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斎藤緋七(さいとうひな)さん

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性別 女性
将来の夢 食べても太らない身体になること。
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米$の身体

18/02/06 コンテスト(テーマ):第153回 時空モノガタリ文学賞 【 報酬 】 コメント:2件 斎藤緋七(さいとうひな) 閲覧数:496

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ジュースの中に入れた薬がまわって抵抗できない「女」の喉元がひくひく動いている。私は先端を当てているアイスピックをもつ手に力を込めた。「お願い、空ちゃん…お母さんが間違ってた。」「間違ってた?ナニを?言って見なさいよ。」
「体外受精で子供を産んでもらったお礼にブラウンさんに『あなたをお礼に上げたこと』ブラウンさんが『情がうつちゃったからどうしても一人欲しい』って言ったから。」
「あんたさあ。」
実の母親に私は言う。
「子供はね…赤ちゃんはねえ。物じゃないの!お礼の金品じゃないのよ。贈答品やプレゼントみたいにアメリカに置き去りにされた、子供の気持ちがわかんの?どんなに辛い人生を歩んできたのか、分からないでしょ!」
私は「私を産まなかった母親」に言った。
「黒い髪、黒い眼の日本人。しかも、両親はアメリカ人。友達もいない。私がアメリカ社会でどれだけいじめられてきたことか。
ブラウンさんはね確かに『ママ』は可愛がってくれたわ。でも『パパ』の方は違った、私は『パパ』の言葉の暴力、性的虐待の対象だったわ、10歳の頃からずっと。その間、海湖の方は大切に甘やかされて、愛されて。この差は一体何?全部ね、お金は掛けても中途半端に子供を欲しがったあんたたち夫婦のせいなの。」
私は私の卵子の製造元でしかない女を責めた。
「でも、こうして空子ちゃんに逢いにきているじゃない。逢いたかったわ、空子ちゃん。」
「よく言うわ。18年ぶりじゃないの。海湖がLA留学するから、下見ついでに寄っただけでしょ。」
「空子、あなた。」
「海湖姉さんと連絡とってるもの。春からは双子の姉妹はLAで同居生活。LA育ちの私は、海湖の案内役。『困った事があったら助けてあげてね。』って、それをいいに来たんでしょ。どこまで、私を傷付けたら気が済むの。どこまで、私を馬鹿にしたら気が済むのよ。」
「ごめんなさい。」
一言言って薫子は泣き崩れた。
「空子ちゃん、どうしたらいいか、お母さん分からないの。」
「赤ちゃんに戻って私を愛情込めて育てて。」
「空子ちゃん、それだけは。」
「無理よね、分かっているわ。」
薫子に言った。
「もう、私を利用するのはやめて。」
それだけ言った。
「この次は海湖を連れてくるから。」
夜、空子は今日あった事を一部始書き終り、双子の姉、海湖にメールで送った。
空子は、海湖の事が嫌いだった、同じ双子なのに。幸せに育った双子の姉の海湖を「めちゃくちゃに。」してやりたかった。
まず私は同じハイスクールの「身体で操れる」男に「身体を与え協力を頼んだ。とっくにバージンじゃなかったし男という生き物が馬鹿だと認識も十分あったし、簡単だった。
報酬はいつも私自身。
ブラウン夫妻『代理母出産』の時も、
「海湖を傷つける男を操る計画も」
…いつも「この身体で私は」払っている。

3カ月後、海湖は妊娠した。私が雇ったジミーたち誰かの子供だろう。
「よくやってくれたわ。」
男たちは3人いたから、私は順に相手をした。
私と、海湖とジミーたち男3人。
「生理が来ない、でも(アメリカ)こっちのお医者さんに行くのは怖い。」と言う海湖に「大丈夫よ。生理は来るわ。」といって聞かせ、妊娠7カ月まで「親」への報告を引き延ばさせた。
これで海湖の人生は多少狂うはず。愛娘の一大事に飛んできた両親は「管理監督できなかった。」私、空子を一様に責めたが、「20歳の大人の性生活までは踏み込めなかった。」
と少し暗い顔押して言うとそれ以上は何も言わなかった。
空子はそのままアメリカに残り、海湖は日本の田舎で極秘出産して生まれた両親と子供を育てていた。

私は何かあるごとに、身体と引き換えにやってきた。私に対する虐めがなくなったのは主犯格の少年に自分の身体を与えたからだ。パパの私に対する虐待に対しては、
2人バイを雇って闇の中後ろからパパを襲わせた。パパは完全にそっちに目覚めてしまい、元々破綻仕掛けていたママと離婚した。そのバイ達とも私は寝た。
「愛が欲しい」と言えば嘘になる人生だった。でも、私は異性との愛と言うより家族愛が欲しかった。日本とLA、どちらの家族にも愛されなかった、なんて、悲しい人生…私はつぶやいた。そして生まれて初めて、泣いた。


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このストーリーに関するコメント

18/02/18 凸山▲@感想を書きたい

拝読しました。
「体は資本」という言葉をどおりに主人公の武器が振り回される御作。出生の事実に翻弄される壮絶な人生と、達成感のない復讐劇を経てもなお、彼女自身の欲しかった報酬は得られないのだと思うと、やるせない気持ちがじわじわと湧きました。『お金は掛けても中途半端に子供を欲しがった』という言い回しが好みでした。

18/03/01 斎藤緋七(さいとうひな)

凸山▲@感想を書きたい 様
コメントをありがとうございます。
すさまじい環境の中で戦って生きていた子供の心を書きたくてこのものがたりを書きました。
お金を掛けて中途半端に子供を欲しがる・・・そんな人はこれから増えていくような気がします。
デザイナーズベビーとか。丁寧に読んでいただきありがとうございました」。

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