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ジェームズボンバークライシスさん

ジェームズボンバークライシスです。 好きな作家はドストエフスキーと、ゲーテと夏目漱石と芥川龍之介です。よろしく。

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響け、僕の愛の歌

19/02/14 コンテスト(テーマ):第165回 時空モノガタリ文学賞 【 弾ける 】 コメント:0件 ジェームズボンバークライシス 閲覧数:220

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1人の青年はモテていた。
高須と名乗るその彼は、僕の好きな女の子数人に愛されていた。
残念ながら、僕は高須くんのようにモテる男性にはなれない。
だから、僕はその好きな女の子の中でも一番好きな女の子のために10曲の歌を作った。

愛の歌、その曲は彼女の胸に響くのだろうか。
僕の書いた愛の歌「詩」は、彼女に届くのだろうか。その不安、僕は拭いきれないでいた。

冬の寒さは僕の孤独を一層煽る。
きっと、僕はこの冬の寒さと強い孤独によって死ぬ。
愛するあの子に、振り向いてもらえず、彼女は何処へと消えた。
名刺入れの中には、あの子の写真がある。

春の香りは別れを彷彿とさせる、あの人の最期は、春だった。
その人に似ている人が僕の今までの人生で数回、現れた。
だけど、その人達も何処へと消えた。

もう、あの日以来恋はしないって、心に決めたのに、彼女や妻、さらには友人知人家族でさえもいないことに不安を感じる時がある。
結局、僕は社会不適合者だ。もう人生が嫌になる。
こうして、死のうとロープを設置しようと、タンスを開けた時、あの日のギターがあった。

高須くんに負けまいと、僕は歌を作って愛を伝えようとした。
高須くんには、敵わないから、バンドを組んで彼女に振り向いてもらおうって思ったんだ。
愛する少女サキの好みに、全てを合わせた。

サキが好きな曲を弾き、サキの好きな髪型にして、そしてサキの好きな食べ物を振る舞った。
だけどもうあの人はいない。
似てる人だって…もう。

そして、愛する人達が消えたと同時にライバルの高須くんもいなくなった。
僕は独りだ、最後に…、自殺をする前に1曲だけ歌おう。
それが僕の最期の歌。
そして、届かなくなってしまったあの人へ贈る歌。
それを弾こうとした時、涙が溢れた。

歌えなかった、最期の歌は。
ただただ6畳のアパートにギターの音色だけが響いた。


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