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かめかめさん

http://ameblo.jp/kamekame1976/ ブログデシセイカツバクロチウ

性別 女性
将来の夢 印税生活
座右の銘 ハワイに行きたいと思ったら、一歩踏み出さないといけない。 ハワイは向こうから近づいてこない。

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好きなものは好きだからしょうがない!!

12/11/17 コンテスト(テーマ):【 兄弟姉妹 】 コメント:0件 かめかめ 閲覧数:2025

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「ぜったい、コロッケ!!」

「だめ!メンチカツ!」

「もう、どっちでもいいから早く決めてよね」

妹の真由はわがままだ。
ママが
「おやつにスーパーの安売りのメンチカツか、コロッケを買おうか?」
といったので、ボクとママと真由でスーパーにきたんだ。
メンチカツもコロッケも値段はおなじ、1パック100円。
ただ、コロッケは3コいりなのに、メンチカツは2コいり。
「ママの分はいいから、好きなほうを選びなさい」
ってママはいうけど、ぜったい、ママもいっしょに食べた方がおいしいに決まってる。
けど、真由は「メンチカツがおいしいから、メンチカツがいい!」ってダダをこねてゆずらない。


「ねえ卓、メンチカツにしたら?お兄ちゃんが譲ってあげようよ」

「でも、ママ!」

「オニイチャンなんだから!ガマンしてよ!」

真由がさけぶ。ボクがにらんだら、真由はママの後ろにかくれた。

「ね、今日はメンチカツにしよ。コロッケなら、いつも安いんだから」

ママはメンチカツのパックを取ると、さっさとレジに向かう。真由はママのスカートにまとわりついて甘えてる。
ボクはコロッケのパックを見つめて1、2、3とコロッケの数をかぞえた。



家にかえって、ママがメンチカツを2まいのお皿にいれてくれた。
真由は両手でメンチカツをにぎると、半分にわった。そして右手にもったほうをママにさしだした。

「はい、ママ!はんぶんあげる!」

「あら、真由ちゃん、やさしーい。いいの?うれしいな」

真由はママとメンチカツを半分こして、ニコニコしている。
そんな!これじゃボクがわるものみたいじゃないか!

「あら、卓、どうしたの?メンチカツ食べないの?」

「……いらない」

「もう、わがまま言わないで。おいしいよ?」

「いらないってば!」

ボクはさけんで玄関をとび出した。
家のまえは、すぐ、大きな車が行きかうせまい道。

ボクの体はダンプにはね飛ばされて宙にまった。



お線香のにおいが甘くただよう台所で、17歳になった真由がコロッケを揚げている。

「ああ、いいにおいね。真由、コロッケだけは上手になったわよね」

そういいながら、ママが台所に入ってくる。

「失礼な。肉じゃがだってカレーだって上手ですよーだ」

「どれもジャガイモ料理ばっかりじゃない。……このお皿、仏壇でいいの?」

「うん。お兄ちゃんの分だから」

ママはコロッケが山もりにしてあるお皿をかかえると、ボクのための仏壇の前にはこぶ。
お皿を台におくと、あたらしいお線香に火をつけた。

「卓の命日は、毎年コロッケになっちゃったわねえ。
真由は覚えてないだろうけど、ママは覚えてるよ。卓の大好物はメンチカツだったよね。
あの時、コロッケがいいって駄々をこねたのは、ママにも一個食べさせてくれようとしたんでしょう?
ごめんね、何も言ってあげなくて。ごめんね、コロッケ買ってあげなくて」

ママ、だいじょうぶだよ。
今のボクの一番すきな料理は、真由が揚げたコロッケなんだから。
だから、なかないで、ママ。


「ママー。ご飯だよー」

台所から真由がよぶ。ママはそっと、なみだをぬぐうと、ボクにエガオを見せてから、台所へむかった。
僕はコロッケの香りを胸いっぱいにすいこんだ。
コロッケの香りのついた湯気は、ボクをすり抜けて仏壇にすいこまれていった。


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