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ジェームズボンバークライシスさん

ジェームズボンバークライシスです。 好きな作家はドストエフスキーと、ゲーテと夏目漱石と芥川龍之介です。よろしく。

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猫と青年

17/06/28 コンテスト(テーマ):第138回 時空モノガタリ文学賞 【 猫 】 コメント:0件 ジェームズボンバークライシス 閲覧数:433

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私は小さな古ぼけた家で猫を撫でながら、近所の子供達の声を聞きながら呟く。
ああ、夏が来たな・・・。
蝉が鳴き、最近朝は、ラジオ体操が聞こえる事が増えた。
私は、なるべく人に会わなくなってから何年が経つであろうか、父が亡くなり、遺産で、働かなくても生活できるようになった今、私は、白猫のニャン吉の背中を撫でるだけの人生となった。
私には好きな人だったり、愛する人だったりがいたが、皆は私を裏切り、私は孤独となった。
猫だけである、信用できるのは。
私はキャットフードを棚から取り出し、皿に乗せる。
ニャン吉は美味しそうに餌をたべる。
そして、私も冷蔵庫から、昨日の残りの肉じゃがと、野菜炒めを取り出す。
そして、冷凍庫からラップに包まれた米を取り出し、レンジにかけ、丼に乗せる。
私はニャン吉と一緒に居間で食事を共にする。
「美味しいかい?ニャン吉。」
ニャン吉は多分美味しい!と、答えてるに違いない、少なくとも私はそのように思いたい。

私は寝床に行き、布団に入り、何かするわけでもなく、雑誌をぺらぺらとめくる。
私はこのように、働くものを見下ろしたかのように生きている。
ニャン吉は、何処かに散歩に出たようだ。
ニャン吉はどんな日常を送っているのであろうか。
ああ、今日は日中にしては一段と眠いので、雑誌を閉じ、眠ることにした。
目を開けると花火が打ち上がる音が聞こえた。
目を開けると猫は帰って来ていた。
私はキャットフードを取り出し、皿に乗せる。
私は庭に行き、花火を見上げる。
美しい、まるで人の命のようだ・・・。
その時、猫は倒れていた。
ニャン吉は苦しそうに唸っていた、花火の轟音の中、ニャン吉を抱え私は動物病院まで走った。
そして、ニャン吉の人生は長くない事がわかった。もうそれなりの年齢なので・・・と覚悟はしていたものの、私は、悲しんだ。
治療に入るため、私は動物病院にニャン吉を預けた。

私は家に戻ると誰に届けるかわからない遺書を書きなぐり泣いた。
ニャン吉がいないと、私は何のために生きてるのかわからなくなる。
ニャン吉に餌を与えているためにこの余生を生きてるものの、ニャン吉がいないと、私は、生きてる意味がわからなくなる。
今までの人生沢山孤独を感じ、痛みを感じ、そんな中救ってくれたニャン吉が・・・死ぬなんて・・・そんな事、考えたくないし、ニャン吉には生きててもらわないと、辛いのだ。

そして、1日1回ニャン吉の顔を見に動物病院に足を運ぶ日が増えたが、ニャン吉は、どゆどん痩せていくばかり。
私も比例するかのようにどんどん体重は落ちていった。
ニャン吉との思い出をアルバムをめくり思い出す。
ニャン吉と出会った日
ニャン吉を抱きしめた日
ニャン吉とゴロゴロした日
私は涙で顔が崩れそうだった。
もうそろそろ精神的にも限界が来たようなので、ホームセンターにロープを買いに出た。

ニャン吉、君のいない人生なんて考えられない。この世界は、闇で満ちている猜疑心で心は揺れ、結局私は、人間不信に陥り、ニャン吉に依存する事でなんとか人生少しばかり楽になるのを感じた。
ニャン吉がいれば、この世界だって愛せたかもしれないのに、どうして時はこう刻々と過ぎてしまうのか。
そして、ニャン吉は、3日後天へ行った。
私はロープに首を吊るした。
そしてー


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