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田中あららさん

出没地 上高地
趣味 登山
職業
性別 女性
将来の夢
座右の銘 仏ほっとけ、神かまうな

投稿済みの記事一覧

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電車デート

17/03/22 コメント:0件 田中あらら 閲覧数:70

「危険!使用禁止!」の看板のたてられた壊れた吊り橋を渡ろうとする人はいない。それにとっくに見た目にも渡れないことがわかるほど朽ちていた。かつて吊り橋は、隣の村に行く近道であり、それが唯一の道だった。10kmあまり下流に橋ができ、車社会となってからは使われることが少なくなり、朽ちていくままになった。
 下流の橋の横には鉄橋があり、3両編成の黄色い電車が走っている。全線20kmの小さな路線は、旅・・・

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真矢の決断

17/03/21 コメント:2件 田中あらら 閲覧数:57

聡子の話
 私の理想は、夫が生活や将来の不安がないぐらい十分に稼いでくることが基本である。そのために私はサポートをする。共通の趣味である美術館やコンサートに行った後、洒落たレストランで食事をし、たまには遠くに旅行する。穏やかに言葉を交わし、微笑み合う生活だ。
 今の私といえば、生活を支えるための仕事をしている。夫が起業して社長夫人でいられた時期もあったが、ほんのいっときだった。娘の教育・・・

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市役所の小人

17/02/18 コメント:0件 田中あらら 閲覧数:117

 ケン太の家は市役所の隣にあり、部屋からは市役所の建物と駐車場が見える。風情はないが、夜は車の出入りもなくひっそりしている。
 高校受験が2ヶ月後に迫る冬休みだが、ケン太は勉強に身が入らなかった。パラパラと参考書をめくってはいるが、頭に入ってこないのは、今に始まった事ではない。
 
 外はすでに暗く、出歩く人は少なかった。
「おい」外から抑えたような低い声がした。
 ・・・

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麦穂

17/02/15 コメント:0件 田中あらら 閲覧数:140

 戦争中のことだった。
 幸子の家では疎開をしてきた学生が下宿をしていた。名は泰三。
 泰三は街での空襲が激しくなったことを機に、学校を休学し、造船所での仕事がある当所を疎開先として決め、薄い縁のあった幸子の家に下宿することになった。
 田舎の百姓社会に育った13歳の幸子から見ると、泰三には教養があり、洗練され、知らないことをたくさん教えてくれる兄のような存在だった。泰三に教えて・・・

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白いワンピース

17/02/08 コメント:2件 田中あらら 閲覧数:178

 母は72歳で自動車免許を返上した。前年、脳梗塞で左足が不自由になったからだ。
 田舎で暮らすものにとって、車が運転できないということは、好きな時間に出かけられないということだ。それでも実家は、徒歩10分以内に銀行、病院、スーパーがある田舎の中心部だったので、まだマシだったかもしれない。
 足は不自由なもののまだ元気だった母は、人より時間をかけ歩いた。

 ある時、母はガレ・・・

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