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たい焼き好きさん

何が言いたいかっていうと和菓子が好きです。 特にたい焼き。 初心者なんでお手柔らかに…

性別 女性
将来の夢
座右の銘 キャラ崩壊はこの世で最も恥ずべき悪徳である

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ある中学校での話

18/06/01 コンテスト(テーマ):第157回 時空モノガタリ文学賞 【 コメディ 】 コメント:0件 たい焼き好き 閲覧数:236

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『いただきます』の合図でみんなが一斉に箸を取る。最初にご飯に手をつける人もいれば、魚の骨を取る人もいる。そんなありきたりな風景の中、私、神楽舞は、重大な問題に悩まされていた。
「牛乳おかわりいる人ー…は、いないか…。よーし、じゃあ剣崎、これ全部飲め」
「えー流石に五本はきついっすよ先生!1リットルですよー!」
「あ、じゃあ俺のもよろしくー」
「ちょ、こゆびは自分で飲めよ!っておい!桐谷!どさくさに紛れて大根押し付けるな!」
「いーじゃんどうせ食えるだろ笑」
「ねー剣崎、私ご飯こんなにいらないから半分あげるよ」
「俺既に2杯分くらいあるんだけど!さっきから先生にさりげなく入れられてるんだけど!」
今の会話は、全て私と同じ班の人物によるものだ。(先生は除く)
ではここで、彼らを一人ずつ紹介していこうと思う。
まず、さっきから牛乳だの大根だの米だの色々押し付けられている憐れなこいつは、名前を剣崎裕翔という。4月にこのクラスが始まってから今までの約二ヶ月の間に、デザートの蜜柑を7個食べたり、開始5分で一食分を完食するなど、数々の偉業を成し遂げてきた。やたらとかっこいい名前だが、彼自身は背が高いことしか取り柄のない残念男子だ。
次に、その憐れな剣崎に最初に牛乳五本を押し付け、しれっとご飯一杯分も増量した、ある意味全ての元凶と言えるのは、我らが担任の長澤先生だ。いつも給食の残飯に悩まされており、大体余ったものは剣崎に押し付ければ解決すると思っている。強ち間違いではない。クラスに関しては、放任主義を徹底している。正直なところ、私はあまり好きではない。
そしてその次。『こゆび』と呼ばれていた、自分の分の牛乳を剣崎に飲まそうとしてた奴は、小指一という名の持ち主だ。『こざし はじめ』という読み方だそうだが、みんな『こゆび』と呼んでいる。たまに『いち』と呼ぶ奴もいる。不可抗力だ、仕方ない。よく言えばフレンドリー、悪く言えば無遠慮な人物で、男女共に交友関係が広い。重要なことだが、私の友人の元カレだ。
そして、剣崎の皿に煮物の大根を放り込んだのは、桐谷士郎だ。別に少食なわけでも、大根が嫌いなわけでもないはずなので、これは恐らく嫌がらせだ。私と同じ学級委員だが、ほとんど仕事をしない。それどころか、定期的に厄介ごとを増やす要因になっている。そろそろ学習すれば良いのに。
最後に、ご飯を半分いらないと言っていたのは、私以外の唯一の女子、苅部友梨だ。苅部氏と呼ばれることが多い。ゆりりんと呼ばれていることもある。ゆるふわ系美少女だが、たまに言葉に棘が混ざる。剣崎に個人的な恨みでもあるのか、常に扱いが雑だ。
さて、人物紹介も終わったところで、本題に戻ろう。私がなぜこの会話に悩まされているのか、だ。
先程述べた通り、彼らは皆私と同じ班、つまり近くの席にいる。ということは、私も当然その会話に混ざれる人物の一人である。
そして悲劇的なことに_読んでみてわかったかもしれないが_この班員には一人としてツッコミ役がいない。
会話だけ読んでいれば剣崎はどちらかといえばツッコミに見えるかもしれないが、奴はもう既に自分の机に置かれた食べ物全てを完食せん勢いで食べ進めている。ちなみに今は給食開始から3分経ったところだ。新記録更新するんじゃないか。
ていうかなんだこれは。コメディ漫画か。漫画ではないな。でもこの様子をビデオに撮れば間違いなくコメディドラマにはなるな。いや、どちらかといえばギャグか?ギャグドラマなんてあっただろうか?そもそもコメディとギャグの明確な違いとは…
あ、やばい。味噌汁冷めちゃった。


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