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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

ヤオのはじまり

コンテスト:第168回 時空モノガタリ文学賞 【 レシピ 】

カテゴリ: 登録日:19/04/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【 レシピ 】 入賞作品

 昔々。中国の山奥で仙人と共に修行をしている若者がいました。 「今までこの辛い修行をよく耐えてきた。免許皆伝じゃ。このレシピを持っていけ」  そう言って仙人が渡したもの。それは不老不死のクスリのレシピが記された書でした。  修行を終えた若者、ヤオは早速不老不死のクスリの調合を始めました。 「月のしずくに黄金桃の果汁、それに砂糖とジャンとなにかステキなものアル」  いよいよ不老不死のク...... 続きを読む

夕暮れ前に焼き飯を食う人々

コンテスト:第168回 時空モノガタリ文学賞 【 レシピ 】

カテゴリ: 登録日:19/04/16

入賞時空モノガタリ文学賞 【 レシピ 】 入賞作品

 キャバレー勤めのまま三十路をとうに越え、腕や腹の肉が貫録を与えてくれるのは、いいやら悪いやら。  この頃は、舌打ちが増えた。始終イライラしている気がする。  昨夜の無茶な酒が体に残っている。  まだ無人の店に入ると、初夏の十五時の空気は生暖かかった。  掃除用具を出していると、裏口のドアから見知った子供が入って来た。私は、ち、と舌打ちする。 「あんたさ、今年で中学生でしょうが。今ま...... 続きを読む

秘伝のレシピ

コンテスト:第168回 時空モノガタリ文学賞 【 レシピ 】

カテゴリ: 登録日:19/05/17

入賞時空モノガタリ文学賞 【 レシピ 】 入賞作品

 結婚記念日に妻が見たことのない料理を作ってくれた。 「母から教わった秘伝のレシピなの」 「へえ」と大した興味もなく口にしたそれは、しかし信じられないほどに美味しかった。これまで食べてきた物とは次元が違うと言っていい。味も薫りも素晴らしく、僕はこの料理の虜となった。  特別な日にしかあの料理を作らない妻に、僕は普段も作ってくれるようせがんだ。しかし妻は「特別な料理だから」と取り合ってくれない...... 続きを読む

ロックンロール ニアリー アルコオル

コンテスト:第167回 時空モノガタリ文学賞 【 実家 】

カテゴリ: 登録日:19/03/22

入賞時空モノガタリ文学賞 【 実家 】 入賞作品

 親父が素面でいるのを見たことがない。  朝は俺が起きるよりも早くから飲んでいて、夜は俺が寝るよりも遅くまで氷の音を響かせている。酒癖が悪いわけではなかったし、暴力をふるうこともなかったけれど、無関心で無気力な男だった。  俺が東京に行くと言った時も、そうかと一言吐き出しただけで、こちらも見ずに瓶をさかさまにしていたのをよく覚えている。止めてほしかったわけではないし、応援してほしかったわけでも...... 続きを読む

実家アロマ

コンテスト:第167回 時空モノガタリ文学賞 【 実家 】

カテゴリ: 登録日:19/04/05

入賞時空モノガタリ文学賞 【 実家 】 入賞作品

 何をしても疲れが取れない。  連日連夜に渡る激務。口煩い上司、調子のいい同僚、頭の硬すぎる後輩に囲まれて、四面楚歌の毎日。  久々の休日、私は食料やトイレットペーパー等の生活用品をGETすべく、フラフラと街へ出た。本当は、何もかも忘れて一日中ベッドで眠りこけていたかったのだけれど、人として最低限の生活を維持する為に、渋々と。  何しろ私の部屋ときたら「驚愕!片付けられない三十路女子の汚...... 続きを読む

つなぐ【エッセイ】

コンテスト:第167回 時空モノガタリ文学賞 【 実家 】

カテゴリ: 登録日:19/04/15

入賞時空モノガタリ文学賞 【 実家 】 入賞作品

 双葉の家な、秋にほどくことにしたから。  2018年の元旦、おせちと雑煮の朝食を終え食後のお茶を飲むと、父はまっすぐに私たちを見てそう言った。  並んで座っていた私と妹は互いを見ることはなかったけれど「きたか」と背筋を伸ばす。 「うん。わかった」  そろって静かに頷けば、一瞬止まったように思えた時間が私たちを窺うように動き出した。  私の実家は福島県の浜通り、双葉町にある。  大学進...... 続きを読む

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