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むねすけさん

ブログで創作をやっていましたが、誰にも相手にしてもらえないため、こちらに辿り着きました。 面白い物語、少しほっとしてもらえるようなお話を書きたいと思っています。

性別 男性
将来の夢 作家になりたいですが、 それが無理でも、何かの原案家とか、 自分の考えた物語が世に出ること。
座右の銘 我思う、故に我在り。

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石を投げたら波紋になった

18/10/21 コンテスト(テーマ):第161回 時空モノガタリ文学賞 【 伝言 】 コメント:2件 むねすけ 閲覧数:168

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 みえないまま、聴こえないままで良かったなら、石を探すこともなかったし、石を放ることもなかっただろうから、それをしている僕が思うことは、僕という人間は景色を望み、声を求めたか弱くも逞しい人間であったということ。
・映画館の悲鳴とアイスモナカ ぼちゃん。投げた石はお腹の中。広がった波紋を飽かず眺めた。
・砂時計屋が砂時計をひっくり返す時に言う言葉 ぼっちゃん。二投目の理由は点った灯りを逃さないための必然。
・飛び方は忘れたんじゃなくって、前から知らない ぼちゃり。寂しいわけさ、そうさ。
・捕れなかったレフトフライ ぼとり。聞いてくれないか、こんなことがあったんだ。
・ジャパニーズには珍しい乖離性のレアケース ぼちゃん。私にはこんな癖がある。かもね、かもね。
 僕は音を聞いて目を開いた。音がある、水面を広がる波紋があった。ということは、ここには湖があるんだと思った。海にも繋がる湖が。
・目と耳を蛇に借りたカエルはげぇこげぇこと鳴く ぼちゃん。石は僕の手にしっかりと重い。
・視力のない兄と、声のない僕らのパーフェクトクライム ぼっちゃん。暗い暗い気持ちの石は暗い暗い波紋になった。
・晩白柚。柑橘お化けの果物を画像検索したら幸せな家族が見えた ぼちゃぁぁん。思い出にいるんだもん。
・一度目の月泥棒 っっぼちゃん。月に映った顔の中に探した僕の顔を元の顔とすげ替えようか。
・段ボールに張った太い輪ゴムで奏でたパイプライン ぼんぼちゃぼちゃぼちゃ。音楽が大好きだ、何度でも言う。
・原稿用紙喰って千円札を吐く妖怪 ぼちゃんでしょう。語尾を伸ばすのは名残惜しんでいるからだ。会話を。
 きっとあった湖の前。膝小僧を抱えて月夜に腹をまさぐって、石を探した。みつけた石の形状を掌で揉むことを怖がったら、スピードと描く弧が無限になって僕を含んだ。
・ラジオパーソナリティーの名前は異物感を出すために丘の星さんにした ぼちゃん。ラジオがなければ死んでいた。
・最後の網膜にオッパイ ぼちゃん。音は目に見えない。私にはそれが怖い。
・旅情はプラスチック容器のお茶 ぼちゃーーーーん。記憶は瞬くから記憶しておく。
・冴島の掌は画像をめくる ぼちゃぼちゃぼちゃ。見真似で放ったアンダースロー。石切る水面は眠くない。
・このタイムストップ・ハウマッチ? ぼちゃん……。時間は止まる。そんなこと簡単に起こる。
 石は投げ続けることに意味があった。波紋は重なって鳴るのだ。波紋は波紋を呼んで、呼ばれて、層となって僕を含んだ。僕はそこに存在した。息が少し楽になったら、誰かの放る石が見えた。
・そら豆のお手伝い ぼっちゃん、ぼっちゃん。会話を聞いていたかったんだ。
・堀の川面に影落とす柳が今生の手下に魚を一匹探す時分時 ぼちゃぁぁぁぁぁんんん。江戸時代にだって届く石。
・怖がらない人間は痛みに鈍い人間だからそっちの方が怖い ぼちゃ。一人ではない、こんなこと思うのは。そうだろ。
・アンヌ星人? ぼちゃりん。なんて可愛いことを言うんだ君は。
・いもけんぴはビニール入りで、ルールを作った馬鹿をなじる。センスはあり ぼちゃん。キラリ。
 初めて石は沈まなかった。波紋を泳いで僕を呼んだ。一緒に泳いだ水面は、僕に息継ぎの仕方を教えてくれた。景色に点った灯りが世界を広げた。かかる建物のアーチが瞳に宿となる。楽団が丘を駆けていく。追いかけよう。
・十秒ゼロ九。馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿 ぼちゃん!! 無意識は絶頂の咆哮。
・氷淡水ペンギン ぼちゃん。かちん。母と娘はいつもやさしい。 
・正義は自動販売機に閉じ込められたまま ぼちゃーーん。石は握り方で重さが変わると知った。
・ハーモニカと相棒になった話 ぼちゃん。両手にだって石は持てる。
・江戸のお城を何寸かずらしたろう ぼちゃん。どうみてもらえるか。なんだよね。
・黒板の木の枠に刻んだ初恋、はよ確認しなさい ぼちゃん。追ってなぞると濃くなる。
・千年生きたクリオネを閉じ込めた氷のオンザロック ぼちゃんとばっかるこーん。空想は自由で楽しい。
・カバディーとコメディー ぼちゃぼちゃぼちゃぼちゃ……。ディーしか合っていないけど、それでも石は投げないと勿体ない。
・伏せ字で川柳を詠む爺さん ぼっちゃん。ありがとう。
 水面の波紋は永遠にやむことがない。僕が石を放る限り、やまない。波紋が見せてくれた景色、波紋が聴かせてくれた音と声は、いつか子供の頃に憧れたファンタジー映画のスクリーンのように僕を招いてくれる。
 三年の時が流れた。
 何か伝言は?
 僕もずっとそれを考えていた。
 でももういいんです。
 言い残したいことは、全部、書いてきました。石にして投げてきました。
 どうも、ありがとう。 











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このストーリーに関するコメント

18/10/25 クナリ

たくさんの波紋を残されましたね。
これから先は、むねすけさんはまた別の新たな河原に立たれるのですね。
投げ入れた石も、それによって揺れた水面も、いつまでも残り続けるものです。
これからのご活躍を、作品での再会と合わせて、お祈りしております。

18/10/26 むねすけ

クナリさん
ありがとうございます
時空モノガタリの水面に石を放り続けて得たものを溢さないように抱きながら
次の場所に移ります
クナリさんの活躍の側にゆける力をいつか身に付けたいです

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