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hayakawaさん

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芸術って何?

18/07/15 コンテスト(テーマ):第158回 時空モノガタリ文学賞 【 あとがき 】 コメント:0件 hayakawa 閲覧数:497

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 僕はふと頭の中で芸術家になろうと考えた。何がいいだろう。小説家、映画監督、音楽家、画家。
 頭に浮かぶのはそれくらいで、なんとなく映画監督になろうと思った。なにより、映画が一番面白いと思ったからだ。

「ねえ、映画作ってみない?」
 僕は大学の友達に話しかけた。
「映画? 俺達で? そんなの無理だよ」
 彼はそう言った。
 彼は僕と話している時もゲームに夢中になっている。僕はストローでコーヒーを飲んでいた。
「ねえ、何してんの?」
 女子の二人組が話しかけてきた。同じ学科の同級生だ。
「俺達で映画作ろうって」
 僕はそう言った。
「なにそれ? おもしろそう」
 一人の女子がくっついてきた。黒髪でおしゃれな服を着ている。

 夏休みになると男女四人でコテージを借りた。機材は借りてきて、小さなコンテストに応募することにした。
「ねえ、ビール飲む?」
 一人の女子が言った。
「まだ、昼だぜ。早くワンシーン撮ろう」
「脚本は君が書いたんでしょ?」
「そう。脚本の勉強をしたことがある」
「すごーい」
 女子はそう言ってはしゃいでいる。真夏の太陽が照り付ける。近くは砂浜だった。海が見える。

 結局夕方になるまで、みんなで遊んでしまったので、撮影は日が沈むころから始めた。コテージの部屋の中で行った。
 俳優は彼がつとめ、女優は一人の女子がつとめた。内容は美しく悲しいラブストーリーだ。
「本当にこれ読むの? 恥ずかしいんだけど」
 彼はそう言った。
「いいじゃない。こんなの小学校の学芸会以来だわ」

 撮影は三日間行った。僕は家に帰ってからパソコンで編集作業に没頭した。
 内容は二人が愛し合う内容にした。抱き合うシーンもあった。
 二人はとても恥ずかしがっていた。
 僕は映像を一つのストーリーにまとめた。

 夏休みが明け、大学に行ったとき、一人の女子とすれ違った。
「映画できた?」
 女優をつとめた子だった。
「できたよ」
「本当に? 見たいな」
「今パソコンに入ってるから見る?」
「うん」
 僕らは大学のカフェテリアで作った映画を見た。
「どう?」
 見終わった後、僕は彼女に聞いた。
「すごいおもしろい」
「本当に?」
「撮影も楽しかったしね。私こんな経験初めて」
 彼女はそう言って笑った。
「それはよかった」と僕は言った。
「でもさ、芸術っていったい何なんだろうね? 私昔から疑問だったのよ」
「そうだねえ」

 後日、コンテストに応募した結果が返ってきた。結果は落選だった。僕は女優をつとめた彼女に電話をかけた。
「今回は駄目だったよ」
「そう」
 彼女は残念そうに言った。
「やっぱり芸術性がなかったのかな?」
「いいじゃない。楽しければいいのよ」
 彼女はそう言って電話越しに笑った。


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