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十文字兄人さん

ブログで掌編小説書いてます。 好きなジャンルはミステリ・ホラー・青春

出没地
趣味
職業
性別 男性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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おかしな家

17/04/26 コメント:0件 十文字兄人 閲覧数:193

 これは、初めて友達の家に遊びに行った時の話である。

 彼女の名前は『あめ』と言い、みんなから『あめちゃん』という愛称で呼ばれていた。だから、私も彼女のことは『アメちゃん』と呼んでいたのだが、今後は軽々しく、その愛称では呼べないだろう。

 あめの家は、住宅街から少し離れた場所にあり、家の周りは高い木々で囲まれ、まるでわざと見つからないように隠して建てたかのようだった。<・・・

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仰向けのカメ

17/04/11 コメント:0件 十文字兄人 閲覧数:199

 釣りをしようと青年が浜辺に向かった時の話です。

 ふと海岸沿いに目をやると、小ぶりな岩が不自然な場所に転がっているのを青年は見つけました。
 その岩に近づくと、どうやらそれは岩ではなく、一匹のカメでした。しかもそのカメは、仰向けになっていたのです。
 もしかしてと、恐る恐る青年が近づくとカメが言葉を発しました。

「余計なお世話だよ」

 岩がし・・・

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無常風

17/03/27 コメント:0件 十文字兄人 閲覧数:152

 僕が小学三年生のころの話。

 僕が通う塾から自宅まで自転車で帰る道の途中に、歩行者しか通り抜けられないほどの小さな踏切があった。警報器や遮断機のないその踏切には、バイクなどが入らないように両側の出入り口にポールが立っている。自転車は降りれば通れる道だったので、僕は毎日のように利用していた。

 その日もいつものように夕暮れ空の下、自転車でその踏切まで来た時にタイミング悪・・・

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煙に巻く彼

17/03/03 コメント:0件 十文字兄人 閲覧数:264

 彼に初めての手料理を振る舞うことになった。

 ダイニングキッチンから彼のことを覗くと、テレビの画面に夢中になっている。
 私がちょうど鍋に火をかけた時、ふと彼のほうから声をかけてきた。

「ねえ、おか……いや、なんでもない」

「ん? なんか言った?」

 正直なところ耳の良い私は、今の彼のちょっとした失言を聞き逃さなかった。あれは確実に私・・・

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夢に夢見る

17/03/03 コメント:0件 十文字兄人 閲覧数:248

 今日の真崎は、少し陽気に見えた。

「なあ、知ってるか」

「いや、知らん」

「ちょっと待てって、まだ何も話してないだろ」

「お前が『知ってるか』って言って始める話は、大抵きな臭い話だからな」

 苦笑いを浮かべる真崎を尻目に、俺は書きかけの課題レポートに取りかかる。

「まあ、いいから聞いてくれ」

 慣れ・・・

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くらむ

17/02/03 コメント:2件 十文字兄人 閲覧数:374

「……ねえ、三組の山田君が、水島さんと一緒に帰ってたってるところ、見ちゃったんだけど」

「ああ、なんか最近、付き合い始めたみたいだね」

「え、あんた知ってたの?」

「まあ、風の噂で聞いただけだけど……」

「そう……。しかもその二人、自転車で二人乗りしてたんだよ。山田君がこいでる自転車の荷台に水島さんが乗って」

「掴まってた?」<・・・

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お涙頂戴お化け

17/01/14 コメント:0件 十文字兄人 閲覧数:256

 制服を着た警察官は、暗い路地裏で困り果てていた。
 数分前、駐在していた交番に一本の通報が入った。少女が一人で座り込んでいると。

 現場に向かうと、一人の中学生ぐらいの少女が、顔を自分の膝に埋めた状態で屈んでいた。時折、雨の中の捨て猫のように身体をビクつかせていたので、これはただ事ではないと判断し、優しく声をかけたのだった。

「君、大丈夫?」

「…・・・

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