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栞〜Si·o·ri さん

いろいろなケイケン、ムダにはならない。 いろいろなコトを、知っていこう。 きっとそれが、ワタシをツクルのだから。

性別 女性
将来の夢
座右の銘 ケイゾクハ、チカラナリ

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ヒトを強くするモノ

17/09/17 コンテスト(テーマ):第143回 時空モノガタリ文学賞 【 約束 】 コメント:0件 栞〜Si·o·ri  閲覧数:621

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惹かれるものに、理由があるのかな。
何をしていても気になるカレのこと。
特別、格好いいわけでもなく
特別、面白い訳でもなく
むしろほんとに普通なんだけど...。

出会いは今年始め。
仕事でSNSに投稿した記事に
反応してきたカレ。
そこから友達に追加して
カレがリクエストしてきたページに
いいねした。

第一印象がよかったのは確か。
ワタシの仕事ぶりを褒めてくれるのが嬉しかった。
大人になると
なかなか褒められるコトないからね。

心地よい時間、会話が楽しくて
毎晩メッセージする時間ができた。
次の朝は間違いなく眠い。
恋にはまだ届かない感情...。

カレは公務員という堅いお仕事
既婚なのか...は知らない。
あまりそういう事が問題だと思わないのは
良くない事かもしれないけれど
実際、ほんとに興味がない。

そんな日々がしばらく続き
次の金曜、仕事でワタシの地元で来るという。

「お昼でも一緒にどうですか?」

こういう展開は予想してたけれど
なんだろう?!凄く高揚している自分がいた。

穏やかな冬の日
朝一番のマツエクの予約が取れず
10:30am からで終わり次第
待ち合わせ場所にむかう。

そういえば、結構早い段階で
しかもめずらしく自分から
電話番号を教えていた。
完全に信頼しきっているのは 
どうしてだろう。

そんなことを考えながら
初めてダイヤルするカレの携帯。
3コールでつながった。

すでにメッセージでお互いを名前で呼ぶ約束。
「もしもし、こんにちは」
「もしもし、あっ薫さん?こんにちは」

初めて聞くカレの声
少しかれた感じの優しい声。
「はい。こんにちは。」
到着まで15分くらいかかる事を詫びた。 

車を走らせ
ぐるぐる考える。
カレは思っていたような人なのかしら。
ワタシは思っていたような人なのかしら。
考えても...仕方がない。

広い駐車場、車を停める。
真向かいに停っているスポーツカー
カッコいい。
ちょっと良く見たかったけれど
カレを待たせているのであきらめた。

まわりを見渡したが
カレらしき人は見当たらず
もう一度、ダイヤルしてみた。

「もしもし、薫さん着きましたか?」
やっぱり安心できる優しい声。

建物の中のインフォメーション
地域の観光パンフレットが並ぶ。

上品な黒のスーツに羽織る黒のコート。
大人の男性という感じの後ろ姿。
心拍数がこれほどあがる事など
最近なかった。

「達哉さん、はじめまして。」カレに近づく。
「薫さん、はじめまして。」

挨拶を交わし、駐車場へむかう。

「どの辺りに停めましたか?」
「ワタシもこっちです。」
「ほんとに。あっ、これ自分の車です。」
真向かいのカッコいいスポーツカーだった。
紳士なカレはドアを開けてくれる。

「何処に行きますか?」

何件かの候補から
石の蔵造りのレストランへ。
30分位のドライブ

ドキドキと高揚する自分と
とても落ち着いた気持ちが同居する不思議。

クラシカルなレストランでは
向かい合って座る。
目を合わせて話をする事が
こんなに大変だったなんて。

ゆったりと流れる時間の中で
溶けていく感情。
交わす言葉たちはマーブルのように
交ざりあいながら生まれてくる感情。

こんなにも約束が欲しいと思ったのは
いつ以来だろう。
カレはどうなのかな。

帰りの助手席。
時間の経つ早さを共有している。

「今度は一日時間を作りますね。」
この感情を恋と呼ぶのだろう。
約束があるだけで人は強くなれる。





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