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石蕗亮さん

占師。および魔術師。 WEB幽にて怪談投稿してました。 弟子育成の経験や実体験を基にした不思議な話を中心に書いていきたいです。 沢山の方に読んで頂き、反論含めコメント頂けると幸いです。

性別 男性
将来の夢 作家、起業
座右の銘 人は言葉に置き換えれるものしか理解できない。置き換えた言葉でしか理解できない。

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8

這い寄る

13/02/18 コンテスト(テーマ):第一回 【 自由投稿スペース 】 コメント:3件 石蕗亮 閲覧数:1762

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最近の携帯はカメラの性能も上がってものすごく綺麗な画像が撮れる。
花や虫などの接写から虹などの天候までも携帯のカメラで写せる。
私は琴線に触れた景色を携帯で写しては待ち受け画面にして友達に見せていた。
ある日友達に言われたことがきっかけで不思議な画像に気が付いた。
その画像は旧家の家の中を映した画像だった。味のある梁がフレームのようになり、その中に昔ながらの吊るし鉤と囲炉裏のある純和風の画像だった。
私は梁と囲炉裏のモチーフが気に入って写した画像だったが、友達に言わせると画像の端に映っている日本人形が生活観を醸し出していて良いという。
写した時には気が付かなかったが、言われて見ると確かに画像の端に子供が遊ぶような人形が映っていた。
その時はなんとも思わなかった。が、後日再び待ち受けの画像を見ると気のせいか人形が大きくなったような気がした。
気のせいだと思い、気に留めなかったが翌日見るとやはり大きくなってる、というより近づいてきている。最初より人形の表情がよく見えるのだ。
怖くなった私はその画像を消去し、違う画像を待ち受けに設定し直した。
今度は綺麗な桜の画像にした。去年の春に撮ったものだ。今年の桜も待ち遠しくて、それまでこの画像でいようと決めた。
友達にも桜の画像を見せながら、今年も花見にいこうね、なんて話をしていると
「あんた、最近人形の画像に凝ってるの?」と聞かれた。
「えっ!?どこに写ってるの?」と聞くと桜の枝の間にあの人形が挟まるように写っていた。
私は全身に鳥肌がたち、慌てて画像を消去した。人形はさっきよりも画面に近づいて写っていたのだ。
私はすぐにまともな画像を待ち受けにしたくて以前好きだった菜の花畑の画像を設定した。一面菜の花に埋め尽くされた黄色一色の世界。設定直後に確認したが人形は写っていなかった。
もしかしたら桜を写した時にも、似たような人形があったのかもしれない。今まで気がつかなかっただけなのかもしれない。怖くてそうとしか思いたくなった。
その日、家に帰る途中で念のためもう一度待ち受け画像を確認した。
気のせいだと思いたかったが、やはりまた人形が写っていた。
菜の花を掻き分けこちらに手を伸ばすようにして、先ほどの時よりも近づいて写っていた。
震えながら画像を消去し、今度は保存してある全ての画像を消去した。
これでもう以前の画像はひとつも残っていない。もう大丈夫だと思いながら空を見上げると綺麗な夕焼け空だった。太陽に近い空は金の光を放ち、町は赤く彩られていた。
気を取り直して夕焼けに染まる街並みを撮った。写った画像を確認すると夕陽に染まる路地にまるで血を浴びたように真っ赤に染まった人形が写っていた。


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このストーリーに関するコメント

13/02/19 草愛やし美

石蕗亮さん、怖い、これは怖いです。

祟りでしょうか? いや、やはり何かを訴えているのでしょう。

長姉が、漁師の旦那さんと漁にいって、おろく(死体)が網にかかったそうです。出漁してすぐで何も獲れていないなかったのですが、すぐに網を引いたまま寄港したそうです。姉の言うのには「死体って捨ててもきっとまたその人の網にかかると言われている」からだそうです。それは、おろくがその人に、引き上げて欲しいと託しているからだとか……。

石蕗さんも、その人形に何かを託されたのではないでしょうか。経緯は、わかりませんが、私はそう思います。

13/02/19 泡沫恋歌

もう携帯ごとお祓いして貰わないとダメでしょう?

人形って怖いわ!

13/02/19 石蕗亮

>草藍さん
今回は完全なフィクションです。
自身の行為(ここでは撮影と削除)が何度も裏切られ無効になっていく恐怖を描いてみました。
ネタ帳には恐怖のパターンを記したものがあり、そのパターンに応じて怪談を作るようにしています。

>泡沫恋歌さん
ますます人形に対しての苦手感が増してしまいましたね。
昔洋画であったチャッキーは本当に怖いですよ。

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