか!?

13/02/19 石蕗亮

笹峰霧子さん
一応恋話なんですけどね(笑)
彼女の仲間に、ってあたりが。
色の移り変わりを使ってみたかったのですが、いまいち使い切れていませんでした(汗)

13/02/19 石蕗亮

泡沫恋歌さん
ふふふ♪期待通りでしたか?
っていうかあからさまでしたね。
もっと精進します!

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