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Crownさん

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籠の中の鳥は復讐を遂げる。

18/03/18 コンテスト(テーマ):第154回 時空モノガタリ文学賞 【 復讐 】 コメント:0件 Crown 閲覧数:419

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私わたくしはリア。齢18にして、2人の人物に復讐を遂げました。

先ず1人目は、私の父でした。父はこの国を治める国王でしたが、とても傲慢な男で、王妃であった母も、家臣も、国民達も。父のせいでどれ程苦労したことでしょう。そして例に漏れず、この私も。幼少の頃から私に自由などなく、行動の全てを監視されていたのです。そしてそれは未来のことにまで及び、結婚相手までも決められていました。

しかしそんな父は、数ヶ月程前に戦場にて命を散らしました。長年敵対していた隣国の若き王・ウルに討たれたのです。そしてウルは、私にこう言いました。「お前が俺のものになれば、他の者の命は助けてやろう」と。私は迷うことなく首を縦に振りました。実はこの時、皆の命を守りたいと思うと同時に、私の中に黒い感情が生まれたのです。父は生前何度も、どんな理由があれ、ウルに恋愛感情を抱くなと言っていました。余程、彼が憎かったのでしょう。しかし私はこれに反し、ウルの女となることを選んだのです。これは、私に自由を与えてくださらなかった父への、最初で最後の復讐なのです。

そして復讐をした2人目は、その若き王・ウルでした。彼は大変な嘘つきで、終戦から数日経ち、私が彼の国へ足を踏み入れたとほぼ同時に、母や家臣達が亡くなったとの知らせが届いたのです。彼は端から、皆の命を助ける気などなかったのでしょう。私は静かに怒りに震えながら、復讐を誓いました。しかし復讐と言っても、決して難しいことではありません。私は彼の望むように生き、従順な女を演じるだけ。いいえ、このくらいどうと言うことはありません。私を縛る相手が、父からウルに代わっただけの話なのですから。

ーーそれから、どのくらいの月日が経ったでしょう。ウルに寄り添っていた側女達はいなくなり、今では彼の側には私1人だけ。さぁ、ここまで来たらあとは仕上げです。

私は夜中こっそりとベッドを抜け出し、着の身着のままで城を出ました。警備が手薄になる時間も調べてあったので、問題なく城の外へ出られましたよ。そこから私は深い森へと入り、何日かそこで身を隠しました。
たまに通りかかる猟師達の会話から、ウルは私がいなくなったことで発狂し、とうとう手に負えなくなった家臣達は、王弟と共に彼を討った…と聞きました。若き王よ、愛する者が突然いなくなる悲しみ、わかっていただけましたでしょうか?これで、彼への復讐は終わりです。



こうして私の復讐劇は終わりましたが、話はこれで終わりではありません。これもまた猟師達の会話から聞いたことですが、ウルに追放された側女達が血眼で私を探しているとのことでした。彼にとってはわかりませんが、少なくとも彼女達にとって、ウルは愛すべき人物だったと言うことでしょうか。それならば、私も彼女達から愛する者を奪った罪人ですから、どんな仕打ちをされても仕方がありません。もう私には失うものなどなにもないことですし、潔く王都へ赴くことにいたしましょう。



私はリア。復讐に身を捧げた女。
もし生まれ変われるならば、神様どうか、私を普通の女の子にしてください。


【終わり】


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