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林一さん

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プールの死神

17/11/22 コンテスト(テーマ):第148回 時空モノガタリ文学賞 【 ホラー 】 コメント:0件 林一 閲覧数:456

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 プールの監視員をしている彼は、常にプールの様子を観察し、少しでも危ない行動をしている子供がいると、すかさず注意をした。
 その甲斐あってか、彼が監視員をしている間は、一度も事故が起きたことはなかった。あの日までは……。

 彼がいつものようにプールの監視員をしていると、怪しい女の子を見かけた。
 彼女はプールサイドでじっと座っていて、プールの中には決して入ろうとはしなかった。 
 子供の付き添いできた親がプールの中に入らないというのはよくあることだが、子供がプールの中に入ろうとしないのは、珍しい光景だ。
 どうして彼女がプールの中に入らないのか、その理由を彼が考えていたその時、助けを呼ぶ声が聞こえた。
「お兄さん、助けて」
 プールの中を見ると、子供が一人、溺れている。彼は慌ててプールに飛び込むと、子供を救出した。
 子供の無事を確認して安心した彼が、ふとプールサイドの方を見ると、あの女の子はいなくなっていた。
(あの女の子は、もしかしたら死神だったんじゃないのか?)
 彼はそんなことを、密かに考えていた。

 一週間後。
 彼がプールの監視員をしていると、またあの女の子が現れた。今日は友達と一緒のようで、二人仲良く、プールの中へと入っていった。
(きっとこの前は、友達がくるのを待っていたんだな。いや待てよ。もしかしたら、あの友達も死神なのかもしれないぞ。この前あの女の子がプールサイドで一人でいた時は、危うく一人の子供が死にかけた。もしもあの日、女の子がプールの中にまで入っていたら、あの子供は死んでいたのかもしれない。そして今日は女の子が二人、プールの中に入っている。これはもしかすると、今日このプールで二人死ぬことを暗示しているんじゃないのか?)
 彼はそう考えると恐ろしくなり、その二人の女の子から目が離せなくなった。

「おい、あの口うるさい監視員のお兄さん、ずっと同じとこばっか見てるぞ」
「ホントだ」
「この隙に、どっちが長く潜っていられるか勝負しないか?」
「よし、望む所だ」


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