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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

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504号室のアリ

18/12/06 コンテスト(テーマ):第163回 時空モノガタリ文学賞 【 504号室 】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:90

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 アリたちのちっちゃなアパートがありました。
 土をほって、地下にもぐっていくアパートです。
 一階から、どんどんもぐっていって五階まであります。
 ひとつの階には、横に四つ部屋があって、101号室から504号室まであるんです。
 ひとつの部屋には、アリが一匹ずつくらしています。
 アパートには、全部で二十匹のアリがくらしていました。
 101号室のアリは一番えらくて、みんなのリーダーです。 
 『たいちょう』とよばれています。
 たいちょうは、食料をみつけるとみんなにしらせる仕事があります。
 今日も、たいちょうから、102号室のアリに出動命令がでました。
 102号室のアリは、103号室のアリにしらせます。103号室のアリは、104号室のアリへ順番にしらせていきます。
 最後の504号室のアリに届いたときには、もうみんなならんで待っていました。
 504号室のアリは、くつをかたっぽだけはいて、あわててならびました。
「よーし、これから出動!」
 たいちょうのかけ声で、みんな歩き始めます。
 一・二・一・二……。
 504号室のアリは、くつがかたっぽだけなので、
「あいててて」
と言いながら、いっしょうけんめい歩いていきます。
「前方注意!」
 たいちょうが大声で言ってとまりました。
 
 ドスン

 アリの行列の前に、人間のくつがおりてきました。

 ドスン ドスン

 504号室のアリは、ふっとんで列からはなれたところにおちました。
 アリの行列は、ずっと前にいます。504号室のアリは、全速力で走ります。
 かたっぽのくつもぬげました。
「あれれ、こまったなぁ。」
 504号室のアリは、はだしで、足をもつれさせながらかけていき、やっとおいつきました。
「水たまり発見。注意してすすめ!」
 たいちょうの声で、水たまりのまわりをみんなそろりそろりと歩きます。
 けれども、504号室のアリは、うっかり水たまりにはいってしまいました。
「きゃあ、たすけて!」
 落ち葉がひらりとおちてきて、504号室のアリをのせてくれました。
「ふう。」
 ひと息ついていると、
「みえてきたぞー!」
 たいちょうの声がします。
 あめ玉がひとつ、おちていました。
「かかれー!」
 たいちょうの声で、みんなあめ玉めがけてかけっていきました。
 504号室のアリも、みんなに負けないように、あめ玉によじのぼります。
 でも、はだしなので、足がペタペタくっついてはなれません。
 泣きべそをかいていると、ほかのアリたちがあめ玉をとかして運んでくれたので、504号室のアリも、地面に立つことができました。
「かえるぞー」
 たいちょうのかけ声で、みんなあわててならぶと、たいちょうについて歩きます。
 一・二・一・二……。

 帰り道に、504号室のアリのくつがころがっていました。
 あわててくつをはくと、やっとアパートにかえってきました。
「ごくろうさん。解散!」
 たいちょうに言われ、みんな部屋にもどります。
 504号室のアリも、へとへとになって帰りました。

 ピンポーン

 玄関のチャイムがなりました。
(だれだろう?)
 でてみると、となりの部屋のアリがいます。
「つかれただろう。ぼくのあめ、ちょっとあげるよ」
 あめの汁を飲ませてくれました。
「おいしかった! ありがとう。元気が出たよ!」
 504号室のアリは、うれしそうに言いました。
(また、出動命令がでたら、こんどこそがんばるぞ!)
 504号室のアリは、ベッドにもぐりこむと、ぐーぐーいびきをかきはじめました。 


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