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柳瀬さん

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神様への誓い

18/06/22 コンテスト(テーマ):第157回 時空モノガタリ文学賞 【 コメディ 】 コメント:0件 柳瀬 閲覧数:226

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「お母さん、もうダメみたい。」
飾りけも何もない真っ白な病室で、4人の子供達が、末期癌で今にも息を引き取りそうな母親の言葉に耳を澄ましている。
「タケシ、アキラ、アユム。
好き嫌いしないでいっぱい食べて大きくなること。
お風呂には毎日ちゃんと入ること。
それと、夜更かししないでいっぱい寝ること。
それから信頼できる友達を沢山作りなさい。
最後にお兄ちゃんの言うことをちゃんと守って立派な大人になるんだよ。」
3人の弟達は涙を必死でこらえながら、よく分かったと深く頷いている。
「最後にお兄ちゃん。
お父さんにも逃げられてしまったし、貯金も作ってあげられなかった馬鹿な母親でごめんね。
私がこんな風になってしまったせいで色々と迷惑をかけることになると思うけど、貴方しか頼る人がいないの。
弟達を宜しくね。」
母親の前では悲しい顔を見せず、演技をしてでも明るい姿を装うと決心したはずなのに、体の中から熱い涙が溢れでてくる。
弱々しい母親の手を握り、体全体を通して気持ちを伝えようとした。
「母ちゃん、今までありがとう。
僕は将来、国家公務員になって弟達を食わせるから。
その為に必ず東大に合格するから。
大学入ったらバイトもするし、綺麗なお嫁さんも見つけるから。
後のことは僕に任せてよ。」
母親の手が次第に冷たくなっていく。
「そうね、お兄ちゃんならきっと大丈夫よ。
あれ、話してる間にお迎えが来たしまったわね。
貴方達の事は天国から見守ってるわ。
今までありがとう。」
最後の言葉を言い残し、安心したような顔で眠ったので、悲しくも少し嬉しかった。
「今日から僕は、毎日かかすことなく勉学に励むことを神に誓います。」
誰よりも3倍、4倍、5倍多く勉強してやる。
気がつけば病室の窓から右手を突き上げ、天空に向かい叫んでいた。
「ただし、以下のケースに限り、勉強しなくてもいいことにします。」
弟達は何を馬鹿なことを言っているんだと、お互いの顔を確認しあっている。
「風邪をひいてる日。
友達に遊びに誘われた日。
お小遣いをもらった日。
体育の授業があった日。
歯医者に行った日。
雨が降った日。
夏休み。
空が綺麗な日。
お正月。
好きなドラマが放送してる日。
爪を切った日。
金曜日。
気になっている女の子に彼氏がいると知った日。
あまり寝れなかった日。
土日。
魚の骨が喉に刺さってなかなか取れない日。
祝日。
可愛い女性の先生に褒められた日。
前髪を切りすぎてしまった日。
面白い漫画を読んだ日。
クリスマス。
足の臭い友達が自分の部屋のコタツに足を入れてきた日。
学校休んだ次の日になんで昨日休んだのと友達が誰も声をかけてくれなかった日。
オナラだと思ったら下痢でパンツがぐちゃぐちゃになってしまった日。」
さわやかな風に包まれ、言いたい事を全て言いきった僕はとても清々しい気持ちになった。
「今日は空が綺麗なので、勉強を休みます。」


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