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セレビシエさん

受験生です。 小説と生物が好きです

出没地 なごや
趣味
職業
性別 男性
将来の夢 しずかなくらし
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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ラスト・チャンス

17/10/07 コメント:2件 セレビシエ 閲覧数:228

「これ、落としませんでしたか?」
圭一が声のする方に振り向くと若い女がいた。髪は短く黒髪で少年っぽい感じだなと圭一は思った。手には赤い財布を持っていた。安物そうだった。
「あ、違いますよ。僕のじゃないです」
圭一は少しだけ笑ってそう言うと、また元の方向に振り向き直した。女はそうですかと笑っただけだった。圭一は少しだけ、財布を自分のものだと偽って、中に入っているお金を盗んでやろうか・・・

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ものわすれ

17/09/12 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:285

ある朝、彼が目を覚ますと、大きな違和感が彼を包み込んだ。その正体はすぐに顕になって彼を高い崖から突き落とした。それで彼は急いで着替えると、玄関まで走っていき、靴は踵を踏んだ履き方で、そして玄関のドアに鍵もせずに大慌てで家から飛び出した。目的地までの最速移動方法を考えて、彼は始発の電車に飛び込んだ。電車の中、人はまだ疎らで、彼はこのときにはじめて呼吸をしたかのような感じに思った。けれども、心臓の鼓動・・・

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繋がり

17/09/01 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:382

「君はひどく疲れている顔をしているね」
実際僕は疲れていた。それで僕は返事をしないままで机の上に頬っぺたをくっ付けて睡眠態勢に入った。彼女は何も言わない。僕も少し黙っていた。
顔は見えないがなんだか彼女は不貞腐れているみたいだった。それでも僕は顔を上げなかった。
「結衣は疲れてないの?」
机に突っ伏しながら僕は言った。
「疲れていないよ、だって君と一緒だもん」
・・・

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化け物

17/08/30 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:215

近所にある古い森の中、 その奥には化け物が棲んでいる。そんな噂話がひそひそとクラスの間で語られていた。噂はだんだん膨らんでいき学校中に広まった。そうなればもちろん、誰かが森の中に入ることになる。そしてそれはもちろん、立場の弱い奴から、つまりイジメられている、僕からだった。
「お前だったら化け物とも友達になれるだろ」
渡辺が言った。そのあとに蹴りが1発。涙で目が熱くなった。

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グラデーション

17/08/28 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:167

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白い光は辺りを包みこんでいて、全ての物が表面を滑らかにコーティングされ、なんだか、優しい風になっていた。ああきっと、この光を感じられるのも今日が最後で、けれど最後だからこそ今、こんなにもこれが暖かく感じるのだろう。私は少し涙が出てきた。
柔らかい、全てが柔らかくて、暖かい。幸せだ。
私は今幸せだ。
これからの生活は幸せではないかもしれない。でも今は幸せだ。ならいっそ、今・・・

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滑稽な殺人

17/08/26 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:191

**警察に対して

社員A 安藤さんが殺されたことについて何か知らないか?そうですねえ……知ってるという程ではないんですが、実は、安藤さん、社内恋愛をしていたらしいんです。しかも会社中のマドンナの美浦さんと。いや、聞いた話だから確証はないんですけどね。それと、安藤さんと美浦さん、最近別れたってのも、聞いたことがあります。まあ、関係があるかは知りませんがね。

美浦 はい、・・・

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意思と奴隷

17/08/21 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:157

黒板は先生の奴隷です。
生徒も先生の奴隷です。
教室の中では先生が王さまです。
でも放課後、人がいなくなった教室での王さまは誰でしょう?
お分かりですよね、黒板です。
いつも先生たまに生徒にまでチョークをガツガツ押し当てられたり、生徒には下手くそな落書きをされたり黒板はいつも苛々としていました。
先生が授業をしているときには黒板は体を真っ直ぐにして字・・・

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赤い風船

17/08/18 コメント:2件 セレビシエ 閲覧数:319

子どもの手を離れた赤い風船がどんどんと空へ昇っていき、割れた。抗うことなんて出来なかったろう。

私の大学の先輩−そして同じ会社の上司である赤井は優秀だった。
そして先月会社を辞めた。

赤井は順調にキャリアを詰み、入社時に私と仲良く話していた彼はもういなかった。
けれど別にそれは悲しいことではない。
彼は自分の将来のために必死に努力した。
私が努力・・・

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「偉い」

17/08/15 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:210

あるハチがとびきりいいエサ場を見つけたので蜂の巣へ戻ってきて、一生懸命にぐるぐると八の字のダンスを踊っていると、それを見た偉いハチがいきなりダンスを中断させて言いました。
「やい、おまえのダンスはどうにも下手くそすぎる、これじゃエサ場の場所もわからないよ」
エサ場を見つけたハチは
「ちゃあんとよく見てください、しっかり場所を伝えていますから」
と、言いました。
「ふん・・・

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17/08/12 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:253

カツ、カツカツ、カツと小刻みに、リズム良く、チョークが黒板に当たる音がする。
先生は張り切って大きな声をだしているが、回りを見渡すとあくびをしていたり机に突っ伏していたりだった。
私は一番後ろの席からそれを眺めていた。
カツカツカツ、カツカツ。
カツカツ。カツカツカツカツ。
この心地良い音と先生の大きな声が混ざりあって睡魔が襲ってくる。
私はこの睡魔に打ち勝とう・・・

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ネズミの育児

17/08/11 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:294

在るところにネズミの子どもとそのお母さんがいました。
ネズミのお母さんは子どもをネズミの塾に通わせました。けれども子どもは1+1もまるで理解できないので、お母さんは苛立ちました。
さて、ある日ネズミ塾の先生がその子どもに向かい言いました。
「君はいい加減簡単なことは出来るようになりなさい。やる気はあるのかね」
子どものネズミは困ってしまってチュウチュウと泣き出しました。そ・・・

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ある街の少年

17/08/11 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:254

ある街に小学生になったばかりの背の小さい少年がいました。少年には、毎日家事に追われてマラソン大会をしているお母さんと、毎日会社の偉い人にペコペコペコペコと頭を下げてお金を貰っているお父さんがいました。
つまり普通の家庭です。
お母さんもお父さんも、他に誰もいないくらい普通の名前でした。
家には真っ白い猫もいました。少年が公園で捨てられていた彼女を拾ってきたのです。
こ・・・

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ブラックホール

17/08/10 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:559

「黒板ってずうっと見ていると吸い込まれそう」
君がそう言うから僕はじっとそれを見つめてみたが、さっぱりそんな感じはしなかった。
放課後の誰もいない教室。少し開いた窓の隙間から冷たい風が入ってきている。
君はなんだかうっとりした様子でそれを見ていた。
僕はドキドキしてしまって、何を言うべきかわからなくなってしまった。
「ブラックホール」
君が呟いた。
「黒・・・

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17/08/10 コメント:0件 セレビシエ 閲覧数:207

息子を産んで、三年たったある日、お父さんが死んでしまった。会社から帰る途中、交通事故で。こんなことって、本当に起こるなんて思わない。当時の私は寂しくて泣いた。これから先の将来が恐ろしくて泣いた。ずっとずっと泣いていた。はじめ一週間はまともに食事も出来なかった。
けれども、ちょうど事故から一週間後、息子に食事を与えているときだった。私はいつもみたいに元気の無さそうに息子とご飯を食べていた。<・・・

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