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荒木成生さん

はじめまして、こんにちは、荒木成生です。 二千字をオーバーした時の推敲作業に苦労しています。 説明不足になりがちですが、そこは想像力で補ってください。 二千字よりも長いものは小説投稿サイト『アットノベルス』に置いてありますので、興味があればこちらもよろしくお願いします。 ペンネームは同じです。

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枕の下と夢の中

12/12/03 コンテスト(テーマ):第二十回 時空モノガタリ文学賞【 お正月 】 コメント:0件 荒木成生 閲覧数:1983

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 縁起の良い初夢を見るためには七福神の乗った宝船の絵を枕の下に入れておくといいそうだ。
 なので、寝る前にネットで宝船の画像を検索して印刷し、それを枕の下に入れた。
 そんなに縁起を担ぐ方ではないのだが、今年は大学受験を控えているので、すがれるものなら藁でも夢でも何でもすがりたい。
 眠気が襲ってきたら、あとはベッドに入って目を瞑ってしばらくすれば、そこはもう夢の中。

「おっ! 絶景かな、絶景かなー!」
 見上げると、そこには雄大な富士山が山頂に雪化粧をして佇んでいた。
 夢見早々、一富士を拝めるとは……、こいつぁ春から縁起がいいや。
 と、富士の裾野から飛来してくるものが……、何だ?
 こちらに向かって一直線に飛んでくる。あれは……、鷹だ!
 良く見ると俺の左腕には籠手がはめてあり、それを手前に差し出すと、鷹が待ってましたとばかりに止まり木にする。
「二鷹ゲットだぜ!」
 幸先がいいにも程がある。一富士二鷹があっという間にそろってしまった。
 こうなったら三茄子も拝んでおきたいところだが……、辺りを見渡しても三茄子が見当たらない。ここは森の中の開けた場所だから茄子が無くとも仕方がない。
 俺の幸運もここまでか……、と思ったところで、ふと二鷹と目が合う。すると、二鷹がコクリと頷いた。
 もしかしたら、
「お前……、茄子がどこにあるか知ってるのか?」
 猛禽類に対してする質問ではない……、が、もちろんと言わんばかりに二鷹が再びコクリと頷いた。
 言葉が通じている……、そういえばこれは夢だった。夢なら何が起きてもおかしくはない。
「じゃあ、案内してもらおうかな?」
 それを訊くと、任せろと言わんばかりに二鷹が大空へと飛び立った。
 後を付けていくと、木々の間から湖が見えてきた。
 そして、岸には大きな帆船が停泊している……、宝船だ。これはこれで縁起がいい。
 二鷹はその上空を大きくくるくると旋回した後、帆がかかっている帆柱の天辺に舞い降りた。
 あれ? 茄子を探しに来たはずなんだが……、宝船と間違えたか?
 いや、二鷹はそんな奴じゃない……、宝船の中に茄子があるに違いない。
 宝船の中には七福神とお宝が乗っているはず、大判小判がザックザクの中に茄子があってもおかしくない。
 意を決して宝船に乗り込むことにする。
 甲板にはお宝は無い……、船倉への入り口らしきものもない。あるのは六人分の人影だけだ。
 その人影は何かを取り囲んでいる……、カシャッ、カシャッと絶えずシャッター音らしきものが聴こえてくる。
「いいよ、いいよ! 弁天ちゃん、いいよー!」
 人影から妙な掛け声が……、一体何をしているんだ?
 人影の上から覗き込むと、視線の先にはベッドがあり、そのベッドの上には女性が一人いる。
「きてるよ、きてるよ! 弁天ちゃん、表情きてるよー!」
 人影……、というか六人の爺さんとおっさんがカメラのシャッターを切っている。よくよく見れば七福神の中の男性六人だ。
 となると、女性は弁財天……、のはずなんだけど、素っ裸で撮影されているのはどうしてだ? それに他の七福神に比べて顔が現代人っぽいし……、なんとなく見覚えがあるんだが。
「それじゃあ、脚を広げてみようか?」
 注文が入る。と同時に熱気が一層高まってゆく。
 弁天はベッドの上で後ろ手をつき、膝を折り曲げて座っている体勢だ……、そこから脚を広げるということは……、女性自身がフォーカスされるということに……、ゆっくりと広げられていくその腿の先の奥の奥には……。

 ここで目が覚める。
 確認してみよう……、初夢は一応覚えてはいる。
 一富士二鷹三……、茄子はあれでいいのだろうか? 茄子がまさか、弁天のお宝の中から顔を出していたとは……、有難いといえば有難い。
 でも……、弁天の顔……、どこかで見た顔なんだよな。どこだったかな?
「……あっ!」
 思い出した。そうだよ……、確かに弁天の顔と同じ顔を見たことがあったよ……、しかもこっちの世界で。
 起き上がり、ベッドの下をまさぐると、一冊の本が出てきた。
 隠してあったエッチな本……、その中には弁天と同じ顔と体の女性が淫らなポーズで写っていた。
 どうやら枕の下とベッドの下が夢の中で混じってしまったらしかった。


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