1. トップページ
  2. 要崎紫月さんのページ

要崎紫月さん

『精神攻撃系お耽美ホラー』と銘打ち、短編を書いています

出没地 静岡県浜松市
趣味
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘 一生懸命

投稿済みの記事一覧

0

はらむ

17/11/14 コメント:0件 要崎紫月 閲覧数:69

 携帯電話が鳴る。時計を見ると、もうすぐ二一時。こんな時間に架けてくるのはアイツだろう、と一度無視する。どのみちもう一度鳴らしてくる。
 少しの無音。そして、再度の着信。
「もしもし」
「あ、ルミさん? 今、電話いい?」
 ハルカはそう確認して一気に喋り出した。少なくともこのまま一時間は喋り続ける。仕事の事、遊び仲間の事、付き合っている男の事。尽きない話題に私は適当に相槌・・・

0

形見の財布

17/10/21 コメント:0件 要崎紫月 閲覧数:158

 男ばかりで二時間ほど居酒屋で飲んだ後、後輩が女の子と飲もうと言い出した。可愛い娘が居るんですよ、なんて言ったが興味は湧かなかった。
 僕はここで帰りたかった。外で飲むのはあまり好きではなかったし、そもそも彼とは一年しか一緒に仕事をしていない。それなのに何故、メンバーに入れられたのか不思議で仕方無い。
 彼は入社後、僕が所属する部署に配属されたのだが、数ヶ月すると営業部への話が出て、年・・・

0

来世で逢いましょう

17/10/09 コメント:0件 要崎紫月 閲覧数:107

 暗く長い、出口の無いトンネルにいる様な入院生活から、私は元の生活に戻る事が出来た。年齢も年齢だ、このままベッドの上で生涯を終えると思っていた。神からのギフトを受け取りながらも妻の亡き今、自宅に戻っても一人きりだった。
 退院から二日程して一人の若い女性が私を訪ねてきた。彼女は薄いブルーのワンピースに白いカーディガンを羽織り、つばの広い帽子を被っていた。それは真夏の外気の中で、涼やかな風を纏・・・

1

一緒に見たかった景色

17/07/17 コメント:0件 要崎紫月 閲覧数:212

 三年生に進級する前の春休み、僕は父の勧めでアメリカ旅行に単身で行く事になった。
「リョウタ君はスゴいのね」
 学校帰り、並んで歩くヒナコちゃんが言う。
「一緒に行けたら良いのに。でも駄目ね」
「動画撮って見せてあげるよ」
「ううん、やっぱり自分の目で見たいな」
 そう言うと、子供っぽくにっこりと笑った。
 僕達は付き合っていなかった。けども、お互いの事を・・・

0

マザー・コンプレックス

17/07/02 コメント:0件 要崎紫月 閲覧数:225

日暮れの街、一人の若い女性が喫茶店の前で泣いていた。その先に男性の後ろ姿。
「待って! 私を置いていかないで!」
 彼女は叫ぶ。しかし、男性は振り向く素振りすら見せない。振られてしまったのだな、僕は思った。
「良かったら食事に行きませんか? ご馳走しますよ」
 考えるよりも先に、立ち尽くす彼女に声を掛けた。驚いた表情で僕の顔を見上げると、一歩後ずさった。涙が一筋零れた・・・

1

ライフサウンド

17/06/16 コメント:1件 要崎紫月 閲覧数:286

 僕の仕事場に休憩に入る度、音楽を聴いてばかりの後輩がいる。僕より三つ年下の彼、一番年が近い筈なのに独特な雰囲気の所為でいまいち打ち解けないでいた。音漏れのしにくいイヤホンなのか、何を聴いているのか分からない。素通りしようとしたが、やはり気になって聞いてみた。
「何聴いてるの?」
 話し掛けられた事に気付き、彼は上目遣いで僕を見上げると左耳のイヤホンを外した。なかなかの音量で聴いている・・・

  1. 1
ログイン
アドセンス

ピックアップ作品