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ゆえさん

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性別 女性
将来の夢
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食欲≒性欲?

17/12/26 コンテスト(テーマ):第151回 時空モノガタリ文学賞 【 あばずれ 】 コメント:0件 ゆえ 閲覧数:362

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「あのさぁ、とっても言い辛いんだけど、あんた、なんて呼ばれてるか知ってるの?」

目の前で大口を開けて、売店で買った焼きそばパンを頬張る美香子を見て呆れながら言った。
柔らかい茶色いコッペパンに白い犬歯が突き刺さり、少し厚めの唇がパンを包見込むと口に入らない部分が
押し出された。もごもごと口の中にめいいっぱいパンを含みながら美香子が何が?と首を傾ける。
目が何か言おうとしていたので
「待った!お願いだからソレ、飲み込んでからにして」と慌てて静止した。
以前も同じ事があったが、美香子が躊躇なく口を開いて喋ったので以前はメロンパンの破片まみれになったのを思い出したのだ。

美香子の口の中で頃がされ、かみ砕かれ、小さくなっている焼きそばパン。
「ゴクン」と飲み込むとペロっと舌なめずりをする。

「何?あー、この前、そういえば通りすがりの知らない女子に言われたね。あばずれって。ウケルよね。何時の時代だよってww」
本人は別の意味でショックを受けたようで食べかけの焼きそばパンを上下に振り回しながら笑っている。
「あ、美香子お願い、落ち着いて。具材が落ちる。」

よく言えば天真爛漫。悪い言えば身勝手。そう、どちらかといえば、美香子は身勝手だった。
興味の対象があればそこに向かう。その人に相手がいようがいまいが関係ないのだ。
現に美香子の笑っている原因の言葉を吐いた女子の彼が美香子の先日の相手だった。


「知ってたんだ・・・」と亜紀は半ばあきれ顔で机に突っ伏す。
「うん、まぁね。」焼きそばパンを平らげてクリームパンの袋を破る美香子。
また、口いっぱいに含んだ。口からクリームが溢れる。
口の端から溢れる黄色の液体。それを指で掬い取ると唇に持っていき、舐めとった。
そう、何気ない仕草がどこそとなくエロいのだ。この女は。

「だってさー、よく考えなよ。亜紀ちゃん。」と三個目のチョココルネを亜紀に向けた。
「あたし、この学校に入学してからただの一回も自分からは誘ってないからね。どっちが悪いと思う?」と言うとチョココルネが美香子の口に消えていく。

「そうだけどさぁ・・・。まぁ、刺されない程度にしてね。」とため息をついた。美香子に何を言っても駄目だ。
「うん。」と満面の笑みが返ってくる。この笑顔を前にすると何も言えなくなる。

「みかー!」と廊下から男子の声がした。一瞬美香子のチョココルネを含んだ口が止まる。
ドアの方に顔を向けると原因の男子が満面の笑みで教室に入ってきた。
椅子に座っている美香子を後ろから抱きしめて「今日、一緒に帰ろうぜ!俺の家こいよー」と満面の笑みを向ける。
亜紀は呆れた顔で二人の顔を見ると美香子の顔が変わった。

「・・・・庄司君、今日はいかないよ?」と微笑み返す。
「なんでだよ〜」と言う言葉を遮って美香子が続ける。
「庄司君、昨日は楽しかったでしょ?あたしも楽しかった。でも、昨日はね。今日はちょっと違うかな。だから、今日は行かない。」と反論を許さない微笑みで言う。呆気にとられたんだろう。庄司君とやらはそのまますごすごと帰って行った。

「・・・美香子、あんた本当に刺されないようにね。」と亜紀は言う。
美香子は目を大きく開いて言う。
「亜紀ちゃん、人生は時間に限りがあるんだよ?しかも女子高生の時間なんて一瞬で終わるよ?時間は有意義に使わないとね。第一、今日はバイト先の飯田君との約束があるの。」とメロンパンの袋を開けた。

メロンパンの香りがする。甘い、美味しそうな香り。でも、メロンはそこには入ってない。
本物ではないのにメロンパン。パンの上にビスケット生地が乗っているパン。
美香子もそうなのかな。
本物ではないのに、パンの上の生地が甘いように、一瞬の甘い時間を過ごすには楽しいけど、って事なのかな。

思わず、美香子を見つめる。
美香子はどのパンを食べようか迷っている。
目の前にある、パン達を真剣な表情で見つめては手がパンの上を泳ぐ。


いや、コイツ幾つ食べる気だ??





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