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恵本とわもさん

小説を読むこと、かくことが大好きです^^

出没地
趣味
職業 学生
性別 女性
将来の夢
座右の銘

投稿済みの記事一覧

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一目惚れをマカロウハイツで

17/01/21 コメント:0件 恵本とわも 閲覧数:319


扉が開いて、その隙間から顔を覗かせた彼女と目が合った。瞬間、世界が制止したような気がした。
向かいの家で騒いでいた見知らぬ子どもたちの声も、近くの道路から響いていた車の音も、耳に入ってこなくなった。
僕は彼女に釘付けになった。
つぶらな瞳に、淡いブルーのまぶたが綺麗だった。アイシャドー、というものをつけているのだろうか。整った顔によく似合っている。程よく色づいた唇と、肩に・・・

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一週間のすれ違い

16/08/12 コメント:0件 恵本とわも 閲覧数:385


肝試しに行ったのは、もう半年以上前だったはずだ。そのとき、幽霊を見るとちゃんと怖がったし、もちろん幽霊と友達になったりもしなかった。それなのに今、僕の部屋に幽霊が訪ねてきた。幽霊だと思ったのは、その青年の足が半分しかないからだった。足がないというのに、部屋の中をすいすいと泳ぐようにスムーズに移動する。幽霊でなければ何だというのだ。

僕は友人に、幽霊が訪ねてきたことを話し・・・

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ユートピア

16/05/30 コメント:0件 恵本とわも 閲覧数:672

そのパンフレットは、数年前に祖父がくれたものだった。
綺麗だろう、と目を細めて、僕の手に乗せてくれたのだ。それだけだが、いい思い出だった。
パンフレットの表紙の写真は、しっかりと目に焼きついている。何度見ても不思議な情景だ。
最初は、ただ町並みを上空から撮影しただけの写真だと思っていた。だが、少し角度を変えて見るだけで、建物の色が変わったり、湖が透き通って見えたりする。
実・・・

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姉のおとぎ話での甘夏活用術

16/05/08 コメント:0件 恵本とわも 閲覧数:668

その果物は、川の上を滑るように、やってきた。
「まさかの、桃⁉」
麻由は狼狽えて、洗濯物の入ったカゴを川に落としてしまった。中身が次々と流れていくが、気にしている余裕はない。とにかく今は、流れてくる果物に集中したかったのだ。

「ちょっと待ってよ」
声を上げたのは、副部長だった。
「何でしょう」部長が答える。「まだ切りのいいところまで読んでいません」・・・

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まだ知らない特別な色

16/04/30 コメント:0件 恵本とわも 閲覧数:602

翔太は知っていた。
母が毎朝、眠気と格闘しているということを。
もちろん、母は格闘しているところを自分に知られたくないだろう、と思い、気づかないふりをしてきた。
だが、三年間こっそりと見物してきた母の格闘も、ようやく今日で終わる。

翔太は、いつものようにキッチン近くのドアの陰に隠れ、そこから様子をうかがっていた。
こんなに近くで毎朝見てきたというのに、母は一度・・・

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四季の配達員

16/04/12 コメント:0件 恵本とわも 閲覧数:461

風が、音もなく春を運んできた。
「桜が届いたわ」
起き抜けに窓辺に近づいて、ハナミは満足げに微笑んだ。窓辺には桜の枝が置かれていた。
「枝を折ったのかしら? 悪い子ね」
そう言いながらも、ハナミは桜に向かって手を伸ばした。甘い香りがする。

窓から差し込む日差しが強くなったと思うと、もう夏が来たようだった。窓辺には、みずみずしい若葉がついた枝が届いていた・・・

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半年前の約束

16/03/26 コメント:0件 恵本とわも 閲覧数:587

左に曲がって少し進むと、もう行き止まりだった。
道夫は首を傾げた。どうなっているのだろう。
太郎の話によれば、
「ダンボール箱をいくつか繋げて迷路を作った」
と、いうことだったはずだ。だが、こんなに早く行き止まりになってしまうと、迷路とはいえない。
道夫は背後を振り返った。
「どうなってる?」
自分の後ろを歩いていた太郎に訊ねる。
「迷路・・・

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