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林一さん

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整形手術

18/03/05 コンテスト(テーマ):第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 コメント:0件 林一 閲覧数:300

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 一億円の銀行強盗に成功した彼は、たった一つだけ痛恨のミスを犯していた。銀行強盗の最中、銀行員に抵抗され、覆面を脱がされてしまったのだ。
 このままでは、防犯カメラに映った顔から自分の犯行だとばれ、警察に捕まってしまう。そう考えた彼は、ある医者の元を尋ねた。その医者とは、犯罪者の間では少し名の知れた闇医者だ。
「あなたの噂を聞きつけてきました。私の顔を別人に整形してください」
「失礼ですが、あなた今、いくら持ってますか?」
「全部で一億あります」
「それならば、十分の一の一千万で引き受けましょう」
「十分の一でいいんですか。案外良心的ですね」
 彼は一千万円を医者に差し出した。
「確かに受け取りました。安心してください。私の腕は確かです。それにもちろん、警察には内緒にしておきますから」
 手術を終え、目が覚めた彼は鏡を見ると、中性的な顔立ちだった元の顔が、強面のいかつい顔に変わっていた。彼自身ですら、本当にこれが自分の顔なのかと疑ってしまうほどの完璧な手術内容であった。
「ありがとうございました。これでなんとか警察から逃げ切れそうです」
「そうですか。満足していただけたようで安心しました」
「それでは私はこれで失礼します」
 彼は足早にその場を去っていった。

「もう出てきて大丈夫ですよ」
 医者がそう言うと、部屋の奥から、強面の男が出てきた。
「いやー、あの男も不運だな。俺と体型が似ていたばっかりに」
「でも自業自得でしょう。自分も銀行強盗をしたんですから」
「びっくりするだろうなあいつ。一億円の銀行強盗をしたはずが、いつの間にか十億円の銀行強盗の犯人になってるんだからな」
「さあ、急いであなたの手術もしますよ」
「ああ、頼む」
 強面の男は、一億円を医者に差し出した。


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