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有屋春さん

初めまして。農家でダンサーの有屋春です。

性別 男性
将来の夢 自分の短編集をなるべく安い値段で出したいです。小説に興味ない人の読むきっかけになったらいいなと。
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幽霊の復習の

17/10/31 コンテスト(テーマ):第118回 【 自由投稿スペース 】 コメント:0件 有屋春 閲覧数:644

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私は死んだ。
殺されたのだ。しかも私に非はない。
あれはストーカーだったんだろうか?名前も知らない人から急に告白され、お断りしたら私は刺された。
死ぬまでの間、そいつは愛おしむように私を触り続け、その行為に嫌悪や怒りを感じながらも私はまともに体が動かず悔しさを噛み締めながら死んだのである。

そんな私が天に召されるわけがないのか私は幽霊となった。幽霊など信じていなかった私が幽霊になるとはな。
最初こそ困惑していたが先輩幽霊もいて色々話を聞けたので今はだいぶ落ち着いている。

先輩幽霊から聞いた話によると後悔や恨みが強いまま死ぬと幽霊になることがあるらしい。
皆詳しいことは分からないみたいだったが分かっているのは

強い気持ちが残ったままだと幽霊になることがある。
天国、なのかは分からないが自分の意思で消滅できる。
悪行を行うと天国、なのかは分からないが自分の意思で消滅できなくなる(回数や内容による)
悪行を行う、または恨みの気持ちが強くなると悪霊になり自我がなくなり人を呪ったりする場合がある(回数や内容による)

ということらしい。
幽霊については分からないことが多いらしいが何故この部分が詳しく分かっているかというと復讐である。幽霊になるぐらい恨みがあるんだ。復讐する幽霊が多いのは当たりまえだろう。よくあることだから色んな話を聞き、照らし合わせて内容や回数で自分の意思で消滅できなくなることが分かったそうだ。
なかなか興味深いな。後悔や恨みが強いまま死ぬと幽霊になるのに復讐(悪行)すると自分の意思で消滅できなくなるなんてまるで神様が試してるみたいだ。

さて、俺はどうしようか。正直、復讐したい。だが自分の意思で消滅できないというのはかなりしんどいらしい。
なにせ幽霊にはほとんど娯楽がない。物に触れたり出来ないから遊びもままならないし、幽霊同士で触れ合うことは出来るが感覚は一切ない。大人の行為も無意味なのだろう。もちろん自分でするのも感覚がないぞ。
そして食事は取れないしなんと睡眠もない。食欲、性欲、睡眠欲と人間の三大欲求が全てないのである。
その状態でいつ消滅できるか分からないのは確かにきついだろう。

私は迷い考え、現状を把握してから決めることにした。私を殺した相手は殺人犯で捕まったのか、それすら私は知らないままだった。なにせ幽霊になるだなんて思ってもいなかったので自分のことで頭がいっぱいだったのだ。

私は私を殺した相手を知らなかったが自分のストーカーをしていたぐらいなので近場に住んでいるんじゃないかと自宅の近くを捜査することにした。
捜査は簡単だった。幽霊は人には見えないしどこにでも行ける。壁のすり抜けが出来るから行けないとこなどない。
そして周りの幽霊もかなり助けてくれた。なにせやることがほとんどないので気軽に手伝ってくれるし情報収集は特に凄かった。彼らは人には見えない、そしてどこにでも行ける、だから普通は見ることのない殺人現場を目撃することは幽霊にとってはよくあることらしい。
私の場合も現場を見ていた幽霊がいてしかも、その後どうなったのかまで知っていた。

情報を教えてくれた幽霊によると犯人はまだ捕まっていないそうだ。誰にも現場を見られなかったことと私の知り合いじゃなかったことにより犯人に捜査が及んでいないらしい。
そして犯人に対しての情報もたくさん教えてくれた。
名前は畑中 百合。事務で働き、独身、アニメオタクだそうだ。そして住所まで教えてくれた。
何故そこまで知っているのか不思議に思ったが幽霊の世界ではよくあることらしい。対してやることもなく消滅することもできず、そんな時に殺人現場を目撃したらそれはもう時間を潰せるいい暇つぶしになる。犯人を調べ、警察の話を盗み聞きし、どうなるのか見るのが楽しいそうだ。

思った以上に簡単に情報が入って少し拍子抜けしてしまったが知りたいことは知れたので早速犯人の家へ。


な!なんだこれは!犯人の家に着いた私は驚いていた。そこは異世界だった。壁にはありとあらゆるアニメのイケメンの写真。最初は気づかなかったが天井にまで貼ってあった。そして一番驚いたのはベット近くの壁には私の写真がたくさん貼ってあった。いったいいつ撮ったのだろう、、

そんなことを考えていると犯人が帰ってきた。
かなりの嫌悪感に襲われたのだが犯人は最初に私の写真にキスをしてただいまと言った。
それからパソコンを開いて寝るまでアニメを見て寝る時にはまた写真にキスをしておやすみと言っていた。

、、、こいつ、、、全然反省していない。自分が捕まるという恐怖もなければ悪かったという気持ちも微塵もないと俺は思った。

その時には俺はこいつに復讐することを決めていた。

先輩幽霊にその胸を伝えるとやめたほうがいいと思うけどと言いながら復讐の仕方を教えてくれた。
幽霊には超能力というものがあり紙切れを浮かしたり、風を起こしたり、電気を操ることなどが出来るそうだ。ただ、その能力はとても弱く基本、一瞬しか使えない。努力すれば少しは力が強くなるのでそれで復讐をするそうだ。

なるほど。そんなことが出来たのか。でもそんな力で復讐など出来るのだろうか?

「復讐するの難しいと思ってる?意外と簡単だよ。例えば毎日部屋の電気を消す。これだけでも相当怖いはずだよ。あっちは幽霊のこと知らないんだから。精神的にやるならこんな感じ。肉体的にやるなら階段で足に攻撃して転倒させるとか。一瞬しか力が使えなくても鍛えれば片足のバランスを崩すぐらいは出来るからね。こんな感じで考えていけば殺すことも可能だよ」
「、、、」
幽霊って怖いな。。。

色んな方法を考えたが即死だと復讐した気分があまり味わえないかなと最初は階段で攻撃してみた。思ったより大怪我にならなかったし本人も気にしてないようだったのでこれはやめた。
それじゃあ精神面で攻撃してみるかとパソコンを動かないようにしてみたら効果覿面だった。彼女はヒステリックに叫んで怒りをあらわにした。ただ、俺の力では長い時間パソコンを止めることができなかったのでこれもあまり意味がなかったように思う。
なんだか復讐するのがバカらしくなってきたがここで止めるのも癪である。もう即死でもいいから早く終わらしたいと思って俺はなるべく即死になりそうな方法を考えた。

次の日、彼女が車で出勤するのを空から眺める。タイミングが合わなければ上手くはいかないだろうが事故にさえなれば少しは俺の気持ちも満足するだろう。なるべく高い位置から全体を見て俺はそのタイミングを待った。なかなかそのタイミングが来ず今日は無理かなと思っていた時、そのタイミングはきた。十字路で彼女が走ってない方の道路でトラックがかなりスピードを出していた。このままトラックも彼女の車もスピードを落とさなければ十字路でぶつかるだろう。俺はありったけの力で彼女の前の赤信号を青にし続けた。そうそう上手くいくとは思っていなかったが綺麗にタイミングは合い彼女の車とトラックは衝突した。
彼女の様子を見に行くと血まみれになって死にかけていた。彼女は困惑しながらも自分の状態を確認し死を感じたのか慌ててバッグに手を伸ばした。救急車でも呼ぶのかなと見ていると彼女は一枚の写真を取り出した。こんな時に写真?と不思議に思いながら覗くと俺だった。。。。
彼女は慈しむように写真を見ながら死んだ。

なんだかすっきりしない復讐になったな・・・・さて、もうこの世にいる理由もないんだが俺は天国に行けるのかな?もう未練もないのですぐに試してみる。おっ、なんか体が薄くなって上に引っ張られる感じが。ああ、とても安らかな気持ちだ。これで本当に俺はこの世からいなくなるんだなととても穏やかな気持ちで上に上がっていると急に右足を掴まれた。見るとそこにはストーカー女が。

「また会えたね!やっぱり私たちは運命で結ばれてるんだね!」
「なっ!は、離せ!このストーカー女が!」
まさかストーカー女まで幽霊になるとは!
そんなやりとりをしていると徐々に体の薄さが元に戻ってきた。!?、ここで天国に行けなければもしかしたらずっとストーカー女に付きまとわれる幽霊生活になるかもしれん!なんとかストーカー女を引き剥がし上に上がろうとすると今度は左足を掴まれた。
またか!と思い下を見ると全く知らないおじさんが俺の足を掴んでいた。

「な、なんだお前は!俺は今から天国に行くんだ!離せ!」
「ほう!天国か!お前が行けるとは思えんがな」
「何を根拠に言ってるんだ!」
「下のトラックを見てみろ」

トラック?なんだと見てみるとちょうど運転手が運ばれるところでその運転手は俺の左足を掴んでいる人だった。



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