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黒江 うさぎさん

はじめ、まして。くろえ、うさぎと、もうし、ます。 なんでも、かきます。 けっこう、ほんとうに、なんでも、かきます。 あと、おしゃべり、にがて、です。 よろしく、おねがい、します。 Twitter→@usagi_kuroe いろんな、ところで、しょうせつ、かいてて、それを、かえんに、てつだって、もらって、ほうこく、しています。 よかったら、みて、ください。 あ、かえんは、わたしの、しんせき?きょうだい?そんな、かんじ、です。 たくさん、たくさん、てつだって、もらって、います。

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Jelly Fish

18/01/15 コンテスト(テーマ):第151回 時空モノガタリ文学賞 【 あばずれ 】 コメント:1件 黒江 うさぎ 閲覧数:336

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 真っ暗な、部屋の中。
 不気味に白く光る水槽が一つ。
 入っているのは、一匹の海月。
 ゆらりゆらりと、たゆたう。
「…ねぇ、知ってる?」
 不意に声がした。
 水槽の側にいた女の物だ。
 …真っ白な、女だった。
 長い髪も、肌も、着ている服すら白い。
 儚く、朧気で、目を離せば空気に溶けて消えてしまいそうな、女。
「水海月って、死ぬと水になっちゃうんだって」
「…へぇ」
 声がした。
 部屋の隅にある、黒い革張りのソファからだ。
 そこに、男がいた。
 どこにでもいそうな男だ。
 黒く短い髪も、肌も、着ている服すら、極々良く見掛ける男。
 そのまま街に出てしまえば、存在すらしていないように扱われてしまいそうな程、存在感の無い男。
「興味無さそうね」
「興味無いからな」
 女は笑う。
 幼さの残る顔立ちなのに、まるで淫魔のような…異常な不気味ささえ感じさせる、妖艶な笑みだ。
「ねぇ」
「…なんだよ」
「もしも私が水に溶けちゃったら。
 どろどろのぐちゃぐちゃに溶けちゃったら…貴方はその水を飲み干してくれる?」
「嫌だよ、気持ち悪い」
 男はくくくと喉を鳴らす。
 どこにでもいそうな男なのに、野生の獣じみた…獰猛で殺気立った笑みだ。
 しかし女はそれを軽く流し、「あら、残念」と溜め息をついた。
「ならお前はどうなんだよ。
 もし俺が溶けて水になったら飲み干すのか?」
「飲み干すわ。
 絶対に。一滴残らず」
 女は微笑みを浮かべたまま、男に歩み寄り、その頬に触れる。
 冷たい、手。
 真冬の海に漬けていた手のような。
「だって、私にはもう、貴方しかいないもの」
 女はその頬を微かに赤く染め、微笑む。
「…そうかい」
 男は笑う。
 知れた事だった。
 女には、男しかいない。
 女は、男以外の全てを敵だと思っている。
 女は、壊れている。
「…だから、貴方も、
 私以外の水を、飲まないでね?」
「意味分かんねえよ」
 …そして、男もまた、女しかいなかった。
 男は、女以外の全てを敵だと思っていた。
 男は、壊れていた。
 女はするりと、男の首に腕を絡ませる。
 海月が、獲物に触手を絡ませているかのようだ。
 男は、思考した。
「私を愛して。
 溶けて、水になるまで。
 溶けて、水になっても」
「ならお前は俺を愛せ。
 溶けて、水になるまで。
 溶けて、水になっても」
 女は、微笑む。
 その微笑みが何を意味するのか、男にすら理解は出来ず。


 そして、二人は、
 世界から例外と宣告された、二匹の海月は、


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このストーリーに関するコメント

18/01/18 凸山▲@感想を書きたい

拝読しました。
証明の落ちた部屋。海月の入った光る水槽。二人の男女。場面設定に注力される作者様の視点が興味深かったです。御作の内容や、話の軸、改行の技法の効果、テーマとの関連性、コンテスト掲出作品とされた意図等はわかりませんでした。

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