1. トップページ
  2. お上品な僕は汚い言葉が███になる。

笹岡 拓也さん

文章でササオカタクヤの世界を伝えられたらいいなと考えてます。 キャラクターたちがイキイキとした物語を書いて、読んだあと何か残れるような作品にしていきます。

性別 男性
将来の夢 自分の作品を多くの人に読んでもらうこと
座右の銘 生きているだけで幸せ

投稿済みの作品

0

お上品な僕は汚い言葉が███になる。

18/09/15 コンテスト(テーマ):第160回 時空モノガタリ文学賞 【 伏字 】 コメント:0件 笹岡 拓也 閲覧数:212

この作品を評価する

僕は生まれも育ちもお上品。だから汚い言葉を口にすることができない仕様になってる。
じゃあ汚い言葉を今言ってみるから聞いていてもらいたい。
「███!」
ほら!汚い言葉は僕の口からは言えない。いや言ってる感覚はあるけど、みんなに伝わらないようになってるんだ。

そんな僕はある日、友人とお話をする機会があった。その前の日に起きたことを友人にどうしても語りたかった僕は、包み隠さず言葉にした。
「ねぇ聞いてよ」
「いいけど、どんな話?」
「昨日あった不幸な話」
友人も僕と同じお上品の世界で生まれた人間。もちろんお互い汚い言葉を使ったことがない。
「昨日買い物の帰りに駅前にある喫茶店に寄ったんだけど、急にお腹が痛くなって███がしたくなったの」
「ほう。それで?」
「僕は外のトイレでは███がしたくないのね。だから家まで███を我慢しようって思ったわけ」
友人はこの壮絶な話を真顔で聞いている。もう少し興味を持って聞いてほしいのに。
「お会計してさ、僕は███が出ないように恐る恐る家に向かって歩いたワケ」
「で?」
「ここからが悲劇の始まり。もう冷や汗かくは鳥肌が立つはで油断もできない状態だったんだよ。あと三分我慢すれば███をトイレでできるというのだけを考えて歩いたんだ」
ここで友人は合いの手を入れてこなくなった。話に飽きたのか?それとも夢中で聞いているのか?
「そしたらさ、僕の好きな女の子と偶然鉢合わせしちゃってさ!もう███したいのにー!って思いながらも会えた喜びで少しその場で話しちゃったんだよ」
「…」
「しばらくは███を我慢してたんだけど、もう███も限界がやってきて。僕はそこで███を…」
「その話もういい!」
僕は話のオチを言うところで友人に止められてしまう。僕は話しを途中で遮る人が好きじゃない。今まで友人はそんなことしてこなかったのにどうして。
「お前の話、本当にいつも汚いよな」
「え?僕汚い言葉話してないよ?」
「いやいや、めちゃめちゃ言ってるからな」
「本当に言ってないって!」
「言ってなくてもウンコの話は変わらないだろ」
「あー!███って言った!███って言ったら汚いんだぞ!」
「下手に伏せてる方が汚く感じるわ!それにウンコ漏らした話聞かされる身にもなれよ」
「だって好きな子の前で███漏らしたんだよ?こんな不幸話言わなきゃ救われないよ!」
「きったねー話やめろ!」
僕は友人に怒られた。汚い言葉を使わないように話してただけなのに。
「お前は汚い言葉が言えないってのに甘えてるんだよ。言ってみろ」
「嫌だよ!」
友人は少し黙ったあと、汚い言葉を言うように脅迫してくる。そんな汚い言葉を言えるわけないよ!
「う」
友人の言葉を続けて言うように指示される。嫌だったけどやってみるしかない。友人に嫌われたくはないから。
「う」
「ん」
「ん」
「こ」
「…」
僕が今まで一度も言ったことがなかった言葉。それを今言おうとしている。僕は勇気を出して叫んだ。
「█!」
友人はとっても呆れた顔をしていた。僕は言った。
「███って今言ってたか?!」
「いや言ってなかった。お前は本当に言えないんだな」
俺はだんだん言えないことが恥ずかしいことなんじゃないかって考えるようになっていた。意識してるから汚く感じるだけで、本当は普通の言葉なんじゃないか?だとしたら言えないって相当恥ずかしいことだろう。
「俺も███って言いたいよ!うーーんーー█ーーーー!」
それでも僕は言えなかった。こんなに言いたいのに、どうして言えないんだろう。
そんな時、友人はスマホに入った速報を見て喜び始める。
「よかった!雨の影響で止まってた電車運行だって!」
「え?運行?」
僕は何気なく友人の言葉を続けた。すると友人は物凄く驚いた顔をして言ってきた。
「今、運行って言ったか?」
「あっ!」
僕はようやく言うことができたんだ!今まで汚い言葉を言っちゃいけないとばかり思ってたけど、もう汚い言葉も言えるようになったんだ!僕は思い切り大きな声で叫んだ!

「███うーーーーー!!」


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン