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松定 鴨汀さん

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まんなかの緋鯉

12/04/06 コンテスト(テーマ):第三回 時空モノガタリ文学賞【 端午の節句 】 コメント:2件 松定 鴨汀 閲覧数:2511

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「ねえ、あれって僕達みたい!」
 久々に3人で買い物に出かけた、その帰り道。
 彼の子が指差したのは、戸建の屋根にはためく鯉のぼりだった。
「1番上の青いのがパパ。1番下の小さいのが僕なの」
 無邪気な声の続きが怖くて、私は先回りをして訊ねた。
「じゃあ、真ん中の赤いのはお母さんかな」
「ちがうよ! お母さんはどっか遠くに行っちゃったんだから」
 指差していなかった方の小さな手が私のベストの端をきゅっとひっぱり、彼にそっくりな笑顔がこう続けた。
「僕達みたい、って言ったでしょ」
 私は胸が熱くなった。
 気づけば、離れて歩いていた彼が優しい目でこちらを見ていた。
 たとえ法や世間には認められなくても、私達は家族なのだと、その目が言っていた。
「真ん中の赤いの、本当に私でいいの?」
「あたりまえだよ! そもそも、お母さんにヒゲは無いしね!」


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このストーリーに関するコメント

12/04/08 かめかめ

うわお^^

12/04/16 松定 鴨汀

かめかめ様、コメントありがとうございます!
オチ、これで伝わるか不安だったので、嬉しいです。

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