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斎藤緋七(さいとうひな)さん

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性別 女性
将来の夢 食べても太らない身体になること。
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女狐とまぬけな狸たち

18/03/08 コンテスト(テーマ):第154回 時空モノガタリ文学賞 【 復讐 】 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:550

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光がその日寝た女は「親友の恋人」だった。
「真珠、好きだよ。」
一度は言って見たかった台詞を言って後ろから抱きしめたら、
するりと腕からすり抜けられた。
「心にも無いことを言わないで、私は単なる好奇心だわ。あなたもそうでしょう。」
確かにそうだ。
好奇心。
18歳の性欲。
「私は、汚い物が好きなのよ。」
少し汗をかいた真珠は言った。
「貴方みたいな野卑で汚い男や物に囲まれて、埋もれたり身を浸していると、
自分がより美しくなる気がするの。」
「その調子では均に対する罪悪感も無さそうだな。」
「達成感?あるとしたら爽快感ね。
この事をあの清く正しい優等生が知ったら
どんな顔をするか想像しただけで爽快な気分になるもの。」
黒髪に櫛を入れながら真珠は言った。
別れ際
「またな。」と言うと。
「明日も教室で会うじゃない。同じクラスなんだから。」
「均のいないところでは、言う意味だ。」
と言ったら、
「ふふふ。安い不倫みたいね。そうね、私の気が向いたらね。」
と真珠は18歳には思えないほど妖艶に笑った。

「撮れたか?」
真珠と別れてすぐに光は均に逢って預かっていた均のスマートフォンとICレコーダーを返した。
「お前に聞いていた通りあのドM女は、
『タオルで目隠しをして』
って言ったから仕事がやりやすかったよ。
シャッター音が消えるアプリ様様って訳だ。まったく、いい時代だよな。」
「目隠ししていても耳の下にある赤い痣で充分真珠だと分かる。これを拡散するって言ったらあの真珠の顔色も変わるだろうな。」
楽しそうに均は言う。
学年で一番の成績で模範生と呼ばれている均の裏の顔を知ってる奴は光しかいない。
真珠には野卑と言われた光と学年を代表する模範生の均は同じ種類の狡猾な人間だった。
「この高性能のICレコーダーには真珠の声もしっかり入っている。」
「これで、取り澄ましたあの女は俺たちの一生の奴隷だ。」
二人はアイスコーヒーで乾杯した。

それからは、
均と光の「やりたい放題」の毎日だった。
真珠を交代で呼び出し、
真珠の身体を好きなときに好きなようにした。
その時により、
二人だったり三人だったりもした。

数ヵ月後
「明日の日曜、暇?」
と、真珠から連絡があった。
真珠からの連絡は初めてと言って良かった。
「おい!そっちにも真珠から連絡あったか?」
「連絡あったぜ、やりたくなったのかな。
それは冗談として明日行けるか?いつものホテル。」
「ああ、俺は大丈夫だ、光は?」
「俺も行ける、現地集合だ。」

いつものホテルに3人で入る。
女を無理に連れ込む事はあっても、連れ込まれたのは初めてだった。
「シャワーどうする?」
「今日は湯を張って3人で入ろうぜ。」
無邪気に笑いながら服を脱ごうとする男たち。
「あなたたち、ほんとうにのんきね。
服を脱ぐのは話を聞いてからにしてくれる?大事な話があったからここに呼んだのよ。」
「話ってなんだよ。」
もう一度脱いだ服を着ながら光が不服そうに言う。
「これを見て。」
1枚の胎児の写真だった。
「始めて見るけど、エコー写真?」
「やっと中絶出来ない時期に入ったわ、妊娠6ヶ月目なの。女の子みたい。」
そう言って真珠はにっこりと笑う。
「私たち、3人の子供よ。」
「俺たち?」
「3人の?嘘だろう?
「そう、3人の赤ちゃんなの。あなたたちは明日付けで退学よ。」
「俺たちの子供だって言うのか。
そんな証拠がどこにあるんだ!」
均が叫んだ。
「これ、このICレコーダーが案外いい仕事をしてくれるって教えてくれたのは貴方たちよ。ね?」
真珠がガラステーブルの上にレコーダーを置いた。
勝ち誇ったように真珠は笑う。
「こんなもん、こんなもん、壊してやる。」
そう、言いながら均はレコーダーを水で洗うようにして濡らしはじめた。
「これで、壊れたはずだ。所詮、女の浅知恵だな!退学になるのはお前ひとりだ!」
「浅知恵はどっちかしら?
本物を持ってくる馬鹿がどこにいるの?
今のはダミー。
本物は学園長の鍵の掛かったデスクの中よ。
アタマが、くらくらして来た。
「来年の春には生まれる予定だから二人とも大学は諦めてね。」
「俺たちを嵌めやがったな!」
「知恵の回らない間抜けな狸が何を言っても世間は聞き入れてくれないわよ。」
続けて真珠は言った。
「これからはあんまり女を馬鹿にしないことね。ね!パパたち。」
真珠はふっくらしたお腹を摩りながら笑った。


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