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カジキMさん

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片想いのすすめ

18/08/12 コンテスト(テーマ):第159回 時空モノガタリ文学賞 【 片想い 】 コメント:0件 カジキM 閲覧数:140

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 私は片想いのプロフェッショナルだ。女性と深い仲になった事など一度もない。
 ある方法を思いつき、それを極めることによって、俗に言う“お付き合い”をしなくとも幸せを感じることができる。私はこの片想いの方法を君たちに広めたいと思う。それによって救われる人が必ずいるはずだ。
 では、なぜ私が片想いを推奨するのか。そして、どのように片想いで自己を満たすことができるのか、簡単に説明していこう。


 まず、なぜ片想いを推奨するのか。それについて述べてゆく。
 例えばの話、君の職場に気になってしょうがない可愛らしい女性がいたとする。君はその女性と両想いになり、そして一緒に喫茶店や映画館に行きたい、そんな願望を持つようになるだろう。
 私はきっぱりと君に言おう。そのような考えは捨てるべきだと。

 まず、君のそのような容姿では“告白”などというものをしたところで失敗に終わるのは目に見えている。その疲れきった顔、ぐちゃぐちゃな歯並び、眼にかかりそうな長い前髪。いったい君の容姿のどこに女性から好かれる要素があるのか。
 申し訳ない。言い過ぎてしまった。

 次に、女性とお付き合いをするにはお金がとてもかかる。入社3年目の君の手取りはいくらだい?19万?その中から家賃、光熱費、奨学金の返済、食費を抜いたら手元に残るのは7〜8万そんなものだろう。女性と遊ぶ羽目になったら、食費、交通費、映画のチケット、ホテル代、そのほとんどの費用を君が払うことになるだろう。
 そんな状況では君はすぐに破産してしまうね。

 最後に君が素敵だと思っているその女性。君がそのように思っているのであれば、周囲にもそう思っている男たちが沢山存在するはずだ。君がそれらに勝つことができるのか。それは可能性が低いと言わざるを得ない。
 どうせその女性は、色々と余裕のある、その職場の妻子持ちの上司に抱かれているに決まっている。

 以上の理由から、君が傷つかない為にも、女性と深く関わろうという考えは放棄したほうが良いと言える。

 
 では、片想いで満足を得る方法、それについて語ってゆこう。それは簡単である。君が想いを寄せる女性を、頭の中で完全にコピーし、そして頭の中で両想いになるのだ。
 そのために職場での彼女を、しっかりと“記憶”する。容姿、服装、仕草、声、匂い等々。眼を瞑っても、彼女が見えてくるまでしっかりと“記憶”をする。
 完全に一人の人物を記憶をするまで、短くとも1ヵ月はかかるだろう。

 私は一人の女性を完全に“記憶”をし、頭の中でコピーを作ることに成功した。それにより、私は頭の中のその女性といつでも会話でき、休みの日にはデートをすることができる。夜、ともに寝ることもできる。私と彼女は言わば同一人物なので、交際の費用はまったくかからず、喧嘩もすることもない。
 金銭的、精神的な苦痛は全く感じない。全く。
 私が知らない彼女のプライベートな部分は、自分で思いのままに設定を付け足してゆけばよい。

 私の彼女を君に紹介しよう。
 名はNと言い、25歳で身長は160cmほど。服装はTシャツにジーンズなどラフな格好が多く、アメコミが好きで、私の好きなJリーグのチームを愛し、私の好きな音楽を聴き、私の好きな小説を読み、私と食事の好みが一緒で…
 私は彼女と居れて幸せだ。

君もこの究極の片想いを実践してみてほしい。
幸せになれる筈だ。

私は幸せだ。誰がなんと言おうと。


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