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嶺 ナポレタンさん

性別 男性
将来の夢 フリーランス
座右の銘 迷ったら積極的な方 やらない後悔よりやる後悔

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脳のレシピ

19/04/27 コンテスト(テーマ):第168回 時空モノガタリ文学賞 【 レシピ 】 コメント:0件 嶺 ナポレタン 閲覧数:143

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当たり前だが、我々は一人一人違っていて、それぞれ得意なこともあれば不得意なこともある。ある物事に対して得意であるか不得意であるかは、その物事に対する脳の使用割合で決まるのではないかと私は思う。。脳は物理だ。



ここは天界の脳データ作成会社。仕様書の通りに脳データを作成するのがここで働く人々の仕事。今日もいつものようにキーボードの音がカタカタ鳴り響いている。

「おい!お前、思いやり0.73%に設定したか?」

「すみません。。0.073%にしてました。すぐ修正します!」

「そのミスだけは勘弁してくれやー。思いやりの割合ミスったら、下界の事件発生率と自殺率ばり上がんねんから。」

「申し訳ありません。。気をつけます。」


脳データ作成会社の仕事の流れはこうだ。

まず下界の人間世界から天界のスーパーコンピュータに、まもなく子供が生まれる両親の脳データが送られてくる。

そしてそのスーパーコンピューターから、両親の脳データを各社員のローカルPCにダウンロードし、子供の脳データを作成する。

作成したら完成データをスーパーコンピュータにアップロードし、スーパーコンピュータから下界へ転送する。

脳データを作成するとはどういうことかというと、脳の絶対値に対する各パラメータ率を設定するということである。

パラメータの例としては、先ほどの会話にもでてきた思いやりの他に、芸術性や論理性などがある。実際はこのような大枠のパラメータの中に、さらに詳細なパラメータが存在する。

各パラメータ率とそれらの組み合わせによって、人間の思考や行動が決まるのである。

脳データ作成においては、各パラメータ率の合計は30%に指定される。つまり、生まれた段階では脳の70%は機能していないということだ。

残りの70%は生まれた子供が成長する過程で、生まれた段階では持ち合わせていないパラメータが追加されたり、既存のパラメータ率が上がることによって100%に到達する。

100%に到達した後は、各パラメータ率の割合を変えながら成長する。ということは、新たなパラメータを得る場合、もしくは既存のパラメータ率を上げる場合は、何かしらのパラメータ率が減少することになるのだ。

しかし、人間の行動によっては、脳の絶対値を上げることも可能であり、絶対値を上げることによって、他者と比較した場合にあるパラメータ率が低かったとしても、そのパラメータの絶対値としては高いというケースもある。

だが、脳の絶対値の個体差はさほど大きくはなく、それのみの違いによって人間の思考や行動に大きな違いが出ることはない。

複雑に感じるかもしれないが、非常にシンプルな仕組みである。

しかしそれを理解していない、いや理解できるはずもない下界の人間たちは、あるパラメータ率が他者と比較して相対的に高いだけであるにも関わらず、本来は存在しない人間の能力値のようなものが絶対的に高いと思い込み、自分に陶酔したり、人を傷つけたりしている。



下界とはそういう世界だ。


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