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第155回 時空モノガタリ文学賞 【 ゴミ 】

今回のテーマは【ゴミ】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2018/06/04

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は3作品とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 募集中
コンテストカテゴリ
投稿期日 2018/04/02〜2018/04/30
投稿数 42 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数 3
総評

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投稿済みの記事一覧

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ゴミの日のおばあちゃん

18/04/19 コメント:0件 こぐまじゅんこ

 たかくんは、小学一年生。
 ランドセルをせおって、毎朝学校に行きます。
 通学路の途中に、ゴミステーションがあります。月曜日と木曜日の朝は、ゴミをすてにくるおじさんやおばさんとすれちがいます。
 たかくんは、ゴミの日が好きなんです。
 ゴミぶくろを重たそうにもって歩いてくるおばあちゃんが、いつもたかくんをみると、にこっとわらって、
「行っておかえり。」
と言っ・・・

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ゴミ屋敷の幽霊女

18/04/17 コメント:0件 向本果乃子

 長い坂の下にその家はある。
 古い木造家屋で、幽霊が住むゴミ屋敷と呼ばれている。
「どうせ高校行く金ないんだろ」
「教科書なんていらねーよな」
 奴等は僕の通学鞄を幽霊が住むゴミ屋敷の庭に放り込み、笑いながら軽やかに学校に向かって坂を駆け上がって行った。
 僕は去り際に蹴られた尻をさすりながら、低い垣根越しに中を覗く。
 庭には雑多なものが置かれている。蓋の取・・・

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街のヒーロー

18/04/16 コメント:0件 秋 ひのこ

 ぼくの父は、大きなトラックでゴミを集めるのが仕事です。
 社長ですがそっせんして現場で働き、街をきれいにするヒーローなのです。

 小学5年の春。あの作文をクラス皆の前で誇らしげに読み上げたアイツは、その日からいじめの対象となった。
 
 *

 店を出ると、薄いカーディガン越しの肩に冷えてけぶった空気が触れた。
 午前5時半。闇を浄化するように空・・・

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ユメひろい

18/04/15 コメント:0件 浅月庵

 今日も俺は都会の雑踏に溶け込みながら、かなりイラついている。その理由の一つとして、数日前から俺のことを尾行しているストーカーがいるからだ。

 ーーそして、この日とうとう俺は我慢の限界を迎えたのだ。
「お前一体、なんなんだよ!」
 ストーカーは小学生くらいの子どもだった。そんなガキに感情剥き出しとは、なんとも大人げない話だ。
「お兄ちゃん、自分の心臓の辺りを見てみて・・・

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ゴミ自動回収社会

18/04/15 コメント:0件 比些志


ゴミ自動回収システムが設置された。道ばたや公園に落ちたゴミが自動的にゴミ箱やゴミ処理場に回収されるようになった。吸い殻もジュースの缶、御菓子の空箱、スーパーのレジ袋や産業廃棄物などの不法投棄にいたるまでひとりでに気がついたら消えてしまうのだ。おかげで道路や川や公園もまたたくまにきれいになった。ボクの住む街はどんどんきれいになってゆく。

社会の貧困が進み、数十年前から都会のゴミ・・・

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ゴミ拾う老人

18/04/15 コメント:0件 吉岡 幸一

 毎日、老人はゴミ拾いをしていた。はじめは自分の家の周りだけだったのが、そのうち隣の家の前、そのまた隣の家の前、近所の一区画と広がり、時間も午前中だけから朝から夕方までと伸びていった。
 高齢なので粗大ごみのような重い物は拾うことができなかったが、煙草の吸殻や空き缶、風に飛ばされたチラシやガムなど、持ち運べるゴミはすべて拾っていた。
「お爺さん、町をきれいにするのは良いことですけど、お・・・

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過去の言動はゴミとして捨てることはできないのだ

18/04/14 コメント:0件 文月めぐ

 人生の中で後悔していること、誰にでも一つはあるだろう。私も、もちろんある。しかし、一番大きな後悔と言えば、やはり小学一年生のあの出来事だ。
 小学校に入り、すぐに仲良くなった友達の京子ちゃん、真央ちゃん、彩ちゃんとはいつも一緒にいた。
 私たちはおとなしい子どもたちの集団だった。真央ちゃんは絵が得意。彩ちゃんはピアノ、京子ちゃんは読書が好きだった。私は書道を習っていて、自慢できること・・・

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私の宝物

18/04/14 コメント:0件 うめ

私は普通の人間ではなかった。普通の人間がゴミだと思うものを私はゴミとは思えなかった。街行く人が捨てて行くそれらを私は美しい、と思ってしまう人間だった。逆に普通の人間が綺麗だ、と思うものを綺麗だとは思えなかった。何もかもが普通の人間とは違っていたのだ。何故か、はわからない。気がついた時にはそうなっていた。そんな私が普通の人間たちと一緒に暮らすなんてことはもちろんできなかった。私はずっと一人で生きてい・・・

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ある日のゴミ捨て

18/04/13 コメント:0件 横井雀

「ツギの角をヒダリです」
 携帯端末型のナビから流れてくる電子音声に従って十字路を左に曲がる。時間が遅いせいか、それとも繁華街や住宅地から少し離れた場所というせいか。どちらにせよ他の通行人は見かけない。ただシャッターが閉まった商店と、等間隔に続く街灯、それに集まる羽虫の群れが見られるだけだ。
 もし通行人がいれば、二十代も後半に差し掛かった女性がこんな寂しい場所を歩いて何をしているのか・・・

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捨てられるほど、軽い

18/04/12 コメント:1件 冬垣ひなた

「あんた態度悪いね、ちょっとぐらい笑えよ」
 なかなか注文を聞きに来なかったウェイトレスの私に、サラリーマンの男が針のような言葉を投げつける。
 昼のランチタイムに入り、家族連れの殺到したファミレスは、大勢の客でごった返していた。スタッフがてんてこ舞いの最中に訪れたために、苛立つ男の心中を推し量る時間もなく、私は表情筋を動かして対応する。
「申し訳ございません」
 今までに・・・

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ゴミ屑人間、ゴミ箱へ

18/04/11 コメント:0件 伊川 佑介

 春の日差しの下、病院の庭を車いすの母を押して歩いていた。桜はすっかり散り切って、掃除夫が集めた花びらをゴミ袋に詰めている。
「あなたには本当に謝らなきゃいけないと思ってるの」
何度聞いたか分からない話を母が呟く。俺が子どもの頃の話だ。特に何の返事もせずに、寂しくなった桜の樹を見上げた。

「友達も連れてっていいですか」
運転中にスマホが鳴った。ギリギリになって勝手な・・・

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夢芸人の芝居

18/04/11 コメント:2件 Fujiki

 村の老人たちは毎朝、日の出前に浜に出る。夜の間に打ち上げられた夢を拾うためである。かつては誰かの胸を焦がしたに違いない、苦渋の果てに捨てられた夢の数々。何日にもわたって波に洗われているため、元の持ち主が残した未練はもう消えている。老人たちは軍手をはめた手で夢をひょいひょいと拾い上げて魚籠に入れていく。
 この浜に夢が漂着するようになった原因は先の戦争である。艦砲射撃の烈火を浴びて海岸の地形・・・

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ゴミにまつわるストーリー

18/04/11 コメント:0件 小峰綾子

「柏木さーん、来たよ。朝から悪いね」
朝7時、ルイさんがゲートの前に立っている柏木さんに声をかけ、軽トラを横付けする。
「今月は発掘作業が活発だね。あ、エミちゃん、おはよう」
「おはようございまーす」
私は「リサイクルマートZ」のアルバイト、ルイさんは店長だ。柏木さんは、廃棄物回収会社を運営している社長さん。私たちは定期的にこの廃棄物一時集積所に来て、店で売れそうなものを「・・・

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屍体なんかいませんよ

18/04/10 コメント:0件 雲鳴遊乃実

 南部戦闘区域に広がる霧の中の植物園には掘り出し物があると噂されていた。実際に足を運んでみると、果たせるかな、木々の合間にいくつものロボット兵士が寝転んでいた。
「このあたりは市街地からも離れているからな。手つかずだぜ」
 ゴミ収集車を降りるとパートナーは舌舐めずりをした。肉を前にした犬と同じだ。大袈裟だが気持ちはわかる。政府からの支援もあり、ゴミと化したロボット兵士の回収は結構な収益・・・

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おにぎり金魚宇宙を泳ぐ

18/04/10 コメント:0件 紅茶愛好家

尊(たける)は真剣におにぎりを選んでいた。
パッケージを見て味の書いてあるシールの色と大きさをチェックする。そして気に入った橙の鮭と赤の梅干を各三個ずつ購入する。会計を済ませコンビニを出るとまっすぐ公園へと向かった。
昼下がりの公園では就学前の子供たちが賑やかに遊んでいた。ジャングルジムに登ったりブランコを取り合いしたり砂場でお山を作ったりしている。尊はベンチに腰掛け、袋を開けた。昼食・・・

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18/04/10 コメント:0件 花咲寧

 私は、この世に生まれてこないほうがよかった。
 物心ついたころには両親から既に虐待を受けていて、親戚には罵声を浴びせられていた。小学校に上がれば苛められ、先生は見て見ぬ振り。理不尽だけど、生まれた時から続いている日常。
 何で学校に来てるの? 何で生きてるの?
 そんなの行く場所がないから。まだ生きていたい。生きていれば、いつかきっといいことがあるって信じてるから。

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投書、ある障害児を持つ母親の手記

18/04/08 コメント:0件 キップル

「障害者はゴミ。生きてる価値がない。」

 こんなネット上の書き込みを見て胸が痛くなった。私には重度の自閉と行動障害を持つ小学六年生の息子がいる。名前は碧依。我が息子ながらとんでもないトラブルメーカーだ。

 碧依はとにかくジッとしていることが苦手だ。起きてる間はほんの一秒だって止まったら死んでしまうかのように動き続けている。何でも気になる物があると、一目散に駆けて行って手・・・

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いろり

18/04/08 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

 現金輸送車から奪いとった一億円をもって五人が、車を乗りすてて山にはいり、かねてからめぼしをつけていた廃屋にたどりついたときには、すでに雪がふりだしていた。練りに練った計画が見事功を奏して現金を手にした達成感に、かれらはどっぷりと満足感に浸っていた。
 うかれすぎるかれらにリーダーの渋谷が、抑揚のきいたバリトンでいった。
「今晩は、ここですごすんだ。そのぶんの食糧は用意してある」

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綺麗な国

18/04/07 コメント:0件 井川林檎

 「綺麗な国」という国に旅立って以来、婚約中の彼は、行方知れずになった。

 彼は今も生きているかもしれない。最悪、命を落としているのかもしれないが、それならば遺体を見なくては気が済まない。

 彼の両親は泣きながら、もう息子は諦めてくれと言った。
 うちの親も泣きながら、頼むから他の相手を探してくれと言った。
 ついにわたしは、一人で件の国に行ってみることにし・・・

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007

18/04/07 コメント:0件 ポテトチップス

 人の良さそうな人に見えた。頭は禿げ上がってはいるが口角が常に上がっているので、恵比寿天のような印象を感じさせた。
 矢鍋光二は応接ソファーの下座に座り、上座に座る田崎洋一から面接を受けていた。株式会社美々産業は、大田区蒲田に所在する産業ゴミを収集運搬する会社で、矢鍋は知人の紹介でこうして面接を受けていた。
「ふーん、47歳か。トラックの運転の経験はあるのね」田崎は、履歴書に目を落とし・・・

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ゴミ問題

18/04/07 コメント:0件 蹴沢缶九郎

家庭や会社から出たゴミは基地に集められ、そこから数百を数える無人ロケットに積まれ、太陽へと打ち込まれる。
人類はゴミの処理を地球から太陽に移した。

「全く住みやすい世の中になった。空気や水が綺麗になった」

「じゃんじゃん物を作れ。ゴミは太陽に捨てればいいんだ」

人類は長く頭を痛めた問題から解放された。ゴミの分別は不用となり、地球の環境問題は改善。良い・・・

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ゴミ拾いとチューリップ祭り

18/04/07 コメント:0件 吉岡 幸一

 今年も河川敷では恒例のチューリップ祭りが開かれていた。
 十年前から市が主催している祭りで、河川敷には十万本もの色とりどりのチューリップがいまを盛りと花を咲かせていた。
 焼きそばにたこ焼き、焼き鳥などの屋台もあれば、一列に並べられた白いテントのなかでは、福祉施設の関係者が作ったパンや手作り弁当が売られ、観光協会のパンフレットや商工会のチラシなども並べられている。
 休みの日に・・・

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ゴミ捨て場の女

18/04/06 コメント:0件 佐々木嘘

「ねぇ。お姉さんは捨てられた人間なの?捨てられたお人形なの?」 「……ど、どっちだと思う…?」 全くもってひどい雨の日だった。その日、「気持ち悪っ、別れよ」と強制的に縁を切られ、ご丁寧に45L透明ゴミ袋と一緒にアパートのゴミ捨て場に押し込めて鍵まで閉められ、二重の意味で男に捨てられてしまったのだ。 回収後に出された燃えるごみと曜日を無視して置かれてるプラごみ資源ごみに囲まれてまるで動物園の狂った・・・

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ゴミの自覚

18/04/06 コメント:0件 黒みりん

 コツン コツン ・ ・ ・
 私は前へ、前へと、石を蹴り飛ばす。子供の時からの癖で、なぜか私は石を見ると蹴らずにはいられなかった。小さい石や大きい石、形の良い石、形の悪い石。いろいろな石があるけれど、私にとってはどれも同じ石で、特にこだわりは無かった。
 昔からこれが好きだったせいか、私が蹴った石はまっすぐに飛んでいく。いつも狙って蹴っているというわけでもないのだけれど。
 私・・・

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熟れた実の味

18/04/06 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな)

お嬢さん、よく来たねえ。 あたしが浩の祖母のタキだよ。 今は、浩の唯一の肉親さ。 なーんにもないが、今日はゆっくりしていくといい。 え? 「浩と一緒になる話がしたい」って? お嬢さん、あんた、案外、気が短いねえ。 まあ、その話はおいおいするとして、とりあえずはお茶でもお飲み。 少しおちつくといいさ。 浩、お嬢さんに村を案内しておあげ。 あたしはここで待っているからね。 おや、もう帰って来たの・・・

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「ゴミ」から「キミ」に

18/04/06 コメント:0件 れいぃ

 捨てに行きたい。
 でも、捨てられない。
 アリシュエルはゴミ袋を前に途方に暮れている。
 中味は、彼女の出した魔法廃棄物だ。魔物の脱皮によりできた皮、ロウソク、枯れた薬草、魔術に使う縄や貝殻や石、供え物の腐ったの。
「どうしたものかなぁ」
 いつもなら、魔法廃棄物処理場に出しに行くのだが、困ったことにゴミ袋の中味はごそごそうごめいているのだ。
 魔法に失敗し・・・

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ごみ取り踊る

18/04/06 コメント:0件 葉月三十


 最近つかみ食べを覚えた妹は、バリバリと幼児用せんべいを床に撒き散らす。
「あらあら、亜季は……舞、お掃除頼める?」
「任せて、お母さん」
 私は妹よりもだいぶお姉ちゃんだから、こうやってお掃除を頼まれることも少なくない。
 散らばった食べかすを掃いて集めて吸いとって。
 あれあれ? もう、お母さんったら。あっちの床にほこりがたまっているじゃない。仕方ないなあ・・・

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姥捨て山

18/04/05 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな)

私は「ゴミ」だから、仕方がなかったのさ。 「お母さん、この道を進んで。川を渡って、いいね。」 私は79歳だった。 「仕方ない、私はもう働けない、ゴミみたいなもんさ。」 息子は、「ごめん。」としか言わない。」 村の誰かに言われたんだろ。 あんなゴミ、生かせておくなって。」 「山神山の山道に辿りつくのは困難だが、先には、夢のような土地が広がっている。」 優しい息子は私を可能性のある山神山の入口まで連・・・

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卒業式

18/04/05 コメント:0件 斎藤緋七(さいとうひな)

パパ。 そんなに私とママの事が嫌いですか? 「PTA」って不倫相手を見つける新しい出会いの場なの? パパ、瞬くんの事、 もう私より可愛いのね。 私は瞬くんに負けたの、 そして、ママは瞬君のママに負けたの。 私の渚っていう名前、 パパがつけてくれたんだよね。 相原って言う名字、 私とママはね、まだ使ってるの。 ママはね、 結婚前の名前だった「小林」に戻りたいって、今もしょっちゅう言っているんだよ。 ・・・

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ごみ溜めのお姫様

18/04/04 コメント:0件 

あなたはごみ溜めから生まれたの、と朱理さんは言った。
だからあなたは私の子どもなんかじゃない。寄らないで、汚らわしい。ごみはごみらしくしてなさい。それが朱理さんの口癖だった。
「あかりさん」
お母さん、と呼ぶとぶたれるので、朱理さんと呼んでいる。何度も呼ぶとぶたれるので、本当に必要な時だけ話しかけるようにしている。
「…なに」
携帯に視線を落としたままぞんざいに返事を・・・

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四次元ゴミ箱

18/04/04 コメント:0件 若早称平

 多分きっかけは先日の落雷だ。実際雷くらいのエネルギーでこんなことが起こるわけがないのはごりごりの私立文系の俺でもわかることだが、他に思い当たるふしがないのだから仕方ない。レンタルしてきたDVDを観ながら飲み干したビールの缶をゴミ箱に放り投げると、缶は音もなく吸い込まれた。


 大学進学で上京し、一人暮らしを始めた時に買ったなんの変哲もない我が家のゴミ箱はある日突然ブラックホー・・・

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金の一点

18/04/04 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

 次の一手を打ちおえた丸角五段は、おもわずにやりと笑った。
 若き天才棋士、将棋界のスーパーコンピーターとよばれる彼にとって、それはあるまじきことといえた。
 これまで何人もの先輩棋士たちが彼の、どのような状況にあっても能面のように無表情なポーカーフェイスのまえに、はたしてこちらの手の優劣がよめないまま、あえなく敗北の憂き目にあってきた。
 その彼が、ほくそえむとは。
 将・・・

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ゴミ国

18/04/03 コメント:0件 いっき

 誕生したばかりのその国は、自国の成立のため、ゴミを周辺の国から譲り受けることを始めた。ゴミを受け取ってそれをビジネスとする……所謂、『ゴミビジネス』を始めたのだ。  そのため、周辺諸国からは『ゴミ国』との異名で呼ばれることとなった。  ゴミ国は、飲食業の盛んな国から大量の残飯を譲り受けて、国民の食料とした。  そして畜産業の盛んな国からは、大量の畜糞を譲り受けて堆積して肥料とし、それを農業の盛・・・

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捨てる紙あれば拾う神あり

18/04/03 コメント:0件 紅茶愛好家

オレは嬉々としていた。
月に一度の不燃物の日がやってきた。部屋の中を見回すとごみになるはずだった本棚、ごみになるはずだったアンティーク調の椅子、ごみになるはずだった大きなごみ箱、生活はごみになるはずだった物で満たされている。左程汚れていないし十分使える物ばかりだ。ごみ貰いを始めたのは二年程前、きっかけは実家の母だった。
「捨てようとしてたの貰ってきちゃった」
使い古されたスライド・・・

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崇高な声

18/04/02 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

 なんてすばらしい世界なんだ。  そのすばらしさは、感嘆符をいくつならべてもまだまだ足りないぐらいだった。  長期にわたる宇宙空間の飛行に、ほとほとうんざりしていた惑星調査隊の面々は、宇宙船からおりたち眼前にひろがるそれはうつくしい地上の光景をまのあたりにして、感動のあまり言葉をなくした。  ゆたかな緑の丘、青々と水をたたえる湖、ふきつけるさわやかな風、人間が生きてゆくうえに必要な大気にみちた温暖・・・

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つま先から段々ゴミになっていく少女

18/04/02 コメント:2件 クナリ

 高校一年の秋、ある月曜日の放課後。
 一人暮らしをしている僕の部屋に、吹奏楽部の一年先輩である桂木アキ先輩がやってきた。
 僕らは特別仲良くなかったので、「なぜうちへ来たのですか」と聞いた。
「私、つま先から段々ゴミになっていっているの。今は膝くらいまで」
「はあ」
「今週中には頭頂部までゴミになると思われる」
 この人は、そんなに変わった人ではなかったはずな・・・

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なごり雪

18/04/02 コメント:0件 風宮 雅俊

 春が来た。待ち遠しかった春が来た。ついに春が来た。
 春の日差しを受け、真っ直ぐに切り立つ雪の壁が滝の様に融けている。始めて勝利したこの喜び。長かった戦いの日々がここに終焉する。
「頑張った。俺」
「耐え抜いた。俺」
「これで、冬鬱とはおさらばだ」
 頬を伝う涙が陽の光に輝いていた。
 毎年の雪かき。戦いでしかなかった。雪かきをしても、気が付くとうず高く積もっ・・・

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ゴミ置き場

18/04/02 コメント:0件 風宮 雅俊

 今日も休み、世間は朝から騒がしい。子供たちは賑やかに学校に通っていく。大人たちは眠そうな顔で駅に向かっている。どちらの姿も自分にとっては昔の話だ。今は悠悠自適の年金暮らし・・・・のはずだった。厚生年金とは別の企業年金がある大手に入社したのに、企業戦士危うきに近づかずで無事に定年まで辿り着いたのに。
 定年日、妻は置手紙一つで通帳と印鑑を持って友達とクルージングに出掛けてしまった。半年は戻っ・・・

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匂いの正体

18/04/02 コメント:0件 戸松有葉

 僕とその友人は同じ大学に通っているのだけれど、両者とも、大別すれば田舎から都会に引っ越してきた身だった。大別すれば、なので、さしてド田舎でも大都会でもない。むろん利便性や施設に差は歴然とある、通っている大学がまさにそれだ。
 さて、こうした点で境遇がほぼ同一である友人が、こんな疑問を口にしだした。
「こっちってゴミの匂いするよな」
「それだけだと伝わらない。何時の、どこの話?」・・・

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人類の不要品たち

18/04/02 コメント:0件 戸松有葉

 少年が佇む一帯には、ゴミが広がっていた。比喩ではない。ゴミのようなのではなく、本物の「ゴミ」だ。
 ここにはゴミしか存在しない。世界人類は不要品の処分を、この一帯に投棄する結論に至らせた。
 ゴミ問題は、核廃棄物が国民の理解を得られている国でさえ、解決はしていない。一時的に解消しているに過ぎない。理解を得られていない民主主義国家であれば、一時的にも不可能だ。むろんゴミ問題は核廃棄物に・・・

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ロボットのゴミ判定

18/04/02 コメント:0件 戸松有葉

 若くして偉大な発明をする美人博士がいた。彼女に惹かれ、助手になりたいという男性も多く、現在の助手もその一人だ。
 彼が他の希望者と違ったのは、自身の発明によって憧れの博士を超えたいと訴えていたところだった。博士が彼を選んだのも、その意気込みを買ってのことである。
 意気込みは嘘ではないものの、助手の内心は他の希望者とさして変わりない。そんなものだ。
 今日も今日とて、助手は博士・・・

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空き缶投げはスポーツです

18/04/02 コメント:0件 蒼樹里緒

『五味市空き缶投げ選手権大会』、ついに本日、決勝戦が開幕です! 五味中央区立五味第三中学校校庭から、生中継でお伝えしております。
 試合開始前に、ルールをご説明いたしましょう。
 アルミ缶用・スチール缶用の大型回収ボックスに、出場選手が指定の位置から空き缶を投げ込んでいきます。制限時間三分以内に、最も多くの空き缶を投げ込んだ選手が優勝です。
 小中学生部門・高校大学生部門・社会人・・・

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