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トミザワ 鏡太朗さん

しいたけの事について真剣に考えている

性別 男性
将来の夢 物を書いてお金になればいいな
座右の銘 最悪死ぬだけ!!!

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ハンカチ・カプリッチオ

18/03/13 コンテスト(テーマ):第154回 時空モノガタリ文学賞 【 復讐 】 コメント:0件 トミザワ 鏡太朗 閲覧数:298

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賢二はもう2時間、トイレにすら立っていない。
正座している足はすでに感覚を失っていた。
「寝たいなら全部白状しなさいよ!」
まだ結婚して1年半
妻のえりかに、こうもあっさりと浮気がばれるとは…
テレビでは毎日、芸能人やスポーツ選手の不倫がワイドショーで取りざたされている。
なぜ自分だけバレないと思っていたのか…
「本当にすまない!愛しているのはお前だけだ!」
「もう一生裏切らない!許してくれ!由香とはほんの遊びのつもりで!」
漫画やドラマで見るような、安い台詞しか出てこない。
「…もう分かったよ。その代わり賢ちゃん、私のお願いをひとつだけ聞いて?」
「聞く聞く!なんっでも聞く!何?」

えりかは、小さく溜め息をついた後言った。
「私、可愛いハンカチが欲しい。明日買いに連れていってよ。それでチャラね。」


―――

「俺のお詫びの気持ちだからさ、もっといいの買いなよ、ほらこのBURBERRYのなんて似合うよ?」
どれだけご機嫌をとっても、えりかはワゴンセールから選んだ460円のハンカチを離さなかった。
「ううん、当分一緒に買い物デートなんてしてなかったじゃない?だから今日は、こうして賢ちゃんと来られただけで嬉しいんだ。」

賢二は思った。
えりかには一生敵わないなと。

―――

数日後、えりかが買ったハンカチは無惨にも雑巾として洗面所に吊るされていた。

「私は460円で浮気を許したの。それが、あの女の価値よ。あの由香って女は私にとって、その程度の価値ってこと。あなたが死ぬときには、そのハンカチも一緒に入れてあげるからね?」

とびきり笑顔で言うえりかをみて思う。
えりかには一生敵わない。というか、逆らえない。
女は、怖い。


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