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泡沫恋歌さん

泡沫恋歌(うたかた れんか)と申します。

性別 女性
将来の夢 いろいろ有りますが、声優ソムリエになりたいかも。
座右の銘 楽しんで創作をすること。

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お正月は嫌いです

12/12/13 コンテスト(テーマ):第二十回 時空モノガタリ文学賞【 お正月 】 コメント:17件 泡沫恋歌 閲覧数:4869

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年が改まり 今日から新年なんだ
モソモソと布団から這いずり出して 袢纏を引っ掛け 
いつものように 新聞をポストに取りに行ったら
電話帳みたいな ぶっとい紙が捻じ込まれていた

こんなもん、取れるかい!
小さなポストから無理やり 引っ張り抜いた

大晦日も元旦も仕事の私にとって
お正月なんで 煩わしいだけで なんの感慨もない 
母も亡くなって 親戚とも疎遠になったし
とうぶん親戚の家には近寄りたくもない

実は親戚中の子供たちの
お年玉の額が半端ではないのだ
不況でボーナスもないのに お年玉なんか払えるかい!

さて お雑煮でも作ろうか
冷え切った台所でストーブを点け お湯を沸かす
手に取ったのは市販の切り餅だ 
餅というより 餅のようなもの?
昔 親戚中が集まって ついた餅は美味かったなぁー
つきたての餅に きなこ 餡子 大根おろしと……
いろいろ味をアレンジして食べたお餅

美味しい食べ物の記憶は消えないよ
そんな気分で作った雑煮はそれなりだった――

「明けまして、おめでとうございまーす」
テレビに映った芸人が元気いっぱい挨拶をする
ああ このニギニギしさが妙にイラつく
「バカヤロー! 世の中、幸せな奴らばかりじゃあないんだ」
意味もなく テレビに毒づいてスイッチを消した

世間が幸せそうだと面白くない
……なんだか 心の貧しい人間になっていく
そんな自分が情けない

お正月は嫌いです 
子どもの頃は大好きだったのに
お正月は嫌いです
年々 寂しくなっていくから

やっぱり お正月は嫌いです
いつまで経っても 成長できないのに
十二支を巡っているだけの 無意味な葛藤
「目出度い」という言葉ひとつで俯いてしまう
世間のテンションに合わせられない わたし

いつからこんな風になってしまったのか?

「今年は頑張るぞぉー」

声を出して 自分に誓うと 
元旦の日めくりを勢いよく千切った!


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このストーリーに関するコメント

12/12/13 泡沫恋歌

イラストはフリー素材 [ 四季の素材 十五夜 ] 様よりお借りしました。http://ju-goya.com/

12/12/13 草愛やし美

泡沫恋歌さん、拝読しました。

こういう人がきっと世間にいるはずですよね。お正月だ、クリスマスだとイベントが次々と騒がれますが、実際、商売に踊らされている感もあります。

行事は、楽しくない人にも同じように訪れるのは公平なんでしょうが、楽しさが均等でないのは不公平かもしれませんね。

12/12/13 そらの珊瑚

恋歌さん、拝読しました。

世間が幸せそうだと面白くない、
なんか、わかる。(笑い)

昔は年末に餅つきをするのが恒例行事で、お正月にそれをお雑煮にしていただく、あの味は忘れられません。
正しい昭和のお正月、どっかにまだあるのかな?

12/12/14 泡沫恋歌

草藍さん、コメントありがとうございます。

そうだよね。
世の中、幸せな人ばかりじゃない!(ネガティブ)
そういう人たち(自分も入れて)の代弁者として書いた。

要するに「お正月……だから、それがなにさっ!」という捻くれ者の
マイノリティの叫びなのです(笑)

12/12/14 泡沫恋歌

珊瑚さん、コメントありがとうございます。

それそれ、楽しい昭和のお正月が無くなっていってしまったことへの
イスタルジーや怒りみたいなものがこれには込められているんです。

まあ、昭和人間のぼやきみたいなものなのだ(笑)
それにしてもつき立てのお餅は美味しかっなあ。

12/12/14 石蕗亮

泡沫恋歌さん
拝読しました。
文体変えました?心情や憧憬の在り方のようでよかったです。
年末年始は多忙過ぎて嫌です。
私も仕事や世間を考えずに過ごしたいです。
正月は雪見障子と暖があれば、あと少しのお酒(笑)があれば良いです。

12/12/15 鮎風 遊

いい口調で、面白いなあ。

今風で、ドキドキ感もありました。
詩的な流れもあり、良かったです。

こんなのを書いてみたいです。

12/12/15 メラ

 餅つきのお餅は全然違いますよね。私も世間の騒がしい行事はあまり好きなほうではありません。とか言っていざ騒ぎ出すと一番楽しんでしまうタイプなのでタチが悪いです。

12/12/16 ドーナツ

拝読しました。
どのフレーズも同感です。

「バカヤロー! 世の中、幸せな奴らばかりじゃあないんだ」これ、うんうん、そうだと、うなずいております。

恋歌さんの、怒りの詩も、すごく言葉が身近に感じられていいですね。

今年もがんばるぞ、私は毎年、同じこと叫んでますよ。

12/12/16 泡沫恋歌

石蕗亮 様。

コメントありがとうございます。

この作品は小説ではなく、詩として書いたものです。
お正月の気分をストレートに表現しました。

実は詩なんかも別サイトでやってるんですよ。

12/12/16 泡沫恋歌

鮎風さん、コメントありがとうございます。

この作品は詩として書いたので言葉のリズムが良いと思います。
小説と違って、詩はリズム感やテンポみたいなものが重要になってきます。

たぶん世間には、こんなアンチお正月派もいると思うんですよ(笑)

12/12/16 泡沫恋歌

メラさん、コメントありがとうございます。

お正月は子どもが小さい時は楽しかったように思います。
大人だけの家庭になったら、お正月なんて煩わしいだけになってしまう、悲しいことだけど・・・。

つき立てのお餅はホント美味しいよね。
市販のお餅とは全然違う!

12/12/16 泡沫恋歌

ドーナツさん、コメントありがとうございます。

「バカヤロー! 世の中、幸せな奴らばかりじゃあないんだ」
このフレーズが言いたかったんです!!

テレビで芸人がにぎにぎしく騒いでるけど、震災や失業や不況で
苦しんでいる人たちもたくさんいる。
それなのに、お正月だからと無理してでも楽しくしなければ
いけないという風潮がなんか腹立ちます。

もう一度言いますよ。
「バカヤロー! 世の中、幸せな奴らばかりじゃあないんだ」

12/12/18 笹峰霧子

こんにちは

お正月は大人になってからは(もうすっかり大人?)、あまりうれしくなくなりました。
子供の時はうれしかった―。
着物着せてもらって、羽子板で羽根をついていました。
もっと夢のあるお正月に工夫したいです。

身近な題材で興味深く書かれてある作品ですね。

12/12/20 泡沫恋歌

霧子さん、コメントありがとうございます。

ホントに子どもの頃はあんなに楽しみだったお正月も
子どもが育って小さい子がいないとツマラナイものです。

孫でも居たら、また気分が華やぐんでしょうけどね。

13/01/21 ドーナツ

おめでとうね。また読ませてもらいました。ボヤキが最高に面白かった。
2度読んでも、なんだか心がすっきりしたような気分になります。

13/01/22 泡沫恋歌

ドーナツさん、再度ありがとうございます。

この作品は正直、ほとんど無作為に書いたものです。
自然と溢れ出た言葉をそのまんま書き写しただけでした(笑)

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