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綾瀬和也さん

北海道の競走馬生産・育成牧場で働く綾瀬和也です。地元は栃木です。宜しくお願いします。

性別 男性
将来の夢 ダービー馬生産
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音楽室の前

12/12/12 コンテスト(テーマ):第二十一回 時空モノガタリ文学賞【 学校 】 コメント:0件 綾瀬和也 閲覧数:2228

時空モノガタリからの選評

最終選考

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「この学校の伝説って知ってる?」
学校の帰り道、三年四組、四人組の会話だ。口火を切ったのは前田有華。
「え?何それ、知らない」
そう言うのは大島飛鳥。
「飛鳥知らないの?結構有名だよ」
うまい棒を食べながら言うのは、柏木朋美。
「七つあるから七不思議とも言われているよ。不思議でもないのもあるけど…」
同じくうまい棒を食べながら、渡辺みなみが言う。
「ふーん、どんなのがあるの?」
飛鳥が聞く。
「まずは、夏のオリンピックがあるときはサッカー部が強い」
笑顔で言う有華に同調する朋美とみなみ。若干呆れ気味な顔をする飛鳥。
「確かに今年は強いみたいだけど…」
「それだけじゃないよ。益田という名字がクラスにいると球技大会不敗神話」
右手の人差し指を立てながら笑顔で言う朋美。同調する有華とみなみ。
「確かに益田くんがいた私たちのクラスは優勝したけど…」
これにも呆れ気味に言う飛鳥。
「んもぅ、もう少し興味持ってよー。じゃあ、これ。三年四組出席番号28番は呪われている。これどう?」
みなみが真剣な表情で聞くと、有華と朋美がうんうんとうなずく。ちなみにこの出席番号の中谷敦司は、その球技大会で骨折して入院中。初めて飛鳥が怯えた表情をした。
「マジで?中谷骨折したじゃん。」
「そう。どう、どう?信憑性出てきたっしょ」
笑顔になるみなみ。
「ちょっとだけ興味出てきた。他には?」
飛鳥が言うと、待ってましたと言わんばかりに有華が口を開く。
「期末テストの前の日、放課後図書室で勉強するといい点が取れる。これは朋美が実践済み!」
「お陰で学年二位!」
Vサインをしながら朋美が言う。続けてうまい棒を飛鳥に突き付けながらみなみが、
「しなかった飛鳥は赤点一つ!」
「うるさい」
飛鳥が憮然とした表情で言う。
「あとね、昼休みにホームベースとゴールポストを五往復するといい事がおこる」
朋美が言うと、飛鳥がげんなりした表情で、
「無理じゃね?」
と、言うと
「これも実践済み」
みなみが二本目のうまい棒を食べながら言う。
「昼休みに陸上部の秋元と島田にやってもらった」
有華が笑顔で言う。
「あー、あの二人なら余裕でやるよね。体力馬鹿だもんね」
「そしたら、島田は告られて、秋元は大学合格した!」
朋美が言うと、飛鳥は苦笑いをしながら、
「島田のはまだしも、秋元のは後付けじゃん」
「まだあるよ。クラスの人気を二分するようなアイドルがいると、そのクラスは頭が悪い」
みなみが言うと、飛鳥が苦笑い。
「確かにうちのクラス、AKB派とももくろ派で真っ二つだよね。んで学年一の馬鹿だね…私を筆頭に」
自虐的に笑う飛鳥にうんうんと頷く三人。
「そして、最後。これは飛鳥に是非聞いてほしい。音楽室の前で告白すると結ばれる」
有華がそう言うと、朋美とみなみを伴い三人で飛鳥の前に回り込んだ。ビックリした表情の飛鳥。
「な、なに?」
「だから、明日、高橋くんに告白しなさい!」
三人が声を合わせて飛鳥に言う。飛鳥の顔が急に赤くなる。
「な、何でよ。泰司はただの…」
「幼なじみとは言わせない!もう聞き飽きた」
みなみが再びうまい棒を突き付けながら言う。
「私とは釣り合わないよ。あっちはサッカー部のキャプテンだしファンクラブがあるんだよ」
「じゃあ、なんで高橋には彼女いないのよ」
有華が問い詰める。
「それは飛鳥が好きだからだよ」
朋美までもうまい棒を突き付け始める。
「両想い〜両想い〜」
浮かれているのはみなみ。
「違う!違う!私に好きな人はいない」
首を振る飛鳥の肩を、有華が抱く。びくっとする飛鳥。
「ふーん、それ高橋の前で言えるかなぁ〜?」
「言えるかなぁ〜?」
その隣でうまい棒を突き付けながら朋美がのぞき込む。
「無理だよねぇ〜?」
もう一本うまい棒が突き付けられる。みなみも朋美同様のぞき込みながら言う。飛鳥は何も言い返せない。その様子を見て三人が、
「はい、決定〜!音楽室の前でちゃんと想いを伝えましょう」
と、言うと飛鳥が溜息をつき、
「あんたら、それが言いたかっただけでしょ?」
と、言う。有華が笑顔で、
「あ、ばれちゃった?頭いいねぇ」
「皮肉にしか聞こえない」
飛鳥が少し観念した様子で言った。

翌日…
「飛鳥、何だよ?」
「あのさ泰司…ここの伝説知ってる?」
「ああ。音楽室前で…ってやつだろ?」
泰司が少し動揺しながら言う。飛鳥の顔が赤くなる。
「知ってるんだ」
「参ったな…俺から言うべきだったんだけどな」
泰司が頭を掻く。飛鳥の動きが止まる。泰司が言った。
「幼馴染から、俺の彼女になってほしい」
「…ずるいよ。私が言いたかったのに。いいよ」

「うまくいったね」
有華が言う。
「本当は六個しかないのにね」
朋美が言う。
「私たちもがんばろ!」
みなみが言い三人はその場を離れた…


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