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きゅうりさん

ごく普通の会社員です。何らかの形で文章を書く仕事に就けるよう、特訓中。

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漫才「お参り」

13/01/12 コンテスト(テーマ):第二十二回 時空モノガタリ文学賞【 お寺 】 コメント:1件 きゅうり 閲覧数:1712

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A 実家が田舎のほうなんですけど、こないだ久々に帰省しまして。実家はいいですね。
B 親が迎えてくれるわけや。「二度とこの家の敷居をまたぐなと言っただろ!」
A 何で絶縁されてんねん。温かく迎えてくれたんや。その日は、家でお参りがあったんです。
B 家でお参りって? 実家はお墓?
A 違うわ。参りは墓以外でもするねん。実家は家に仏壇があって、近くのお寺の住職さんが来て、お経あげてくれるんです。
B 親戚や近所の人が集まってくるわけや。二、三百人くらい。
A 多すぎるわ!家ぱんぱんなる。
B そんな入るんか。家広いみたいな言い方するな。
A お前が言い出したんやろ。十数人程や。皆で集まってると、お寺さんが来るんや。
B こんな感じや。ブーーン、キーー!(車を運転)
A 何で来とんねん!
B 当然フェラーリやないか。
A 場をわきまえろ。
B 赤のやで。
A 色どうでもええ。お参りやぞ。歩いてこい。
B こんにちは。
A あ、こんにちは。お願いします。こちらです。
B (人をかき分けるように歩きながら)たくさん来られてますな。ざっと二、三百人 は…
A だからそんなおらんねん。じゃあ、こちらの座布団にどうぞ。お願いします。
B ああ。あのその前にね、ちょっと(手出す)
A あ、お茶ですね。すいません。
B どうも(茶飲む)それと、ね、あれを(また手出す)
A お茶菓子ですね。気がつかずにすいません。どうぞ。
B (茶菓子食べて、また手出す)
A はよ参れや!何が欲しいねん。
B まず、おふせやないか。
A さっそくはおかしいやろ。
B 遅れたら金利がつくで。
A どんなシステムやねん。後で払うから、お参りが先やろ。
B じゃ参りましょか(服のチャックをおろし、上着を脱ぐ)
A 何着てんねん。
B ジャージ。
A 普通、袈裟やろ。
B 動きにくいがな。
A お前じっと座ってる仕事やないか。動き関係ないやろ。はよお経読め。
B 皆さんお経書いた本配りますので一緒に読んでください。はい、どうぞ。はい、は 
い…(素早く動いて配る)
A めっちゃ動くやん。回したら済む話やろ。
B では、48ページからです。「あたたたたたたたたっ」
A 激しすぎるわ。どんなお経やねん。
B あ、この本、北斗の拳やった。
A これ何の会やねん。皆集まって、北斗の拳聞かされて。本変えろ。
B 忙しい毎日にほっと一息の時間を。伝統的な和の香りから、お花の香りまでその日にの気持ちにあったお香を……
A お経を読め。それお香の本やろ。お参りやから。
B 汝の敵を愛せ。求めよ、さらば与えられん。
A それキリスト教やないか。宗教が違う。
B アッパリーヨーペラリーヨー
A どこの部族やねん!宗教ごちゃごちゃやないか。うち仏教や。
B ん?これは何ていう字? みなみなしあみだほとけ(南無阿弥陀仏)
A なむあみだぶつや!何で漢字読まれへんねん。さっき汝とか言えてたやん。ちゃんと読め。
B 我が生涯に一片の悔いなし!
A また北斗の拳読むな。もうお経とばせ。最後は住職さんがありがたい話してくれるんです。
B それ得意やわ。こんなんや。さ、今日もこの時間がやってきました。住職のありがたい話のコーナー。
A 軽いねん。
B さ、今日も檀家の皆からたくさんのメッセージ届いてるよ。
A ラジオみたいになってる。もっと落ち着いた感じやから。
B 皆さんにお伝えしたいいい話がありまして。感動のあまり泣けてくるようなね。ここ
にいる全員が涙涙で……あ、これちょっとハードルあげすぎたかな。これで泣かんか
ったら、わし嘘ついたみたいになるし具合悪いな。ちょっとごめん、今のなしで。聞  かなかったことにしてよ。さ、気を取り直して、よし。
A 長々何言うとんねん!びしっと決めろ。自信持って話せ。
B 人を思いやる心というのは大事なものです。こないだある本読んでたら、いいこと書いてありました。いろいろ悪いことしてきたある人が今にも息をひきとりそうな場面なんです。で、その人を看取る男がこう言うんです。「お前はもう死んでいる」
A また北斗の拳やないか。もうええわ。


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このストーリーに関するコメント

13/01/20 かめかめ

ふつう

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