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とむなおさん

とむなお――です。 ちょっと奇妙な小説を書きます。どうぞ宜しく!

性別 男性
将来の夢 作家
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ゲームオーバー!

18/02/06 コンテスト(テーマ):第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 コメント:4件 とむなお 閲覧数:493

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はっ――と目を開けた。
僕はジャケット姿で、走るバスに乗っていた。
そんなに混んでなくて、立ってる客は皆無だった。
そして、空席も少しあった。
窓の外に目を向けると、美しい夜景が見えた。
いったい何処を走ってるのかも……僕には分からなかった。

まもなくバスは、街中へと入った。
だが、妙なことに、何処へ行こうと思って、このバスに乗ったのか……まったく覚えていないのだ。
僕は、とりあえず次の停留所で降りよう――と決めた。
すると突然、バスが止まったかと思うと、ライフル銃を持ち、モンスターマスクを顔に付けたジーパン姿の男が、乗り込んできたのだ。
それを見た客たちは当然、あわて、おののき、悲鳴を上げる女もいた。
モンスターマスクの男は、ライフル銃を構えると、
「オーオー! オレはバスジャックだー! みんな大人しくするんだー! さもないと殺す」
すると、ある女の客が、
「こんなバカな事はやめてー! お願いだから……」
「うるさい! これから楽しい所に連れていってやるからな。運転手、バスを出せー」
運転手は、震えながら指示に従い、バスを出した。
そしてモンスターマスクの男が、再度こっちを向いた瞬間、僕の隣の席にいた女が、爆笑したのだ。
モンスターマスクの男は、ライフル銃を彼女に向け、
「このヤロー、笑いやがってー! ブッ殺してやる!」
僕は、ヤバイ! と思い、彼女の上に身を移した。
その直後、彼が引き金を引いたため、その銃弾は僕の胸に当たった。
その女や他の女は、悲鳴を上げた。
しかし、何故か僕の意識は消えなかった。
僕が胸に手をやると、ジャケットの内ポケットに入っていたスマホに、銃弾は当たっていたのだった。
やがて僕が、フラフラと立ち上がって近付いていくと、モンスターマスクの男は、呆然として、
「このヤロウ、お前は化け物か……? こっちへ来るな!」
そのまま後退して倒れ、座席の手擦りに頭をぶつけて、気絶してしまった。

するとバスが止まり、拍手の音と共に、スーツ姿の男が入ってくると、僕に向かって、
「ゲームオーバー! お見事ー! 貴方の勝ちです。報酬は1000万円で、すぐに差し上げますから、どうぞ私と来てください」
すると、僕が助けた女が、
「ステキー! 後でメアド教えてねー」
僕は有頂天になって、
「あー、いいよ。1000万円で、君と海外旅行しよう!」
「ステキー! 約束よー」
「じゃ、後で――」
僕は、そのスーツの男とバスを降りると、すぐ前の黒いビルに入った。
受付を通り、暗くて長いトンネルのような廊下を歩いていった。
やがて、白くて広いホールのような所に出た。
中央に、五台のドアが並んでいる。
すると、スーツの男が、
「あの五つのドアの、どれかの向こうに、貴方への報酬である1000万円があります。貴方が、さらに強運の男なら、その手に出来るでしょう。さー、ドアを選んでください」
僕は――そう来たか……と思いながら、それぞれのドアをじっくり観察して見た。
が、当然ながら、まったく分からなかった。
最終的に、僕は中央のドアを選んだ。
「では、そのドアを開けて、中へ入ってください」
僕は、生つばを飲み込むと、ノブに手をやり――少し開けた。
ドアの向こうは、暗い闇のようだった。
僕は――どうせハズレでも、チャンチャンで終りだろう……と思いながら、中へ入った。
とたんに僕は、暗闇の中を落下していった。

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このストーリーに関するコメント

18/02/10 文月めぐ

『ゲームオーバー!』拝読いたしました。
バスジャックのお話で、どういう展開になっていくか、どう報酬と関連させるのか、どきどきしながら読みました。
最後の一文で衝撃を与えられました。

18/02/11 とむなお

文月めぐ様、格別の評価とポイント――ありがとう御座いました!(作者)

18/02/18 凸山▲@感想を書きたい

拝読しました。
間延びしたバスジャック犯も芝居がかった乗客も、作り物じみた世界観と相まって、主人公の夢うつつを追体験するような感覚でした。エッシャーの『上昇と下降』のようなループとも、ゲームのプロローグ画面が繰り返しているとも思え、興味深かったです。

18/02/19 とむなお

凸山▲@感想を書きたい様、ご批評ありがとう御座いました。
出来れば、ポイントも頂ければ、さらに嬉しかったのですが……(作者)

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