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海見みみみさん

はじめまして。 時空モノガタリで修行させていただいています。 焼き肉が大好物。

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とどいたモノは

19/03/18 コンテスト(テーマ):第167回 時空モノガタリ文学賞 【 実家 】 コメント:0件 海見みみみ 閲覧数:138

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 タダヒトさんは はるから ひとりぐらしを はじめました。きゅうじつ いえで グータラ していると にもつが とどきます。おかあさんからの しおくりで ミカンが たいりょうに はいっていました。
「さすが こうぶつが よくわかってる。でも つぎは もっと いいもの たべたいな」
 タダヒトさんは ミカンを たべながら じっかあてに てがみを かきます。
『ミカン たいへん おいしゅうございました。つぎは こうきゅうアイスが いいな』

 それから いっかげつご。ふたたび しおくりが とどきました。タダヒトさんは ワクワクしながら はこを あけます。
 なんと はこの なかには、せんげつ じょうだんで さいそくした、こうきゅうアイスの つめあわせが はいって いました。さっそく アイスを ひとつ たべてみます。
「こうきゅうなのは おいしいな。でも デザートばかり じゃなく、にくも たべたい」
 アイスを たべおえると タダヒトさんは てがみを かきました。
『アイス たいへん おいしゅうございました。つぎは まつさかうしが たべたいな』

 さらに いっかげつご。こんげつも りちぎに しおくりが とどきました。タダヒトさんは なれた てで はこを あけます。
「こんかいは なんだ……えっ」
 ビックリする タダヒトさん。なんと はこには まつさかうしの つめあわせが はいっていたのです。
「まつさかうしなんて じょうだんで かいたのに。まさか かあさん、かいたら なんでも おくってくれるのか?」
 タダヒトさんは すぐに てがみを かきました。
『まつさかうし たいへん おいしゅうございました。つぎは マツタケが たべたいな』

 そして いっかげつご。また しおくりの はこが とどきました。
「こんかいは マツタケが はいっているのか? まさかな」
 そうおもいつつも タダヒトさんは ドキドキしながら はこを あけます。
 はこの なかみ。それは ぎっしり つまった マツタケでした。ついに マツタケまで とどいて しまった。タダヒトさんは わらいごえを あげます。
「かあさんは ほんとうに なんでも おくって くれるんだ! それなら すきほうだい やらせて もらおうじゃないか!」

 それから タダヒトさんは タガが はずれたように、カニや エビ おさしみに おにくと なんでも ねだりました。そのたびに ねだったものが とどきます。タダヒトさんは なんねんも やりたいほうだい しつづけました。

 すうねんご。あいかわらずの タダヒトさんに おねえさんから でんわが ありました。そのこえは やけに しんけんです。
「いい? おちついて きいてね」
「どうしたんだよ、いきなり」
「あのね……かあさんが たおれたの」
 カアサンガ タオレタ。そのことばが りかいできず タダヒトさんは かたまります。
「そんな、きのうだって しおくりが……」
「ずっと まえから かけいが きびしいとかで ろくに ごはんも たべてなかった らしいの。まえは ちょきんも あったのに」
 おねえさんの ことばに タダヒトさんは ハッとします。ここ すうねん おかあさんの しおくりで ぜいたくざんまい しました。あれだけ すきほうだいしたら ちょきんも なくなります。じぶんの せいで おかあさんが たおれた。タダヒトさんは そのばに くずれおちました。

 よくじつ。タダヒトさんは じっかに かえりました。じたくの ふとんで おかあさんが ねむっています。そのかおは やせほそり むかしの おもかげすら ありません。
「タダヒト……?」
 おかあさんが めを さまし、タダヒトさんを みつめます。タダヒトさんは ふるえるこえで こういいました。
「しおくり みんな おいしゅうございました。つぎは……つぎは、オレが かあさんに ぜいたくさせて あげるから!」
 つっかえ つっかえ なみだごえで つげる タダヒトさん。そんな タダヒトさんを みて おかあさんは ほほえみます。
 そのえみは いままで とどいた どんなしおくりより こころに とどきました。


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