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mokugyoさん

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猫水仙人

17/07/16 コンテスト(テーマ):第138回 時空モノガタリ文学賞 【 猫 】 コメント:0件 mokugyo 閲覧数:564

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僕、ボクサツ!本名は撲田察男だけどね。「撲殺して〜な〜」って呟いてたらそんなあだ名がついた男さ!今日は猫のことを聞きに猫水仙人のところに来たよ。猫水仙人は、猫の顔してる仙人だよ!湖のほとりに住んでるんだよ。だから水がつくんだね。白い毛で、マジで猫の仙人って感じの貫禄なんだ〜。

「仙人!猫って気まぐれなんですか?ってか、猫ってなんで猫っていうんですか〜?」
僕のこの素朴で純真でけがれのない質問に対して、猫の仙人が面倒くさそうにこたえてくれるよ。

「ああ。なんてむかつく男だ。人間はこれだからダメだ。哲学がない。ネコという呼び方は昼間に寝る習性がある寝るケモノ、寝るクマからてんじてネコになったという説がある。また、猫という漢字は、苗をとるネズミを捕まえるケモノを表していると言われている。どうだ。これで答えになっただろう」
「へえーそうなんだー。『ドラゴンボール超』の破壊神も猫じゃん。『11ぴきのねこ』とか『猫の恩返し』とか、ミュージカル『キャッツ』とか、猫の話すげ〜あるじゃん。なんでみんな猫好きなの?」
僕は、また好奇心いっぱいに無邪気に質問したんだ。すごい笑顔を見せたよ!笑顔は人間にとって宝物だよね!そうしたら猫水仙人は、とてもしぶい顔をしながらまた面倒くさそうにこたえたよ!

「それを猫の仙人である私に聞くか?人間にとって猫は身近な動物。身近であるがゆえにキャラクターにしやすい。気まぐれで自由に生きているように見えるんじゃないか?人間は不自由だからな。猫の自由気ままな姿、愛くるしい見た目に心を奪われるのだ」
「へえ〜そうなんだ〜。愛くるしいとか言ってんなよ、カス」
僕は猫の仙人にひどいことを言ってしまった。だって、えらそうだったからね!でもその後一応ほめておいたよ。仙人に対して失礼なことばっかり言ってちゃダメだしね。僕は、とても優しくて猫思いな人間だからね。
「猫の仙人だけあって、やっぱり色々知ってんだね!さすがすごいよ!」
僕はニコニコしながら仙人の話を聞いてたんだ。さすが、猫の仙人だけあって物知りだと感心したよ!これは本当だよ!

「じゃあ死ね!」
次の瞬間には僕はこう言ってたんだよね。笑いながら。猫水仙人は、仙人名乗ってるけど、化け猫だからね。僕は、化け物撲殺するのが仕事だから。なんかそういう系の仕事。エクソシストとか退魔師とか陰陽師とかそんなのが混ざったような、そんなふわっとした職業。猫水仙人に恨みはないんだけど、仕事だからやってるんだ〜。僕は退魔用釘バットを振ったんだ。思いっきり振りかぶったよね。

猫水仙人は、それはもう身軽に避けたよね。やっぱり猫は身軽なんだな〜って思ったよ。猫のように身軽で水のように流れるような動きから猫水仙人と呼ばれてたんだよね。そんなこと思い出したよ。さすが仙人はすげえや!猫水仙人は基本無表情なんだけど、僕が攻撃した瞬間は悲しそうな顔した。
「あわれなり。人間」
猫水仙人がこう言ったのは聞こえた。次の瞬間、僕は猫の爪で全身をひっかかれてズタボロになり、湖に落ちた。全員にするどい爪を感じて痛い!と思った。そして湖の中に落ちたから冷たい!って感じたよ。僕は死んだ。

「ああ。こうして私はまた化け猫と呼ばれるのか。正当防衛したにすぎないにもかかわらず。人間の猫に対する一方的な愛憎は何なのだろうか。勝手なイメージを作り過ぎだ。猫は、そんなに自由でもない。私のように長寿になって人語をおぼえ池に住み着けば、それはそれで謎の生き物として扱われる。結局、人間は猫を自分の都合のいいようにしつけたいだけなのだ。人間基準の自由の中に押し込めてな」

「解説ありがとう!死ね!」
僕は最後の力を振り絞って湖から体を起こして、猫に向かって釘バットを振ったよね。ちなみに対猫のバケモノ対策が釘バットなのは、80年代になめ猫ってのが流行って、猫に対して学ラン着たヤンキーみたいなイメージがあったからなんだ。個人的にね。ヤンキーなら釘バットは好物だよね、と。またたびとキャットフードをぬりたくって、もう釘と一緒にほうばってもらう予定だったんだけどなあ。
まあでも僕の最後の力の渾身の一振りの釘バットは華麗によけられて、僕はまた猫の爪でひっかかれたよ。そりゃもう盛大に全身ひっかかれて血だらけになった。あと、ついでにするどい牙で噛まれた。そして、僕は再び湖に沈んで今度こそ本当に死んだ。

「なんと愚かな人間だ。ああ、人間の中には猫に対して非常に愛情をもつものもいるのに、こういう人間がいると、まことにやりきれない」
僕は死にながら、湖の底に向かって沈んでいきながら、水面にいる猫水仙人の白い毛並みを見てたよね。ああ白いなあ、って思った。

(終)


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