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メモリアル

入賞した作品THE STORY WHICH WON

消し炭になった畑中君はゴミじゃない

コンテスト:第162回 時空モノガタリ文学賞 【 あだ名 】

カテゴリ: 登録日:18/10/22

入賞時空モノガタリ文学賞 【 あだ名 】 入賞作品

 私の高校一年の冬は、中学までとあまり変わらなかった。  つまり、迫害はされても友達はいない状態だ。  十二月一日の放課後、関東ならでは穏やかな寒さの中、私は校舎の裏にある焼却炉を目指した。  ゴミの残り火がくすぶっている間は、その真後ろにいると、人目にもつかず暖かく過ごせる。  しかし、寒風の中焼却炉に着くと、いつもと様子が違った。  焼却炉は私の胸くらいの位置に開口部があり、その...... 続きを読む

名探偵のナミダ

コンテスト:第162回 時空モノガタリ文学賞 【 あだ名 】

カテゴリ: 登録日:18/10/31

入賞時空モノガタリ文学賞 【 あだ名 】 入賞作品

 義姉のナミさんから久しぶりの連絡がきたのは兄が亡くなって半年経った十月の終わりだった。ナミさんと私は歳が近いのもあり兄の生前は兄抜きでもよく遊びに行ったりしていた。気の合う友達のような関係だったが、兄が交通事故で亡くなって以来、法事以外で会うことはなくなっていた。私と会うことで兄のことを思い出してしまうのかな? などと考えて私から連絡することも控えていた分、「明日会えない?」とナミさんから言われ...... 続きを読む

知覚する

コンテスト:第161回 時空モノガタリ文学賞 【 伝言 】

カテゴリ: 登録日:18/10/07

入賞時空モノガタリ文学賞【 伝言 】入賞作品

 あなたは自身が大病を患い、もう長くないと、微かにロッキングチェアを揺らしながら、ぽつりと零した。日に日に痩せ細っていくあなたを見て、私はとうに病のことには感づいていた。  だけど私の心配は、あなたを救うことに直結することは到底ありえないし、私が悲しみに暮れていることを、あなたは知らない。 「ぼくには娘がいるんだ」  一人娘で名前はエマ。幾度となく彼女との思い出話を聞いたことがある。 ...... 続きを読む

先輩への伝言

コンテスト:第161回 時空モノガタリ文学賞 【 伝言 】

カテゴリ: 登録日:18/10/12

入賞時空モノガタリ文学賞【 伝言 】入賞作品

「先輩、なんかさっき伝言を預かったんですけど」 喫茶店でアルバイトをしている私は先輩に密かに恋心を抱いている。私は十分アピールをしているけど、先輩は私にあまり興味がないみたいで、正直ほとんど勝算はない。 「伝言?誰から?」 ある日、先輩と久しぶりに話すキッカケを手にした。それはある人から伝言を預かったという内容だ。先輩もこの話にはしっかり耳を傾けてくれたので、しっかりと会話が繋がるような気が...... 続きを読む

赤トンボ

コンテスト:第161回 時空モノガタリ文学賞 【 伝言 】

カテゴリ: 登録日:18/10/21

入賞時空モノガタリ文学賞【 伝言 】入賞作品

 「トマトを食べたんだよわたし」朝ごはんのあとの縁側でしほちゃんは興奮しています。「パパとおばあちゃんはさ、病院へ行けなくなっちゃったからガッカリして朝ごはん残してたのに、わたしはぜんぶ食べたの!」赤トンボは半球体の大きな目をグリグリとしほちゃんに向けて、じっと聞いていました。人間に話しかけられたのなんて初めてです。「本当はキライなんだよ、トマト」しほちゃんは得意気にニッと笑うと両手をついて顔を寄...... 続きを読む

案山子たちの首

コンテスト:第160回 時空モノガタリ文学賞 【 伏字 】

カテゴリ: 登録日:18/09/22

入賞時空モノガタリ文学賞 【 伏字 】 入賞作品

 親族だけしかいないような村の中、叔父の田んぼだけが何体もの案山子に囲まれている。  その案山子たちは、藁の胴体の上に人間の生首を据えていた。  幼い頃はひどく恐ろしかった。  案山子は風に揺られて、時折首の断面を曝した。藁との隙間に見えるそれは、干し葡萄のように粘着質に黒かった。首は皆何かを呟いているが、それを聞きとれる者はいない。  案山子に怯えてすがり付いた幼い私に、村の誰かが「あん...... 続きを読む

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