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  2. 第149回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

第149回 時空モノガタリ文学賞 【 弁当 】

今回のテーマは【弁当】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2018/01/15

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は3作品とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 募集中
コンテストカテゴリ
投稿期日 2017/11/20〜2017/12/18
投稿数 62 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数 3
総評

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投稿済みの記事一覧

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孤独な花見

17/12/18 コメント:0件 OSM

 二人で近所の公園へ花見に行く計画が、前日になって薫子に用事が入ったために中止を余儀なくされ、清作は落胆を禁じ得なかった。
 あまりの落胆ぶりに心を痛めたらしい薫子は、「清くんの分のお弁当を作るから、一人で花見に行ってくれば」と提案した。二人で行くからこそ花見は楽しいのであって、一人で行っても無意味だと清作は思ったが、裏腹に提案を受け入れたのは、彼が薫子の作る料理の狂信的な信者だからに他なら・・・

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未来を孕む弁当箱

17/12/18 コメント:0件 君形チトモ

 小学校には給食があるけど、子供用の量だから、教師である私たちにとっては足りない。いつもお腹が空いてしまう。残業したら夕食にもできるから、私は毎朝、少し大きめの弁当箱でお弁当を作る。
 といた卵をフライパンに落とせば、ジュウ、と音を立てる。ブロッコリーを必要な分だけ切って洗い、いらない部分を切り落として茹でる。焼けた卵を巻いて皿にのせた。ご飯をあたためていたレンジが、チン、と音を立てる。取り・・・

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面影ポロポロ

17/12/17 コメント:0件 つつい つつ

 私は鏡を見るのが好きだ。朝起きて顔を洗う前の自分の顔も、外を歩いていてふとガラスに映る自分の顔も、寝る前に歯磨きする時に見る自分の顔も好きだった。だからって自分がカワイイなんて自惚れてるわけじゃない。だいたい私の顔なんてクラスでも真ん中か、真ん中よりちょっと上くらいってのが自己評価だ。だけど、自分の顔を見ると落ち着くから、ついつい見てしまっていた。
 中学に入っても基本は給食だったけど、な・・・

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拝啓、俺です。

17/12/17 コメント:0件 水谷暁

 建築現場は十二時のサイレンで昼休みに入ります。コンクリートを打ってるときは途中で止めちゃいけないらしいですが、俺が配属されたときには棟上げまで終わっていて、しばらくコンクリート工事はありません。
 先生、棟上げ、知ってますか? 家の骨組みができた段階です。お祝いするそうです。今は壁やら窓やらを組み立てる工事の手伝いをやっていて、家が完成したときのお祝いには参加できると思うので、楽しみにして・・・

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インジケ・ブランクガール

17/12/17 コメント:0件 浅月庵

 毎日マミーに作ってもらうお弁当のおかずは、空間ごとにしっかり仕切られている。
 ただ、そのなかの一つだけいつもスペースが空白だ。

 そこには山田カイリという男の個人情報が底面に印刷されていて、私は放課後こいつを殺さなくてはいけない。これは指令であり、日課だ。

 だけどある日マミーが「明日からあなたは普通のJKとして生きなさい。お弁当も作らないから」と告げたとき心・・・

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おとこめし

17/12/17 コメント:0件 藤光

 正午になるほんの少し前、フライング気味に手早く机の上を片付けて鞄から弁当箱を取り出したところで昼休みを告げるチャイムが鳴った。
「今日も弁当男子ですか」
 くすくす笑いながらも、隣の三橋さんはぼくの弁当の中身を窺う。一般的に女性はそうするものだ。
「まあね。今朝は手早くできた」
「腕。上げてますね」
 ほら――と言って上下二段に分かれた弁当を見せてあげると「わあ」と・・・

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弁当を増やせ!

17/12/17 コメント:0件 本宮晃樹

「われわれはいま、由々しき問題に直面している!」
 船長が予告もなく怒鳴ったので、救命ボートは大揺れに揺れた。
「あたしゃ世の理を悟ったような気がするね」航海士が嘆く。「タンカーを乗っ取ればそりゃ、売り切れないほどの原油は手に入りまさ。それにしたって乗船してる人間をこんなカヌー以下の泥船に乗せて!」苛立たしげに救命ボートを叩く。「海に放り出すってのは、いったいどういう了見なんだろうね」・・・

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たいていの人間がゴミと呼ぶもの

17/12/17 コメント:0件 Sage.N

 これは、なんというか、物語、じゃない。単なる実話だ。
 その話をする前に、まず、質問がある。
「世の中で一番美味い食べ物って、なんだと思う?」
 いや、答えなくていい。そもそも、この質問には致命的な欠陥がある。
 美味いというのは感覚だ。感覚なんてのは、人によって異なる。人によるどころか、時期にもよる。とくに味覚の不安定さといったらない。子供の頃と大人になってからじゃ、美・・・

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冷たい愛

17/12/17 コメント:0件 八王子

 学校生活において、昼が一番の楽しみじゃなくなったのは、いつからだっただろうか。

 公立の中学校教師になって十数年。
 今年は一年生の担任になったのだが、教師生活で一度も遭遇したことのなかった生徒がいる。
 牧野という男子生徒。
 成績にも普段の素行にも問題がなく、取り立てて目立つような生徒ではないのだが、誰もが笑顔で好きな者同士で食べている昼時は別だ。
「お・・・

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べんとう はなえ

17/12/16 コメント:0件 秋 ひのこ

 山あいの小さな町、川に面した一本道に、間口一間(いっけん)にも満たない小さな店がある。
 『べんとう はなえ』。ヒロシの婆ちゃんが40年続けてきた弁当屋である。師走に入ったその月、木枠のガラス窓に手書きの貼紙が出た。

『閉店のお知らせ
長らく町内の皆さまに愛されて参りましたが、年内で店をたたむことに相成りました。
おせちの予約は十二月二十日まで。通常の弁当販売は三・・・

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重ねる

17/12/16 コメント:0件 二條 有紀

 目覚まし代わりのアラームが鳴る前にカーテンを開けることが出来た朝は、私の勝ち。そんな勝負もこの季節になると負けが多くなる。スヌーズ機能を使わずに一度目で起きたら引き分け。今日は引き分けの日だった。まだ薄暗さの残る明かりが目に優しい。冬の早朝は、妙に落ち着いている気がする。私は外がどれほど寒いのかを確かめたくて、カーテンの向こうの窓を開けた。途端に頭が痛くなるような冷たい空気が押し寄せ、部屋の中へ・・・

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ル・パニエ-レパ・ファタール 〜運命の弁当〜

17/12/16 コメント:1件 志水孝敏

「どうして、お料理教室の先生になったんですか?」
 みなが見惚れていたのは彼の指だった。
 あの繊細な長い指が、自分の手に重ねられる様を夢見ない生徒はいなかった。
 そして、顔だちも美しかった。ほっそりとして少年の甘さを残した横顔は、まるで冬の朝の白樺のように清らかで、どこか悲しかった。
 どうしてこんな冴えない自分に、心を許してくれたのだろう。
 いつしか月に一度、・・・

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奇妙な弁当箱

17/12/15 コメント:0件 j d sh n g y

「取引は極秘だ。くれぐれも用心しろよ」
小太りの男は低い声でそう言った。
「こちらも危ない橋渡ってるんだ。ミスはしないさ」
痩せた体格の男は外を確認しながら答えた。
机には一箱の弁当が置かれている。
「それじゃあな」
痩せた体格の男は事務所の外へ出て行った。
――――――――――
倉前保は弁当販売会社の従業員だ。
あちこちのオフィスや工場へと弁・・・

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タブー

17/12/15 コメント:0件 山盛りポテト

職場に新入りが入ってきた。
名前は長くて忘れたが、インドから留学にきてる学生らしい。
なかなか抜け目のない奴で、隙を見つけては作業を中断して空を眺め、物思いに耽っている。
その作業というのはいたってシンプルだ。トラックの荷台から魚の入った箱を降ろして台車に乗せ加工場まで運ぶ、たったそれだけだ。
しかし肉体労働なので腹が減る。社員食堂というのもあるのだが大して美味くもないし割・・・

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ベントーベンと呼ばれて

17/12/14 コメント:0件 笹岡 拓也

学年トップを誇る僕はクラスのみんなから神童と呼ばれていた。誰もが僕の成績を羨ましがり慕われている。
「期末テスト返すぞー」
中学三年の期末テスト。僕が通う学校は周りの学校と比べて難易度が高いと評判。その中でも歴史の授業は特に難しかった。
「今回もトップは白川だ。みんなも白川を見習って頑張ってほしい」
先生はテストを返す前に僕がトップだったことを明かす。もちろん僕は満点なのだ・・・

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空色の箱

17/12/13 コメント:0件 待井小雨

 仕事に向かう道の途中、空から箱が落ちてきた。
 ぼこんと音を立てて僕の頭に落ちたそれは、空色の弁当箱だった。
「いたた……」
 弁当箱と思ったそれは、しかしながら深さがあってとても大きい。ずり落ちた眼鏡を直してその箱を開けてみると、中には不思議な色をした大きな卵が入っていた。
 バスケットボールほどの大きさのその卵は、僕の目の前でごとごとと揺れる。――と、
「ぴぃ!・・・

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大宇宙お弁当あれこれ

17/12/13 コメント:0件 志水孝敏

 ↑月Θ日
 
 こんにちょわ!!!!
 宇宙を旅するブログ「大宇宙お弁当あれこれ」!
 管理人の∂太郎です!
 
 ほんと文章も下手だし、ホログラム記録技術もまだまだなんですが、
 読んでもらえたら嬉しいです!!(▼)
 どんどんホロ映えするお弁当探しちゃうよ!
 
 じつは、ベテルギウス・フンダーケロ出版(訳注1)さまから
 な・・・

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弁当インフルエンサー

17/12/12 コメント:0件 霜月秋介

 今年、私が買った弁当箱はついに五十種類を越えた。すべては夫を始めとする『閲覧者』を飽きさせないため。どの弁当箱も、インスタ映えしそうな個性的な弁当箱だ。

 子供が生まれる以前は頻繁に外に出歩いていたので、行った場所や食べたランチなどをインスタグラムに投稿していた。でも子供が生まれて育児に追われる最近は家にいることが多くなったので、投稿するのは子供の成長の記録や、旦那に作った弁当ぐら・・・

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酢豚弁当の端にある

17/12/11 コメント:0件 野々小花

 大学を卒業して就職したが長くは続かなかった。半年で会社を辞めたあと、暎一はしばらくの間、自宅に引きこもった。深夜の弁当工場でアルバイトを始めたのは一年ほど前だ。鶏肉のミンチと細かく刻まれたキャベツとニラと長ネギを撹拌する機械の前で、暎一はただ立ってそれを見ている。
 機械に異常がないかとか、均等に混ざっているかとか、確認をするのが仕事なのだが、この一年の間に問題が起こったことはただの一度も・・・

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弁当箱の不思議

17/12/11 コメント:0件 みーすけ

 こんな事があってよいのか。
 俺が遭遇したそれは到底起こるはずのない出来事だった。

 朝起きたとき。あのときはまだ、あんな事が起こるとは、予想だにしていなかった。
 とにかく、今朝、俺は、昼に食べる弁当の準備をしていた。
 一人暮らしの俺は、節約の為、毎日自分で弁当を作っている。睡眠時間を削られるのは痛いが、昼飯代五百円を浮かすためにはいた仕方のないところだ。何せ・・・

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似たもの夫婦

17/12/11 コメント:0件 秋 ひのこ

 うっかり仕事用のタブレットを家に忘れ慌てて家に戻ると、居間が居間ではなくなっていた。
「あれ! どうしたの?」
 目を丸くする妻に対し、逆に「どうしたの、......これ」と尋ね返した。
 ごつい三脚に設置された一眼レフが見下ろすのは、明らかに蓋がしまらないほどこんもりと盛りつけられた弁当。それを囲むように白く薄い板が「コ」の字型に立てられ、巨大なスタンド照明が煌々と内側を照ら・・・

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あなたの胃袋が欲しい

17/12/10 コメント:0件 眠々瀬未々

 お弁当。弁えて当たれと書いておべんとうと読む。
 嘘。
 中国は宋代の俗語に、便利なことを意味する便当という言葉があった。その言葉が外来語として日本に入ってきた時、外出先で食事をするために便利なものという意味が加わり、弁を当てはめることになって弁当になったのだ!



「今日は鮭の照り焼きだよ」
 私は隣の同居人に話しかけた。
 マクベスと名付け・・・

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誰が為の弁当

17/12/10 コメント:0件 氷室 エヌ

 勤務先に合わせて、会社近くのアパートに一人暮らしをすることになった。壁の薄いワンルームで、手狭な間取りだった。びっくりするほど安くて、噂によると事故物件らしいが、男の一人暮らしには十分だ。
 ちゃんと自炊しようという当初の決意とは裏腹に、僕はすっかり疲弊していた。上司に注意され、胃を痛める日々。自炊する暇なんてない。昼食は菓子パンで済ませるような日々が、数ヶ月続いた頃のことだった。
・・・

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簡単なランチ

17/12/10 コメント:0件 満希虹里



学生で母子家庭の住み込みのベビーシッターをしていた時、日本の弁当に比べて、アメリカの手作りランチは簡単だと思った。母親のアリソンは夜勤の看護婦をして不在の時、小学生4年生のジェイソンは自分のランチを作っていた。母親が買い置きしたブラウンの食パンの一枚にピーナツバターとストロベリージェリー(ジャム)を塗り、もう一枚を上にのせて出来上がりで、透明ビニールのサンドイッチバッグに入れる。青・・・

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弁当屋は巡回する

17/12/10 コメント:0件 吉岡 幸一

 その人気の弁当屋は高層ビルの五十六階にあった。人気があるということは行列が出来るということで、弁当を買うためには列に並ぶ必要があった。普通の店ならばビルの五十六階までエレベーターを使って昇ればよかったのだが、この店は人気があるために階段を歩いて登らなければならなかった。つまり一番下の階から最上階までの螺旋状の階段をずっと人が並んでいるのだった。
 数時間並べば弁当が買えるというほど生易しく・・・

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蓋のムコウに

17/12/09 コメント:0件 デヴォン黒桃


 どこのクラスにも一人は居るような……昼休みになると、弁当を隠して食うヤツ……
 うちのクラスにもそういうヤツが居た。

 教室の隅ッコの窓側の席に、アイツは居た。
 昼になると決まって、教科書やらノートやらを開いて立てて、壁を作ってゴソゴソと顔を伏せて食っていた。
 そんな冴えないアイツを、バカにしていたクラスの人気者の男がいた。
 昼休みになると、決・・・

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思春期障害

17/12/08 コメント:0件 ちりょう なひろ

 母が作った弁当にロールキャベツが入っていて全てのおかずと飯を浸す汁を半ば投げやりとなった僕は啜る。

 ズズズッっと。

 あらゆるものが混ざったロールキャベツから染み出た汁は複雑怪奇な不味さでそこに思い遣りは微塵も感じられずにいた。 
 隣の席で弁当を食べるあまり仲の良くないミユはそんな僕の愛情たっぷりロールキャベツから出た憎しみ汁に浸される冷食とサトウのごはん達・・・

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美味しくない弁当屋

17/12/08 コメント:1件 笹岡 拓也

私が働く弁当屋には毎日のように通い詰める若者がいる。彼はとても細く、顔も色白で覇気がない。
「あんたもたまにはしっかりした物食べなさいな」
私が彼に声をかけることもしばしばある。私が働く弁当屋には正直栄養バランスが整った弁当はない。どれも栄養が偏っていたり、油をたくさん使っていたりと健康志向ではないのだ。この弁当屋は健康志向よりも工場などで働くガテン系の方々に好まれる弁当を提供している・・・

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幸せは常に詰まっているのですよ。

17/12/08 コメント:0件 のあみっと二等兵



学校の昼休み。
私は購買部で買ったパンをかじっている。
「一緒に食べない?」
窓際の席で独りだった私に、クラスの中で一番綺麗なミサが話かけて来た。彼女は私の返答など聞かずに勝手に椅子を持って来て座る。
そんな様子を男子の8割が見つめ、なんだかそれが私に対する嫉妬にも似た感情だとは気付いていた。見えていれば、だが。
しかし私はミサに向き直るでもなく、窓に・・・

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弁当に関わる彼女の思い出

17/12/07 コメント:0件 小峰綾子

目覚めたら彼女からラインが届いていた。「昨日はごめんなさい。聞いてほしい話があります」
昨日は、紅葉がピークだったので公園を散歩していた。陽が落ち始めると風が冷たくなってきたので、もう少し歩いたらカフェにでも入ろうか、という話をしていた。

そこで俺は「春になったらピクニックみたいな感じでもいいな。弁当作ってよ」とふと言ったのだが、あれ以降彼女の様子が少しおかしかった。怒っている・・・

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忘れることのない味

17/12/07 コメント:0件 新成 成之

 時刻は十二時を周り、皆が仕事の手を止め、昼休みになった。
 俺は鞄からステンレス製のお弁当箱を取り出すと、ゆっくりとその蓋を外す。中には唐揚げやポテトサラダ。ほうれん草の胡麻和え等、俺の好きなおかずが詰められている。
「いただきます」
 両手を合わせてそれらを頂く。ほんのり温かいそのお弁当は、俺の心を暖めてくれる。

 一週間前の事だ。一つ上の先輩である世良さんにこ・・・

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想い出とともに君が降ってくる

17/12/06 コメント:0件 吉岡 幸一

想い出とともに雪が降ってくる
亡くなった妻の影がふんわりと静かに

夕暮れから降り始めた雪は
路面を薄く覆い街路樹に帽子を被せている
道に面した喫茶店のドアの隙間から
凍てつく風に運ばれて雪が入ってくる
冷たいはずなのに暖かく
雪に乗って想い出が降りてくる

雪が道行く仕事帰りの人の傘に積もる
帰る先には誰が待っている
行く先・・・

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弁当取締委員会

17/12/06 コメント:0件 笹岡 拓也

「なぁ康太!今日も学食行かね?」
「あぁいいよ」
俺は高校二年になった時できた友人と毎日学食で定食を食べることになっている。学食の定食はどれも250円と良心的な値段になっているが、高校生の財布から毎日はかなりキツい。それでも友人が毎日学食に誘ってくれるから、小遣いと貯金を切り崩して学食に通っている。
高校一年の頃は毎日教室で母ちゃんが作った手作り弁当を食べていた。レパートリーが少・・・

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僕と彼女と、弁当と

17/12/05 コメント:0件 皇 藍羅

目覚まし時計が鳴る十分前、僕はある音で目覚める。まだぼんやりとしている頭を覚醒させたのは、炊きたての白米の匂いと包丁のリズミカルな音。
僕の名前は長谷川達也。中小企業で働く至って普通のサラリーマンだ。
冬真っ只中の肌を刺すような寒さに身を縮こませながら温い布団から出ると、その音と匂いの発生源であるキッチンに向かう。
「おはよう」
「あれ、達也くん。朝早いね?まだ・・・

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味のしない惣菜弁当と、彼女

17/12/05 コメント:0件 yuzame

 何だこの食感は。とても文化人の食事とは思えない。いくら咀嚼しても飲み込めない繊維質な野菜。口の中でぼそぼそになる煮物は水分を余計に要する。味なんてしない。ゴムとか粘土とか、そう言ったものを食べている錯覚に陥りそうになる。
 いや、しかしこれは紛れもなく弁当なのだ。一見してごく普通のありふれた惣菜弁当。当然、これを口にしたとて、こんな酷い感想を述べる者もそういないだろう。時折にじむしょっぱい・・・

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から揚げの入っていない「から揚げ弁当」

17/12/05 コメント:0件 吉岡 幸一

 また、から揚げが入っていない。
 週に一度、夜中になるとから揚げ弁当が無性に食べたくなる。アパートを出て五分ほど歩けば馴染の弁当屋がある。線路沿いの小さな弁当屋、二十四時間営業なので夜型人間の僕には助かるのだが、ここの店主はよく弁当の中身を入れ忘れるのが難点だった。
「トンカツ弁当なのにトンカツが入ってなかったよ」
 弁当を買いに行ったとき、こんな苦情を言っている客に出会ったこ・・・

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弁当、ジャガイモ、中学生

17/12/05 コメント:0件 伊川 佑介

「あ、また見てる」とジャガイモが後ろの席から茶化してきた。見ていたのは佐伯京子さんの姿である。母の情報によると佐伯さんのお母さんは病弱で入院しているらしく、それゆえ家事は娘である佐伯さんが担当している。すると現在、彼女が食しているピーマンの肉詰め、あれもきっと佐伯さんの手作りなのだろう。
「ほんと、ムッツリスケベだよね」とジャガイモがまた後ろから茶化した。全くこいつは本質を分かっていない。僕・・・

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母のキャラ弁

17/12/03 コメント:0件 与井杏汰

 「お前んちの母ちゃん、相変わらず面白いな」 太一の弁当を覗き込んだ級友が囃し立てた。  「うるせー。見んな」 恥ずかしくなった太一は、弁当をフタでかくして、そそくさと食べ始めた。それもそうだ。17歳にもなって、弁当の中身が「アンマンマン」と「バイ金太郎」を描いたキャラ弁だったのだから。先週はラッキーマウスだったし、その前は新幹線、そうかと思えば、髪の長い女性と網タイツを模した意味不明の時もあった・・・

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少年は、自分の青に気づけない。

17/12/01 コメント:0件 浅月庵

 学校の購買で売っているパンを、一度も食べたことがない。
 高一の冬頃になって、一度もだ。

 ーー昼休み。
 友達の茅瀬と机を向かい合わせている最中、俺は願望を口にした。
「俺も購買のパン食ってみたいなぁ」
「食べればいいじゃん」
「だって親がさ、毎朝弁当と水筒用意してるんだぜ。そんでこれ見てよ」
 俺は財布の中身がひもじい様子を見せた。
「・・・

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17/12/01 コメント:0件 望月ひなた

母は毎朝、由美よりも早起きをしてその日の弁当を作ってくれる。高校の受験に失敗し、私立に入学した由美は、毎日6時には家を出発しなければならない。母だって、その1時間後には仕事に出なければならないのだ。それなのに、毎朝笑顔で弁当を持たせて見送ってくれる。
「別に、私が作って行くからいいんだよ?」
由美はそんな母に向かって声をかけたことがある。
しかし彼女は笑って首を振った。
「・・・

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それぞれのお弁当

17/12/01 コメント:0件 大久保 舞

母子家庭で育った私は、母と二人だけでお花見に行くのが、子供の頃とても嫌だった。
お金がないからと母が家で作った貧相なお弁当だけしかなく、ジュースやお菓子などの気のきいたものはない。
他の家族連れの人のお弁当を見たら、とても豪華で、自分と母親のお弁当が惨めになった。

「今年のお花見、どうする?」
中学生になって、母にそう聞かれた。

私は無言で、鞄を持って・・・

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饒舌な沈黙の行方

17/11/30 コメント:0件 向本果乃子

 真冬の深夜の弁当工場はその清潔さが寒々しい。俺は焼売をひたすら詰める。それは段々と焼売に見えなくなりついには話しかけてくる。「しけた顔してんな」「向き逆だよ」一瞬の出会いだが、同じ顔の焼売が去り際に一言ずつ話しかけてくるから会話が続いてるように錯覚する。それは俺の脳内で作り上げてる会話だ、わかってる、大丈夫だ。黙っていると視界が歪んで頭がぼーっとしてくるから担当食材と話すようになった。誰とも話さ・・・

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約束は春の日のお弁当

17/11/30 コメント:0件 ちほ

 いつもベッドの中でのんびり過ごしているカレル叔父さんが、布団の足元に正座しているウォルターに絵本の読み聞かせをしていた。手元の絵本では春の桜が満開なのに、ここリンブルグはまだ冬。ウォルターは、ベッドの上を這っていって、叔父さんの隣に並んで座った。
「叔父さん、絵本を読んでいるときは優しいのに、どうしていつもはイジワルなの?」
「そりゃあ、君が僕を、何処にいてもすぐに見つけられる・・・

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娘へ

17/11/29 コメント:0件 八坂 宗太

 コトコトコト。ふしゅうう。
 鍋が貧乏ゆすりをして、鼻息を荒く煙を吹き出す。
「おや、頃合いか」
 私は、筑前煮がいっぱいに入った鍋の、その蓋をひっぺがした。竹串で里芋を刺してやると、泥に刺すように抵抗なく突き刺さった。
 コンロの火を止めると、私は廊下に出て、二階でまだ寝ている娘に大きく声をかけた。
「起きろー、幼稚園閉まっちゃうぞ」
 しばらくすると、娘が・・・

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あの日のお弁当

17/11/26 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

 いまは廃校となった小学校校舎に、特別の許可をもらって今回昭和五十一年度卒業の6年A組の生徒たちが集まることになった。  過疎化で、住民たちも激減したこの町に、久しぶりにもどってきた連中も少なくなく、大野栄子もその一人で、都会暮らしのながい彼女の目にこの、山間にある小さな町は眠たくなるほどのどかで静かな場所だった。 「まあ、ひさしぶり」  渡り廊下を歩いているとき、安藤絹江が声をかけてきた。当時大・・・

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アイロボのメッセージ

17/11/26 コメント:0件 アシタバ

 交通事故に巻き込まれ唐突に母がこの世を去った。サラリーマンの父と高校に通う娘の私はお葬式が済んでも母のいない生活を受け入れられずにいた。悲しみに暮れ、家のなかは火が消えたように静まり返り、気がつけばどちらからともなく涙を零す日々が続いていた。
 そこへアイロボがやってきたのだ。
「ただいま」
 玄関で死んだはずの母が微笑んでいる。その事実に私と父は驚愕したが、すぐ父が思い出した・・・

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やさしい味

17/11/26 コメント:0件 白瀬 弌



優しい母の味。
ふるさとの味、慣れ親しんだ味。

当たり前のように毎日食べていると、その有難味を、ふと、忘れてしまいそうになる。



「今日のお弁当は、自信作よ。」

僕が家を出る前に、母さんは弁当を包んだ巾着を渡してくれる。
それを受け取りながら、どうせいつもと同じだろうに、なんて心の中で呟いた。
口に出すと、僕・・・

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僕のお弁当箱

17/11/24 コメント:0件 t-99

 僕の通っている小学校には給食がありません。だから生徒ひとりひとりがお弁当を持ってきてお昼休みに食べます。料理教室に通っているママの作るお弁当は、豪華でみんなが羨ましそうな顔をします。二段重ねのお弁当箱は愛情が詰め込まれていて、一段目はワカメ、梅じそ、白ごまとをほどよく混ぜ合わせた彩り豊かなご飯が敷き詰められ、二段目は香ばしい焼き魚、柔らかく蒸しあげたチキン、ケチャップたっぷりで僕の大好きなナポリ・・・

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作りすぎたから

17/11/23 コメント:0件 斉藤しおん

短い人生を振り返る。
母親は夜に仕事へ出て行く。父親は顔も見たことがない。
六畳しかないアパートの部屋はいつも静かでテレビを付けないと人間が喋り始めない。
寂しい、と。
口にすることもできず仙太郎はいつも通りに膝を抱えて孤独をなだめた。

誰にも必要とされない人生を小学三年生にして歩む直は学校にも行かずニュースを見ている。
社会に取り残されているくせに社会・・・

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あだ名が「弁当」の田口カオリ

17/11/23 コメント:0件 クナリ

 私が高校に入って、最初に隣の席になった田口カオリには、「弁当」というあだ名がついていた。
 カオリは中学の時に、高校生の彼氏がいるということで、かなり噂になったらしい。
 ただし、より広く深く広まったのは、悪い噂の類だった。カオリは確かにその高校生と交際はしているのだが、高校生の方は他に本命がいて、その彼女とは遠距離恋愛中だというのだ。
 カオリは都合よく現地妻的に利用され、高・・・

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ゆっくり食べよう運動

17/11/23 コメント:0件 林一

 現代人は、食べ物をあまり噛まずに、すぐに飲み込んでしまう傾向がある。そうすると、満腹感が得られにくくなり、ついつい食べすぎてしまう。これは肥満の原因にもつながり、深刻な健康被害を及ぼす恐れがあるのだ。
 それを防ぐために誕生したのが、ゆっくり食べよう運動である。
 この運動はその名の通り、ゆっくりとたくさん噛んで食事をしようという運動だ。
 時間をかけてたくさん咀嚼すると、満腹・・・

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カレー弁当

17/11/22 コメント:6件 瀧上ルーシー

 高校で午前中の授業が終わり昼休みになった。仲間達二人と机をくっつけて、昼食を取る。ぼくの昼食は学校ではいつも弁当だった。仲間は一人がいつもパンでもう一人はぼくと同じく弁当を家から持ってきていた。
 仲間達と話しながら、机の横に下げている鞄から弁当を取り出すと、弁当包み代わりのバンダナをほどいていった。ほどいている途中で気がついた。この独特の臭いはカレーしかあり得なかった。今更弁当を持って逃・・・

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フロートエイジ

17/11/22 コメント:4件 大和柚希

 これは何を提示していると言うのだろう。
 登校を拒否し続ける私の食卓には、母親が作った弁当が連日に置かれた。彼女は学校へ行かず、自室に籠もり続ける私に対して飽きも懲りもせず、朝が来る度にそれを作り続ける。
 率直な自分の感想を言うと、非常に気味が悪かった。何を考えて先方がそうしているのかが、全く分からない。学校へ行って欲しいのならば直接にそう告げれば良い事だし、無言の内なる愛情の表現・・・

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egg

17/11/21 コメント:2件 ちりぬるを

 きっと一生乗ることはないだろうと思っていた高級車は、きっと一生入ることはないだろうと思っていた高級料亭の前で停まった。黒いスーツ姿の男性に案内された先のお座敷で大園君は姿勢を正して座っていた。
「お久しぶりです」
 十年振りに再会した大園君には当時の面影はまるでなくて、私はまだ騙されているんじゃないかという疑念を拭ていなかった。ぎこちなく会釈をして促されるままに彼の正面に座ると「そん・・・

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17/11/21 コメント:0件 井川林檎

 課長は仕事もできて、女子社員からの受けもよい。
 しかも奥さんが良い。社内結婚なので、みんな奥さんのことを知っている。美人で、乳が良い。
  
 社服のベストのふくらみは、普通より少し小ぶり。
 形が美しい。あれは稀に見る神乳。
 透けるような美肌。
  
 課長と結婚し、退社した彼女(の乳)。
 当時俺は、のたうち回って苦しんだ。
 あの乳・・・

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こがねいろ――弁当が示す一筋の光

17/11/21 コメント:2件 文月めぐ

 営業先の企業から一歩外に出ると、俺はたまっていた息をはああ、と盛大に吐き出した。アスファルトからの熱気と、蝉の声が身体にまとわりつく。白いカッターシャツに太陽の光が反射して、まぶしい。外の暑さを感じた瞬間、肩に提げた鞄がぐっと重くなった。

 片岡、と名乗った、先ほどの青年の顔を思い出す。どことなくぱっとしない、地味な顔つきと、感情表現に乏しい表情。俺の電卓にはじき出された「1100・・・

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秋の大運動会

17/11/20 コメント:0件 風宮 雅俊

「紅組、白組の応援団のみなさんお疲れさまでした。これよりお昼となります。うがいと手洗いをしてからご飯を食べて下さい。次の競技は玉入れです。出場する選手は午後十二時五十分になかよし門に集合してください」
「あー・・・父兄の皆様、体育館は開放してありますのでお昼ご飯の場としてお使いください。なお、一階の教室は児童用に開放していますので父兄のご利用はお控えください」
 放送係の後、先生からの・・・

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テロ弁

17/11/20 コメント:0件 W・アーム・スープレックス

「いいか、よくきけよ」 目だし帽をかぶったボスの凄みのある声が、俺の鼓膜をふるわした。 ボスは俺の目のまえに、中身のつまった弁当箱をさしだした。いくさの前のはらごしらえ。血も涙もないとおもっていたボスにも、こんな一面があったのかと、俺がふと気をゆるませかけたとき、それをみぬいたかのようにボスはにたりと笑った。 「これは弁当型爆弾だ。スィッチがはいれば周囲五十メートルにいるものはみな、爆風でふきとば・・・

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男を落とすには胃袋を掴め

17/11/20 コメント:0件 戸松有葉

「母上」
 高校生の娘は言った。
「……何? 生まれてこのかたそんな呼ばれ方したことも、そんな真剣な眼差しも初めてなんだけど、あんた自殺でもすんの?」
「決死の覚悟という意味では合ってる」
「なるほど、全然わからない。で、用は何?」
 娘は現在難題を抱えていた。その突破口が母にあると踏んだのだった。

 違和感を抱いたのは小学校の終わり頃。母は、どう見ても・・・

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魔物は生きている

17/11/20 コメント:0件 戸松有葉

 青年は、すこし変わった冒険者でした。

 冒険者というのは、冒険をする人のことですが、それを仕事にしている場合、ギルドというところからいろいろなお願い事を紹介してもらい、こなすことでお金をもらう人のことをいいます。
 例えば、薬の材料になる草を取って来て欲しいというお願い。例えば、人を襲う魔物がいるから退治して欲しいというお願い。例えば、謎の遺跡を調べて欲しいというお願い。

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おやつ代に上限はあるがお弁当代に上限はない

17/11/20 コメント:0件 戸松有葉

 その小学四年生女児は、遠足が嫌だった。
 遠足が遠足たるゆえん、ちょっと遠出をすることは嫌ではない。また、教室の授業より運動が好き派でもあった。しかし遠足とは、それだけの行事ではない。
 目的地に着いた後、遠足という悪魔は、本領を発揮する――。

 引率教師のひとり、女児の担任は、声を張り上げる。
「それじゃ、今から自由行動にします。くれぐれも、公園の外には出ない、・・・

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お弁当と一緒に、あたためますか?

17/11/20 コメント:0件 蒼樹里緒

 トマトソースがたっぷりかかったハンバーグに、直火焼チキン。隅っこに添えられたコールスローサラダと、大盛りのごはん。ふたを開ければ、いい匂いが周りの芝生のそれとまざり合って、ますます食欲が湧く。
「やっぱり、お弁当を買うなら安売りスーパーに限るよねー」
 レジャーシートに座ってマイ箸を握ると、わたしは満面の笑みになった。
 同じ高校に通う男子が、隣であきれたように言う。
「・・・

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