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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

ロックンロール ニアリー アルコオル

コンテスト:第167回 時空モノガタリ文学賞 【 実家 】

カテゴリ: 登録日:19/03/22

入賞時空モノガタリ文学賞 【 実家 】 入賞作品

 親父が素面でいるのを見たことがない。  朝は俺が起きるよりも早くから飲んでいて、夜は俺が寝るよりも遅くまで氷の音を響かせている。酒癖が悪いわけではなかったし、暴力をふるうこともなかったけれど、無関心で無気力な男だった。  俺が東京に行くと言った時も、そうかと一言吐き出しただけで、こちらも見ずに瓶をさかさまにしていたのをよく覚えている。止めてほしかったわけではないし、応援してほしかったわけでも...... 続きを読む

実家アロマ

コンテスト:第167回 時空モノガタリ文学賞 【 実家 】

カテゴリ: 登録日:19/04/05

入賞時空モノガタリ文学賞 【 実家 】 入賞作品

 何をしても疲れが取れない。  連日連夜に渡る激務。口煩い上司、調子のいい同僚、頭の硬すぎる後輩に囲まれて、四面楚歌の毎日。  久々の休日、私は食料やトイレットペーパー等の生活用品をGETすべく、フラフラと街へ出た。本当は、何もかも忘れて一日中ベッドで眠りこけていたかったのだけれど、人として最低限の生活を維持する為に、渋々と。  何しろ私の部屋ときたら「驚愕!片付けられない三十路女子の汚...... 続きを読む

つなぐ【エッセイ】

コンテスト:第167回 時空モノガタリ文学賞 【 実家 】

カテゴリ: 登録日:19/04/15

入賞時空モノガタリ文学賞 【 実家 】 入賞作品

 双葉の家な、秋にほどくことにしたから。  2018年の元旦、おせちと雑煮の朝食を終え食後のお茶を飲むと、父はまっすぐに私たちを見てそう言った。  並んで座っていた私と妹は互いを見ることはなかったけれど「きたか」と背筋を伸ばす。 「うん。わかった」  そろって静かに頷けば、一瞬止まったように思えた時間が私たちを窺うように動き出した。  私の実家は福島県の浜通り、双葉町にある。  大学進...... 続きを読む

宝島より愛をこめて

コンテスト:第166回 時空モノガタリ文学賞 【 おくりもの 】 ※時空作者による選考回

カテゴリ: 登録日:19/02/19

入賞時空モノガタリ文学賞 【 おくりもの 】 入賞作品

 少し昔の、ある田舎町の話だ。  中学一年生の頃、僕はよく、近所のベーカリーに通っていた。  南仏風の、穏やかで明るい造形。  うちとはあまりにも違った。  僕の家は町の誰よりも大きかったけれど、暖かい場所はひとつもなかった。  店内のカウンタには川原祥子さんという二十代半ばの女の人がいつも立っていて、厨房ではその夫の剛健さんがパンを造っていた。  傍目にも二人はとても忙しそうだっ...... 続きを読む

贈る言葉

コンテスト:第166回 時空モノガタリ文学賞 【 おくりもの 】 ※時空作者による選考回

カテゴリ: 登録日:19/03/04

入賞時空モノガタリ文学賞 【 おくりもの 】 入賞作品

 先生は今日お前らに、伝えたいことがある。輝かしい未来へと羽ばたくために非常に重要なことで、言うなれば“贈る言葉”ってやつだ。  おいおい騒ぐな。羽山、五月蝿いぞ。え? 卒業式に言うならわかるけど、三年生の頭に贈る言葉だなんて、頭おかしいんじゃないかって? なーに、遠慮するなって。そうだ。羽山、順番はお前からにしようか。  羽山お前さ、イケメンで成績優秀だなんて、天は二物を与えるもんだよな...... 続きを読む

つつむもの

コンテスト:第166回 時空モノガタリ文学賞 【 おくりもの 】 ※時空作者による選考回

カテゴリ: 登録日:19/03/17

入賞時空モノガタリ文学賞 【 おくりもの 】 入賞作品

 春松百貨店の入口に、3月末をもって閉店の貼紙が出たのは、新春初売りの初日のことだった。  創業57年。開業当時は、客を根こそぎとられることを恐れた駅前商店街の猛反対にあったが、10年、20年と経つうちに地域のランドマークと化し、40年、50年で過疎化に伴い町の小売店がばたばたと消えゆく中、それでも住民を商店街につなぎとめる唯一の枷として、開業当時とは別の意味でその存在は「希望」となっていた。 ...... 続きを読む

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