1. トップページ
  2. 設問7:人間はなぜ人間に進化したのか?

土井 留さん

性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの作品

0

設問7:人間はなぜ人間に進化したのか?

17/02/28 コンテスト(テーマ):第101回 【 自由投稿スペース 】 コメント:0件 土井 留 閲覧数:582

この作品を評価する

問い:人間はなぜ、どのようにして他の類人猿と分かれ、現在の形になったのか?

一般的な仮説:人間の祖先(X猿)は、肉を求めて人間になった。

 人間は、なぜ600万年前にチンパンジーとの共通祖先と分かれ、このような進化を遂げたのだろう?この疑問に対する唯一正しい答えは「種の生存のために都合が良かったから」である。人間の先祖(本稿では「X猿」と呼ぶ。)は、人間に近づくことによって、生き残るための利点を獲得したのである。
 では、どのような違いが生存のための利点を生み出したのだろうか?
 まず、外見的に大きく違う点は、体毛がなく二本の足で直立歩行することである。
 全身が体毛に覆われていると保温には有利だが、運動を続けると体温が高くなり過ぎてしまう。反対に、体毛がないと体温が下がりやすい。大量の汗をかくことも人間の特徴であり、これもまた、体温を下げやすくする。よって、体毛を薄くし、気温の高い地域で長時間活動できるようになることが、第1の利点だったと考えられる。
 次に、二足歩行は、X猿が地上で生活したことを示している。多くの猿は足の指を使って枝をつかみ、体を支えることができるが、人間は足の指で物をつかむことができない。このため人間は木の上で活動する能力を失っているが、代わりに地上を比較的速く走ることができる。よって、X猿は、初めは木の上で生活していたかもしれないが、次第に地上に移り、走り回って食料を得るようになったと考えられる。
 外見以外で他の類人猿と大きく異なっているのは、その食生活である。ほとんどの猿は植物食であまり肉を食べないが、人間は肉をよく食べる。なお、人間の近縁種であるチンパンジーは肉を食べることもあり、肉を得ると上位の雄が褒美のような形で分配することが知られる。このことから、X猿にとっても肉は価値の高い食料であり、より多くの肉を得られるように変化していったと考えられる。
 最後に、人間と他の猿との共通点を考えてみよう。このエッセイの目的は、人類と他の猿との分岐点を探ることだから、考察対象のX猿は、現在の人間よりもチンパンジーとの共通祖先に近い生物である。よって、差異だけでなく、他の近縁種との類似点も考察する必要がある。現在人間に最も近い生物はチンパンジーとボノボで、それに次ぐのがゴリラである。これら3種は、全て比較的高い知能を持ち、集団生活する猿であり、その特徴は人間のそれとも一致する。よって、X猿も上記の特徴を備えていたと考えられる。
 以上のような特徴をまとめると、X猿は地上に下りて集団で狩りをする、肉食性の強い猿だったと考えられる。チンパンジーも簡単な道具を使い、外敵に物を投げつけたりするので、恐らく種として確立したごく初期の段階から道具を使っていたことだろう。また、身体的特徴から、森林よりも草原のような開けた場所を好んでいたと考えられる。体毛と毛色が薄く、チンパンジーに比較するとスリムで素早い猿だったのではないだろうか?
 さて、身体的・社会的特徴はこのようなものだとして、X猿の生存戦略はいかなるものだったのか?草原という環境は必ずしも猿に有利な場所とは思えないし、肉食という特徴は、ライオンのような他の肉食獣と競合関係になる。効率的に獲物を狩る能力は肉食獣の方が上手だから、植物も肉も食べることができる、食料選択の幅の広さに生きる道を見出したと考えられる。広く移動しながら若芽や果実を食べ、時に集団で小さな草食動物を襲って捕食していたのではないだろうか。
 集団で獲物を襲い、肉を食う猿。実に恐ろしい生物である。なぜ他の動物が人間を怖がるのか、その気持ちがよく分かる。


コメント・評価を投稿する

コメントの投稿するにはログインしてください。
コメントを入力してください。

このストーリーに関するコメント

ログイン