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霜月秋介さん

しもつきしゅうすけです。 日々の暮らしの中からモノガタリを見つけ出し、テーマに沿って書いていきます。

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本当の私は…

17/12/28 コンテスト(テーマ):第150回 時空モノガタリ文学賞 【 悲劇 】 コメント:0件 霜月秋介 閲覧数:525

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 いろんな人たちが、私に笑顔で接してくれる。私はそれに対して、作り笑いで対応する。

 いろんな人たちが、私に笑顔で物をくれる。私はそれに対して、苦笑いで対応する。

 いろんな人たちが、私に親切に接してくれる。私はそれに対して、申し訳なく思う。

 いろんな人たちが、私に親切に忠告してくれる。私はそれに対して、空返事をして聞き流す。

 そんな日々を過ごしてきた。

 私は何もしない。私に近づいてくる人たちに、私は何もあげられないし、あげようとする気持ちもない。私に対するみんなの好意は重圧となり、ただただ、私を申し訳ない気持ちにさせるだけ。私に近づいてくる人たちはみんな、本当の私を知らない。本当の私は、人付き合いがとても苦手で、私の心の中に他人が堂々と土足で入り込んでくるのを許せない。私はまわりの人間に対して無関心で、どこかで人を軽蔑している。そんな自分が、私は一番嫌いだ。だから、本当の私を知らないで笑顔で私に近づいてくる人たちを、私は軽蔑している。

 いろんな人たちが、私に横柄な態度をとってくる。私はそれに対して、笑顔で対応する。

 いろんな人たちが、私に嫌がらせをする。私はそれに対して、苦笑いで対応する。

 いろんな人たちが、私を無視して通り過ぎる。私はそれに対して、気付かぬふりをする。

 いろんな人たちが、私を仲間はずれにする。私はそれに対して、平気なふりをする。

 そんな日々を過ごすようになった。

 私は何もできない。私から遠ざかる人たちを、私は追いかけられないし、追いかけようとする気持ちもない。私に対するみんなの敵意は厚い壁となり、ただただ、私を寂しい気持ちにさせるだけ。私から遠ざかる人たちはみんな、本当の私を知ってしまった。本当の私は、人付き合いがとても苦手で、私の心の中に他人が堂々と土足で入り込んでくるのを許せない。私はまわりの人間に対して無関心で、どこかで人を軽蔑している。そんな自分が、私は一番嫌いだ。だから、本当の私を知って私に背をむけて遠ざかる人たちに、私は納得している。

 目に熱いものがこみあげてきた。何故?この感情はなんだろう。
私の心が、何かを叫びたがっている。それが何なのかを知ることができずただ、嗚咽がもれる。


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