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海見みみみさん

はじめまして。 時空モノガタリで修行させていただいています。 焼き肉が大好物。

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おそうしき

19/03/14 コンテスト(テーマ):第166回 時空モノガタリ文学賞 【 おくりもの 】 ※時空作者による選考回 コメント:2件 海見みみみ 閲覧数:164

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 おじいちゃんが しんだ。そうきいて ボクくんは ないしん したうちを しました。
 あしたは ずっと たのしみにしていた おくたまでの ツリに いく よていのひ。でも おじいちゃんが しんで あしたは おそうしき。ツリには いけません。
――なんで こんなときに しんだんだよ。おじいちゃんの バカ。
 ボクくんは そう こころのなかで つぶやきました。

 よくじつ。そうしきかいじょうには たくさんの しんせきが あつまっていました。でもボクくんは しんせきの ひとたちと あまり はなしたことがありません。はなす あいても おらず ボクくんは たいくつでした。
「こっちに おいで。おじいちゃんと ごあいさつ しよう」
 おとうさんに よばれ ボクくんは ひつぎのまえに むかいます。ひつぎの なかには おじいちゃんが ねむって いました。
――これ ほんとうに しんでるの? なんだか ウソみたい。
 おじいちゃんが まだ いきてる きがして ボクくんは のぞきこみます。まるで ただ ねているかのような かお。のんきな ねがおに みえて、ボクくんは「バーカ」と きこえないように つぶやきました。

 いよいよ おそうしきが はじまります。おぼうさんが おきょうを あげている あいだ ボクくんは ねむくて しかたありませんでした。
――たいくつだな。ほんとうなら いまごろ おくたまで ヤマメを つって しおやきに してたはずなのに。
 ボクくんは ひつぎに ねむる おじいちゃんを にらみながら おきょうを きいていました。

 おそうしきは すすみ、つぎは ばしょを かそうばに うつしました。いよいよ おじいちゃんと ほんとうの おわかれです。
 しかし ボクくんは まだ ヘソを まげて いました。おじいちゃんが かそうされることに なっても、まだ ふきげんです。
「おじいちゃんに さようなら しなさい」
 おかあさんに いわれ、ボクくんは ひつぎのなかを のぞきます。
――おじいちゃんの バーカ!
 あいかわらず おじいちゃんに もんくを いう ボクくん。でも おじいちゃんが かそうろの なかに はいり みえなくなった しゅんかん、ボクくんの むねが チクリと いたみました。

 かそうの あいだ しんぞくは へやに あつまって すごします。ボクくんは さっきから むねが チクチクして しかたありませんでした。そこに おとうさんが こえを かけてきます。
「おまえに わたしたいものが あるんだ」
 そういわれ ボクくんは いちど へやを でます。へやの そとで おとうさんは ひとつの はこを とりだしました。
「おじいちゃんは いくつか いさんを のこしていてな。ゆいごんに これを おまえに わたしてくれと かいてあったんだ」
 おじいちゃんからの いさんが まさか じぶんに のこされているとは おもわず、ボクくんは おどろきます。
 はこを うけとると ボクくんは ドキドキ しながら なかを あけました。
「これは……!」
 はこの なかみを みて、ボクくんは ことばを うしないました。
 てづくりの ルアー。それも ボクくんの すきな けいりゅうヅリで つかう スプーンや プラグが ぎっしり つまって いました。
 ボクくんは おじいちゃんが しんだせいで ツリに いけなかったと ヘソを まげていました。なのに おじいちゃんは ボクくんの すきな ツリの どうぐを のこしてくれていたのです。そう、ボクくんの ために。
――そういえば さいしょに ツリの たのしさを おしえてくれたのは おじいちゃんだった。
 そんな おじいちゃんに ボクくんは どれだけ ひどいことを したか。こうかいで あたまのなかが いっぱいに なります。
 そして いつしか ボクくんは ないていました。ボクくんは おおつぶの なみだを ポロポロと こぼします。
「……おじいちゃん、ごめん、ごめんなさい。ほんとうに ごめんなさい」
 ボクくんは ようやく おじいちゃんの しを じっかんし、ひとり なきました。


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このストーリーに関するコメント

19/04/09 滝沢朱音

祖父の死に舌打ちしたり、バーカと言ったりしてへそをまげているボク。
かなだけで書かれた文章が、幼い子どもの心の動きをありのままに表現していて、じんとしました。面白かったです。

19/04/09 海見みみみ

滝沢朱音さん
コメントありがとうございます。
三作品全てにコメントをいただけて感謝です。
これからも執筆がんばります。

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