セレビシエさん

受験生です。 小説と生物が好きです

性別 男性
将来の夢 しずかなくらし
座右の銘

投稿済みの作品

0

17/08/10 コンテスト(テーマ):第140回 時空モノガタリ文学賞 【 育児 】 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:494

この作品を評価する

息子を産んで、三年たったある日、お父さんが死んでしまった。会社から帰る途中、交通事故で。こんなことって、本当に起こるなんて思わない。当時の私は寂しくて泣いた。これから先の将来が恐ろしくて泣いた。ずっとずっと泣いていた。はじめ一週間はまともに食事も出来なかった。
けれども、ちょうど事故から一週間後、息子に食事を与えているときだった。私はいつもみたいに元気の無さそうに息子とご飯を食べていた。
そしたらいきなり
「ママ、泣いちゃやだ」
と言われた。
私は泣いてはいなかった。
しかしいつ泣いてもおかしくないくらいグラグラした状態だった。
息子はそれを言った途端にワンと泣き出した。
私は、そのときはじめて、自分が親であることを自覚した。
この子は私が守らなければいけない。
その決意をしたら、私も涙が溢れてきた。
しかし、その涙は絶望に嘆き悲しむためのものではなかった。
私は息子と二人でたくさん泣いた。
その涙は、今日までの私を支えてきた。
私は必死に働き、息子を育てた。
途中で挫けそうになったこともある。
息子が反抗期のとき、私はつい思いきり息子を怒鳴った。それから暫くは口も聞かない日が何日も続いた。
そんなときでも、挫けなかったのは、あのとき二人で泣いたからだろう。
今ではもうすっかり落ち着いて、皆から仲良し家族と言われるくらいだ。
出来るなら、お父さんとも、一緒になって、三人で笑いたかった。
けれどもきっと、貴方は天国で私たちを見ていてくれているのでしょう?

私はお父さんのお墓の前に花を置いた。
振り替えると息子が手を振っていた。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン