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  2. 第129回 時空モノガタリ文学賞 【 都市伝説 】

第129回 時空モノガタリ文学賞 【 都市伝説 】

今回のテーマは【都市伝説】です。

恋愛・ちょっといい話・伝説・不思議な話など、
小説・エッセイ等の散文であれば
スタイルは問いません。
体験や事実に基づく必要もありません。

時空モノガタリ賞発表日:2017/04/10

※同一投稿者からのコンテストページへの投稿作品数は2〜3作品程度とさせていただきます。
※R18的な暴力表現・性描写はお控えください。
※二次創作品の投稿はご遠慮ください。
※「極端に短く創作性のない作品」「サイト運営上不適切な内容の作品」は削除対象となりますのでご了承ください。

ステータス 終了
コンテストカテゴリ
投稿期日 2017/02/13〜2017/03/13
投稿数 97 件
賞金 時空モノガタリ文学賞 5000円 ※複数受賞の場合あり
投稿上限文字数 2000
最大投稿数
総評 今回は二回目の「都市伝説」コンテストになりますが、テーマをよく生かしたものが多くかなり読み応えがありました。テーマによるバラつきはあるものの、徐々に作品全体のクオリティが上がってきているように感じます。前回の同テーマや、最近の他テーマのコンテストと比較しても質の高いコンテストだったのではないでしょうか。今回(だけでもないですが)、気になったのは主に技術的な面ですね。文章上の問題(指示語が曖昧、会話の主体が分かりづらい、性別や年齢が伝わりにくいなど)がある場合、やはり読みづらくなってしまいます。多くの人に最後まで読んでもらえないということにもなりかねませんので、時間をおいて読み直すなり、身近な人の意見を聞くなりして、客観的に見直す作業が必要なのかもしれません。少しばかりそうした欠点があったからといって作品自体が必ずしも否定されるものではないですけれど、やはりないに越したことはありません。これはひいては作品の密度を上げることにもつながると思いますので、是非今一度チェックをしていただきたいですね。今回の最終選考の作品はバラエティに富んでいて読んでいて楽しかったです。『異星人』は、読み手の、未知の生物やオカルトへの偏見を逆手にとった内容だと思います。単なるミスリードによるオチの意外性だけなく、価値観や認識の問題をも考えさせるような内容が深いと思います。『学校に行こう』は、読みやすい文章で、いじめの陰湿さが胸に迫りました。「コイントス」を迷いなく選んだのは、死を無意識に臨むギリギリの心理の表れだったのでしょうか。やはり願いが叶っても叶わなくても、いじめからは虚しさしか残らないのですよね。『見せてくれる女』は、心理的な露出につながるオチが意外でした。ある意味でこれは身体的なもの以上に、恥ずかしいかもしれません。不可思議な女の存在は、助川の表の姿とは裏腹な自己を露出したい内なる心理の現れでは、などと想像したくなりました。『桜雪姫』は、ホラーが苦手な父が娘の延命を願い、必死に物語を考えだす親心が切ないですが、願いは叶わずとも物語が精神的に娘を助けたのは確かでしょうね。ラストシーンが美しく印象に残りました。『顔喰い(フェイス・イーター)』は、猟奇的な殺人の連鎖がなんとも因果応報的ですね。快楽のために殺人を犯す狂気が、月明かりの田舎町の風景の中に不思議に違和感なく溶け込み、その湿気を帯びたような独特の空気感が印象的でした。『助けて助けて助けて』は、冒頭少し読みづらいところはあったものの、単なる話の中の恐怖であったものが、ジワジワと現実に侵食してくるようなラストが怖かったです。これは解釈不能の何かに飲みこまれていく恐怖、理性を失う恐怖でもあるのでしょうね。その他まだ最終選考に残ったことのない作者の作品にも、気になる作品がいくつかありました。ただ、話の軸となるような重要なセリフの意味がわかりにくかったり、逆に文章や構成がうまくても、内容的に少々自己完結的すぎるように感じられたり(この辺りは好みにもよるかもしれません)、あるいは少し書き慣れていないような文章のぎこちなさが目だったりして、惜しいと思いました。やはり時間をおいて何度かチェックしてみるのもいいかもしれませんね。そうした方々の次回作も期待しております!!

入賞した作品

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空襲の夜に消えた地下鉄

17/03/13 コメント:6件 冬垣ひなた

 アツイ、アツイヨゥ。タスケテ。至る所から呻く声が聞こえる。
「千津子……!」
 母の呼ぶ声がする。広い道路一杯に逃げ惑う黒い人波に押され、転んで倒れていた千津子は、ぐっと空を仰いだ。
 焼夷弾の火の滝で、夜空は真っ赤だった。大阪随一といわれる洒落た御堂筋の街並みを焼き尽くしながら、炎の壁が嘲笑うように人々を追い詰める。1945年3月14日未明、華やかだった大阪の中心街は、三〇〇・・・

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『タコ唐八ちゃん』のキセキ

17/03/12 コメント:5件 光石七

 Q県の駄菓子メーカー『青丸製菓』は危機に直面していた。一番の取引先である地域大手のスーパーが全店舗で契約を打ち切ると言ってきたのだ。
 主力商品は『タコ唐(から)八ちゃん』だが、知名度と人気は今一つ。新商品の開発にも取り組んでいるが、どれも鳴かず飛ばずで売上向上には結びついていない。新たな販路開拓を期待して起ち上げたオンラインショップは、年に数件小口の受注があるのみ。先行きの見えない弱小企・・・

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夕暮れの街で彼に会えたら

17/03/12 コメント:8件 待井小雨

 非常に珍しい事に、自分に近いモノとすれ違った。
「あれ――人面犬?」
 不繊布のマスクのまま久しぶり、と笑いかける。
「口裂け女じゃねぇか」
 おっさん顔をした小汚い犬がしかめっ面でそう言った。

 ベンチに腰掛けて缶コーヒーにストローをさす。人面犬にも適当な器にコーヒーを注いであげた。
「ストローなんかで飲むのかよ」
「マスクを外さずに飲む方法が・・・

5

夕暮れの街で彼女に遭えたら

17/03/11 コメント:6件 待井小雨

 夕暮れの住宅街で一匹の犬とすれ違った。その瞬間、ずっと謝りたい人がいた事を思い出した。

 俺は口裂け女に「遭った」事がある。
 小学生の頃の事だった。夕日に染まる公園で一人、砂に絵を描いて過ごしていた。そこに、大きなマスクをした女性が近づいてきた。
「……ねえ」
 笑んだ瞳が綺麗に半月の形を作っていた。優しそうな人だ、なんて何の根拠もなく思った。だから一人きりで寂・・・

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「ヒト……」

17/02/23 コメント:2件 ちりぬるを

 フロントガラスを叩く雨に男は満足げな笑みを浮かべていた。濡れたアスファルトがヘッドライトを反射する。刻々と雨足は強くなっていった。

「あなたは私のことを全然見てくれない」
 ある雨の日、深夜に帰宅した男の元に妻が車にはねられたという連絡が入った。仕事が忙しく家ではいつもイライラしていた男と妻はその日の朝些細なことで喧嘩をし、男が乱暴にドアを閉める直前に聞こえた妻の最期の言葉だ・・・

10

誰かさんがころんだ(顔落とし)

17/02/17 コメント:9件 クナリ

 「誰かさんがころんだ」という遊びがある。
 人気のない、ある高台のお堂が僕らにとってのこの遊びの舞台だった。
 子供たちが数人で、お堂の周りを時計回りにぐるぐるかけっこする。鬼が一人いる。振り返ってはいけない。だからすぐ後ろに誰かが迫って来ても、鬼かどうかは分からない。鬼に捕まったら、その子が次の鬼。周回遅れなどは度外視。
 この遊びは、夕暮れに行なってはいけないことになってい・・・

最終選考作品

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異星人

17/03/13 コメント:2件 ツチフル

【『私は異星人です』と打ち明けたその男は、どこから見ても我々と変わらない姿をしていた。
 彼が語る彼の世界はなるほど、確かに我々と異なる文明を築き上げ、独自の発展をしてきたようであった。
 しかし、それらはすべて男の【妄想】だと一笑に付すことができるし、事実、私はそうした。
 だが、その嗤いはすぐに凍りつくことになる。
 男は私が信じていないとみてとると『これ、脱ぐの大変な・・・

3

学校に行こう

17/03/11 コメント:5件 つつい つつ

 お弁当の時間が終わり、五時間目の社会の授業が始まると、みんなスマホを持ってワクワクしていた。社会の村上先生は高齢で周りのことに気づかないから、みんな堂々とスマホを見ている。
(今日のスパイス ほうれん草のおひたしin酒井のフケ&耳垢まぶし)
 クラスのグループラインに結果が流れると、みんな「うげっ」とか、「最低っ」とか、つぶやいている。これが毎日恒例の行事だ。今まで僕のお弁当に、グラ・・・

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見せてくれる女

17/03/08 コメント:8件 霜月秋介

 あなたはこんな都市伝説をご存知だろうか?
 午前四時に四丁目を散歩すると、見るからに素っ裸の上にロングコートを羽織っただけの姿をした、若く美しく髪の長い女性に会うという。その女性に「見せて欲しい?」と尋ねられ、それに「うん」と答えると、更にその女性は「じゃあ私が見せたら、あなたのも見せてくれる?」と尋ねてくる。それに「うん」と答えると……。


「助川さんって、優しくてい・・・

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桜雪姫

17/03/03 コメント:6件 秋 ひのこ

 S県立小児病院は、駅を挟んで山側にある。
 会社から駅まで歩き本来電車で帰宅するところを、駅からバスに乗って丘の上の終点で降りるのが、この春から勇一の日課だ。

「お父さん、おかえり」
 病室のベッドで愛加はぱっと顔を輝かせる。
「ただいま。はい、お土産」
 父ひとり子ひとりである。この春、突然胸の痛みを訴え、病院に連れて行った。まさかそのまま入院になるとは思・・・

3

顔喰い(フェイス・イーター)

17/02/23 コメント:2件 泉 鳴巳

 雲の多い晩だった。
 草木も息を潜める深夜、郊外のガソリンスタンドでのことだ。併設された二十四時間営業の売店で、店員の若い女が一人、大きな欠伸をした。
 調子の良い店長は「忘れ物を取ってくる」と行ったきり戻ってこない。どうせまた自宅で寝ているのだろう、と半ば諦めている女は、これから朝までどうやって暇を潰すか考えていた。カウンターの隅には飴やガムの包み紙が散乱し、女の口は絶えずもごもご・・・

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助けて助けて助けて

17/02/16 コメント:4件 氷室 エヌ

 ――え、それで終わり? 何だよ、お前の話。中途半端だなぁ。怪談って言うから期待したのに。今までの話も全然怖くねえし、怪談するために集まった意味ねえよ。
 よし。俺がお前らに、本物の怪談ってやつを聞かせてやるよ。怖すぎて、夜中便所行けなくなるぜ。覚悟しろよ。
 まあ、怪談っていうよりは都市伝説に近いんだけどな。俺は最初、バイト先の先輩から、友達の話だって聞いたんだ。でも、俺の地元の友達・・・

投稿済みの記事一覧

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忌み子

17/03/13 コメント:0件 玉梓

 その昔、双子が不吉の象徴とされる風習があったらしい。
畜生腹と言って、人間が犬や猫のように二人以上産むことを卑下したものという説が濃厚らしいが、医学の発達した現代においては、実にバカバカしい考えだと思う。

 少し調べてみたが、なんと殺してしまう風習の土地もあったというのだから驚きだ。
一口に『殺す』と言っても、双子のうち片方だけ殺してしまうものと二人とも殺してしまうもの・・・

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口割れ女、ご本人登場

17/03/13 コメント:0件 むねすけ

 街の子供たちが集められてお祭りの人間タワーの練習。
 終わって夜。集会所の中で、ひげじいが子供たちに街の七不思議を聞かせてくれました。ろうそくの火がゆらゆら揺れて壁の影はまるで別の意思を持った生き物のように動いていました。
「最後のあれ、ひげじいの髭燃えちゃったの、あれはわざとらしかったよね」
「七不思議って言って、八個あったぞ」
「チョコもう全部食べちゃった?」
・・・

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オカズ物件

17/03/13 コメント:0件 欽ちゃん

上京して1週間
僕は部屋の真ん中で一人、正座していた

このアパートに決めた理由は単純明快、家賃が安かったから
これから始まる貧乏学生生活を考えると絶対出費になる家賃をいかに抑えるかが重要になる
都内にも関わらず間取りは8畳の1K。角部屋で家賃30000円
不動産屋に安さの理由を聞いたら一言
「オカズ物件なんですよ」
???と思いながらも内見に来た時・・・

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影卵

17/03/13 コメント:0件 むねすけ

 内と外では景色が違う。
 一歩目は二歩目のロイター板になって、あの日跳んだ跳び箱八段が眼下で悔し涙だ。
 三歩目で内と外を区切る透明なバリアにねじ込んだ鼻っ面が摩擦熱でチリチリ焦げる。
 ようやく四歩目に恐怖していた内側から外を眺めてリラックス。
 生きるための術、として俺が必携にしていることの一個。
 金田君は怖いものなんてないんでしょう?と、たまに言われる。けど・・・

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都市伝説は夢を夢に見る

17/03/13 コメント:1件 日向夏

 オカルト研究会というやつ。
 決め手は、最初に勧誘してきた事。
「キミはどう?」
「あ、」
 さーせんなんすか。先輩達のオカルト談義に呆けていた。まだ顔も覚えきれていない先輩が、呆れた笑みをくれた。

 曰く、割のいい短期バイト。
 しかしどうやら、雇用主は随分と遊び心に富んだお方らしい。
 廃校の壁にぺたぺたと手形をつけながら思う。先輩に連れて行・・・

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小説講座

17/03/13 コメント:0件 OSM

 隔週で開かれる小説講座で「オリジナルの都市伝説を創れ」という宿題が出されたが、菅原悟はオリジナルの都市伝説など創りたくなかった。なぜならば彼が小説講座に通っているのは、オリジナルの都市伝説を創りたいからではなく、小説を書くのが好きだからだ。ついでに言えば、彼は小説を書くよりも、セックスをする方が好きだ。セックスはなぜ、あんなにも気持ちがいいのだろう? その疑問の答えは、初体験から十年以上の月日が・・・

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ガングリオン

17/03/13 コメント:6件 泡沫恋歌

 みなさん、ガングリオンって知ってますか?
 まるで戦隊物に出てくるロボットのような、北欧神話に登場する勇者の名前みたいでしょう?
 実は足や手の指、甲などにできる軟骨みたいなコブのことなんです。別に痛くも痒くもないし、ある日、気づいたらグリグリしたシコリができていたって感じ。
 ガングリオンが発症する原因は、まだはっきりと解明されてなくて、おそらく手などを使い過ぎたり、ぶつけた・・・

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推薦ワクを巡る黒い噂

17/03/13 コメント:0件 沓屋南実

「そんなの都市伝説さ、啓介」
 この学校だけではないらしいが、PTA会長の息子用の指定校推薦ワクがあると囁かれている。名門・慶安大学の推薦は数年その伝説を裏付ける結果となっていた。僕の父親もPTA会長。だから、このワクに手を挙げるべきか迷っていた。
 しかし、翔はそんな僕を励ましてくれた。彼は気弱な僕にとって、頼りになる友だちだ。おかげで迷いを振り切り、目標に向かって頑張ることができた・・・

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マイ神社

17/03/13 コメント:2件 猫春雨

 今、ぼくたち小学生の間ではマイ神社を持つのがブームとなっていた。
 子どもが神社を持つなんてたいそうなことのように思えるけどなんてことはない。
 電柱の根元に赤ペンで鳥居を描く、ただそれだけのことだ。
 事の発端は、どこどこのクラスの男子が、マイ神社を持ったことにより願いが叶ったとか、災難を逃れただとかというもの。
 でもその鳥居を描いているところを誰かに見られたらいけな・・・

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都市伝説創出事業

17/03/13 コメント:0件 解場繭砥

 成長の止まった企業が研修で行うのはだいたい決まっていて、要はチームで話し合って新たな事業を起こすための提案書を書かせるというものだ。画期的な事業など考えつかないからこそ鶏口に挑みもせず牛後を選んだ人間にそんなものを書かせたら、大量のゴミ提案書が積まれるだけなのだが、それでもみんな宗教的儀式か何かだと思ってやっている。偉い人達は、教育の効果が上がることじゃなくて、教育を受けさせたかどうかが評価され・・・

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光る葉

17/03/13 コメント:2件 宮下 倖

 幽霊が見えるようになる方法っていう都市伝説、知ってるか?

 学校の帰り道、ソウタが声を潜めてそんなふうに言うのをミツルはその場では鼻で笑った。
 オカルト好きのソウタの熱弁によると、神社の境内の木に光る葉がついていることがあって、その葉でまぶたを擦ると幽霊が見えるようになるというのだ。それにまつわる怖い話も聞かされたが、ミツルは「興味ない」と一蹴した。
 しかし今、ミツ・・・

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フラグ潰しの女

17/03/13 コメント:0件 小高まあな

 工藤菊は、買ったばかりの「最新・都市伝説全集 完全版」という鈍器のような分厚い本を読み終えると、うっとりとため息をついた。
「はー、どっかで会えないかなぁ……、怪異っぽいもの」
 この今時「菊」なんていう名前をもっている十五歳の少女は大のオカルト好きである。彼女曰く、「累の怪談」で憑依される少女とか、「四谷怪談」の伊右衛門の末娘とか、「番町皿屋敷」の下女とかに共通して見られる「お菊」・・・

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すきまのお友達

17/03/13 コメント:2件 そらの珊瑚

 本箱と壁のわずかに出来たすきまに誰かいる。
 この部屋の住人が昨日壁かけのカレンダーをめくった。4月と書かれたその頁の半分には満開の桜の写真が載せてある。半分は数字の無機質なカレンダーが、少し華やいでいる。
 声をかけてみよう、か。そう思い立つ。けれど私のような者に声をかけられたら迷惑ではないだろうか。いや、しかし、あれがどういう意味であるのか、知りたい。時折すきまからひょっと顔を・・・

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都市の概念が消える時

17/03/13 コメント:1件 にぽっくめいきんぐ

「駅の年間乗客数、そのベスト10の駅周辺が、毎月の末日に消滅する」
そんな都市伝説があった。

新宿、渋谷、池袋をはじめとして、日本の大都市が、ことごとく消滅することになる。

統計によると、1位から23位までを日本の駅が独占しており、24位にようやくフランスのパリ、25位に台湾の台北が入ってくるという、そんな状況だった。

折しも新学期に切り替わろうとす・・・

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幻の野菜

17/03/13 コメント:0件 PineLeaf723

「こちらが本日のメインディッシュになります」
 オーナーが自ら皿をサーブしてくれた。私と父の前へ、丁寧に一皿づつ。
 どんな凝った料理が出てくるかと思いきや、櫛形にカットされた見慣れぬ果実が載るのみだ。
 車椅子から身を乗り出さんばかりにして、父が目を見開いている。政府の要職を歴任し、世界中の美食を味わい尽くしたはずの父がだ。
「君、これは『トマト』ではないかね」
 ・・・

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怪談と噂の間

17/03/12 コメント:0件 奇都 つき

先生が言うには、都市伝説は怪談と噂話の中間らしい。
「だからな、都市伝説の方が先生は信憑性があると思うんだよ」
教壇に立ちながら、自分の発言にうんうんと頷く。その様子に、私たち生徒は少しだけ胸を高鳴らせる。

遡ることほんの5分前、今受けている英語の授業終了まで15分余ってしまった。
他の先生とかだと、次の授業分も少しだけ進めるか、自習の時間にする。自由時間にしてくれ・・・

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Q.E.D

17/03/12 コメント:0件 赤い杯

「実は身近な存在なんだよ。都市伝説って」
 また、始まった。
 ジャックのオカルト好きには、ほとほと参る。私はこめかみを押さえた。
「うんざりした顔をしているね。でも、知っていて損をするような話じゃないと思うんだけどなあ」
 損をするような話ではないが、別段得をするような話でもない。
 たしかこの前は、人面犬は何歳のころから口を利くようになるのかという話だったが、生憎・・・

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旅立ち介在人

17/03/12 コメント:0件 ドーンヒル

 ネットサーフィンの末、隆司がたどり着いたのは、鈴木内科、という小さな、町のクリニックだった。こじんまりとした玄関、細い通路を抜けると、診察室、と書かれた部屋に突き当たった。恐る恐る、扉を開けると、初老の医師が、人懐っこい笑顔を浮かべて、隆司の方を向いていた。
 「的場隆司さん、ですね。院長の鈴木と申します」
 「お世話になります。あの、今日は、旅立ち介在人の件で……」
 鈴木は・・・

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外身と中身

17/03/12 コメント:2件 日向 葵

 こんな話を聞いたことはあるだろうか。
 『とある廃工場に行けば生まれ変われる』のだと云う。
 荒唐無稽な話ではあるが、今の私には聞き流せる話ではなかった。私は半ば逃避行のように夜毎、車を走らせては郊外の廃工場を訪ねて周っていた。



「君、入社して何年経つの?」
 上司の小言が槍のように胸突き刺さり、私という人間を内側からぐちゃぐちゃに崩していく。必・・・

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枝垂桜の木の下に

17/03/11 コメント:0件 みや

その日の朝の通勤途中の駅に向かう道にある公園の人集りを見て、圭介は何事かと思った。人集りは50人程は集まっていて、いつもの穏やかな通勤風景とは違いザワザワとした空気が漂っていた。そしてその公園にある枝垂桜の木にゆらゆらとロープの様な紐でぶら下がっている人の後ろ姿が人集りの隙間からチラリと見えた時に、圭介はギョッとした。その後ろ姿が圭介の妻の結花の雰囲気にとても似ていたからだった。

首・・・

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隠し箱

17/03/11 コメント:0件 木野太景

 会社員のTさんは、都市伝説を演じてしまった。隠したいことがあった。彼は、その理由を列車の切符に例える。
 車掌がコンパートメントの扉を開け、切符を見せるように言う。不審に思われないよう、彼は、すぐにポケットから切符を出して見せる。「あなたは確かに男です」と言って車掌は去り、彼は安堵する。
 彼が望む行き先は、臆病者を拒む。何かに怯える者は、その行き先が書かれた切符を持てない。しかし、・・・

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死をうたう時計

17/03/10 コメント:0件 雪見文鳥

 その奇妙な時計屋に入ったのは、夕暮れ時のことだった。
 建物の中では、至るところに時計が並べてあった。目覚まし時計や鳩時計、デジタル式の時計、日時計や砂時計までもが集まり、文字盤は夕日を反射しながら、チクタク、チクタクと一定の時を刻んでいた。
 横で黙って時計を見つめていた祖母に向かって話しかけようとしたまさにその時、部屋の奥から、時計屋の店主と思われる初老の男性が出てきた。
・・・

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ファミレスゾンビ

17/03/10 コメント:0件 とよきち


 ゾンビと言えばショッピングモールと往々にして相場は決まっているけれど、ここ最近、うちの地元ではファミレスにゾンビが出没するらしい。それも僕の家からそれほど離れていないファミレスでだ。美しすぎる秘書ならぬ、身近すぎるゾンビだ。
 もちろん比喩的な意味だろうけれど、それが何を指すのかは僕も知らない。聞かされていない。その真相を知ったのは、そんな突拍子もない噂を聞いた、約一週間後のことだ・・・

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宇宙人はどっちだ?

17/03/10 コメント:3件 本宮晃樹

「宇宙人がきてるんだ」城島は〈ヒョウロク玉〉――肺胞を酸素で満たす飴ちゃん――を口へ放り込みつつ、「そいつらは俺たちとそっくり同じ姿なんだってよ。この町にも何匹か紛れ込んじまってる」
 ぼくがこいつと友だちでいる理由? そりゃもちろん子どもの総数がめちゃくちゃに少ないから、やむをえずそうしてるだけだ。誰が四六時中与太を吹かしまくる脳足りんなんかとつるみたがる?
「どこからだと思う? 驚・・・

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福の神の神隠し

17/03/09 コメント:0件 家永真早

 巷で最近、不良や非行少年が神隠しに遭うと噂になっている。
 暫く経つと子供は帰って来るが、人が変わったように更正し、子供の帰った家は円満に暮らすと言われている。故に『福の神の神隠し』と呼ばれていた。しかし、その裏側には、洗脳や調教、マグロ漁船やブラック工場での過酷労働による改心かと黒い噂も立っていた。


 帰宅した望月は、玄関から続く長い廊下を抜けてリビングのドアを開け・・・

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鯉と恋

17/03/09 コメント:1件 時雨薫

 その人はごみじいと呼ばれていた。白髭に曲がった腰の老齢の男性である。素性はとんと分からぬ。ただ、彼と同じように狂った妻が同居しているという噂だけが真らしく流れていた。ごみじいという名は彼の奇行―あちこちのゴミ置き場から壊れた家電だの底の抜けたバケツだのを集めてくるというもはや動物的と言っていい習性に由来していた。
 ごみじいは街道沿い、我が下宿の向かいに大きな古民家を所有している。高い塀に・・・

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りんごぱんだ

17/03/08 コメント:3件 秋 ひのこ

 しゃりしゃりしゃりしゃり。
 カリッ、しゃくしゃくしゃく。
 
 道端でぱんだが座っていた。電信柱にぐにゃりともたれ、ぱんだが両足を投げ出しりんごをかじっていた。
 茜色の陽光を浴び、眩しそうに目を細めているが、甘酸っぱさに酔いしれているような顔にも見える。
 ノエは三歩離れたところで立ち止まり、眼鏡の下に押し込んだ指で両眼をぐりぐり揉んだ後、眉の間を2本の指でぎゅ・・・

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お ま じ な い

17/03/07 コメント:0件 かわ珠

 今、私のクラスではおまじないが流行っている。
 けれどもきっと、このクラスの女子でこのおまじないブームに乗っていないのは私くらいのものだろう。
 別に、おまじないが嫌いというわけではない。おまじないに入れ込む彼女たちを見て、間違っているとは思わない。好きなものやのめり込むものは人それぞれだ。彼女たちがおまじないに一喜一憂するのは傍から見ていれば、わりかし楽しいものだし。けれども、積極・・・

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飼育とランク

17/03/06 コメント:12件 石蕗亮

宝くじが当たりちょっとした臨時収入があった。
当たったといってもちょっと良い食事を二人ですれば無くなるほどだ。
彼女を誘って「何が食べたい?」と聞くと「焼肉」と云うのでステーキも品揃えしている店を選んだ。
正直フランス料理とか格式のある所でなかったので安心した。
とてもではないが金はあってもマナーに気を使いながら食事という気分ではなかった。
店に入り席に案内されるとメ・・・

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ふかふかマフラー

17/03/05 コメント:0件 かめかめ

 その話を聞いたとき、不思議な気持ちを抱いた。それをよく知っているような気がしたのだ。デジャ・ビュという言葉が一番近いように思う。けれどそうではない。私が確かにどこかで経験したことなのだ。手に触れるほどに確かに経験したことなのだ。

 それは不思議な都市伝説だ。「ふかふかマフラー」というそうだ。夜道を歩いていると急に暖かくなり、気がつくと首にふかふかのマフラーが巻かれている。あまりに気・・・

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こっくりさんこっくりさん

17/03/05 コメント:0件 瀧 千咲

「こっくりさんこっくりさん、おいでください」
夕方、寂れた神社の片隅でこっくりさんをするひとりの少女。
「出てくるわけないか」
遥はため息をつく。時刻はもうすぐ5時半になろうとしていた。11月のこの時間はもう日がほとんど暮れて薄暗い。背負っているランドセルが肩に食い込んで痛くなってきた。今、4年2組の間で流行っているこっくりさん。みんなが放課後の教室でキャーキャー騒ぎながらやって・・・

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ナカジーマイッチャッテル

17/03/05 コメント:0件 まー

 俺の友人の中島は少々変わり者だ。
 身長は180pもある。その上スポーツ万能でこのあいだの全国統一中学模試では一位を取った。だが女子にモテるということはない。いかんせん頭のねじが外れているような奇行に走ることが多いからだ。 まあ、ぶっ飛んだ天才とかみんなどこか風変わりな性質を持っているものだし、中島もその類なのだろう。
 それでもこの日は唖然とせざるをえなかった。夏休み前、ほとんどの・・・

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少女バウンダリ

17/03/05 コメント:0件 家永真早

 放課後の電車は混んでいる。桐花と夏芽は疲れた体を、ドアに預けた。
「眠いー」
 間延びした調子で言って夏芽は俯き、向き合った桐花の肩におでこを乗せた。桐花のほうが、夏芽よりも少しだけ背が高い。
「重いんですけど」
 わざと声を低くし文句を言い言い首を傾げ、桐花も負けじと夏芽の頭に自らの耳を押し付ける。
「重ーい」
 夏芽も文句を言うけれど、その声は笑っていた。・・・

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ホワイトデー・パニック

17/03/04 コメント:4件 冬垣ひなた

 『ねえ、聞いた?こんな話』
 『知ってるよ。新米カップルは、ホワイトデーに破局する……』


「おはよう!」、高校の廊下で和弘の姿を見つけたとき、まどかはほっとした。
「また後で」
 友達と談笑していた和弘はすぐ自分の教室に入って行く。新米カップルは冷やかされないよう、貴重なアイコンタクトの時間は迅速に。本当は今すぐ駆け寄って話したかった。今日は3月14日のホ・・・

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ファッションババア

17/03/04 コメント:4件 浅月庵

 私の前方に、一人の女性が立っている。噂通りの髪色だ。
 
 彼女は赤髪のボブで、今日の服装はレオパード柄のシャツ。首にはレトロ柄のスカーフを巻き、一歩間違えるとチグハグになりそうだけど、その人の持っている独特のオーラが説得力を持たせる。
 顔はおばさん。だけどお洒落。この人が巷で話題になってるファッションババアに違いない。

 私は恐る恐るババアさんの横を通過しよう・・・

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幽霊と金魚

17/03/04 コメント:0件 雪見文鳥

 私は一度だけ幽霊を見たことがある。あの日からもう何年も経っているのだが、今でもあの日の事を思い出すと、全身の血が冷えわたり、恐怖、後悔、何とも言えぬ黒い感情が、私の腹の奥で綯い交ぜになって踊る。
 だが、ひとつ断わっておきたいのだが、私は何も、幽霊を見たから怖かったという話をこれからしたいのではない。いや確かに、幽霊が現れた、その事実にも怯えていたのだが、この台詞だけでは私があの日感じた恐・・・

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議事録No.1022

17/03/04 コメント:0件 


 ULA(Urban Legend Association)都市伝説協会 ニューヨーク本部 会議室α 2017年3月4日 23:00〜
 ドガード(米)・マイ(英)・ムランド(仏)・張(中)・ハーチン(露)
 記 矢倍(日)


ハ「さて、堅い話は抜きにしまして早速はじめましょうか。今回からドガード大統領が加わります。政治家に政治の話をするなとは言いませんが、・・・

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カルマ

17/03/04 コメント:2件 のあみっと二等兵

古く不気味に聳え建つその教会は、木造の外壁が剥がれながらもわりとしっかりしていて。その頃には既に敷地内で深く生い茂った木々の周りで、群れをなしたカラスが、天を突き刺す様に尖って伸びる、色褪せた青い屋根の先端で鈍く光る十字架の上を、耳障りな鳴き声を発しながら旋回していた。
その鳴き声と、外れ落ちて存在しない筈の鐘の音が重なって聴こえる時がある。
それを耳にしてしまった者に、もし赦されざる・・・

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夢に夢見る

17/03/03 コメント:0件 十文字兄人

 今日の真崎は、少し陽気に見えた。

「なあ、知ってるか」

「いや、知らん」

「ちょっと待てって、まだ何も話してないだろ」

「お前が『知ってるか』って言って始める話は、大抵きな臭い話だからな」

 苦笑いを浮かべる真崎を尻目に、俺は書きかけの課題レポートに取りかかる。

「まあ、いいから聞いてくれ」

 慣れ・・・

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今日も極上のロアを

17/03/02 コメント:1件 鯨幕村中

 都市伝説、フォークロア、人の噂話から生まれるこれらの話たちは一体何処から生まれてくるのか。
 どうしてこうして人々に次々と広まっていくのか。

 それらにはある組織が関わっていた。

「さぁ、今宵も上質の都市伝説が出来上がったぞ」

 黒い靄に向かって初老の男が一枚の紙切れをひらめかせながら叫ぶ。

「嗚呼、どこからどう見てもパーフェクト! ・・・

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スターゲイズ・シンドローム

17/03/02 コメント:0件 泉 鳴巳

 星を見る少女、という話がある。
 とある晩、ある男子学生が帰り道にあるアパートを眺めると、窓際に立つ少女に気づく。少女は身じろぎひとつせず、夜空に顔を向けていた。
 次の日も、また次の日も。少女は毎晩星を眺めていた。最初は気に留めなかった彼だが、次第に少女の存在が心の中で大きくなっていった。そして遂に、彼は少女の元を訪ねることを決意する。
 意を決してやってきた部屋の前。呼び鈴・・・

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隻眼のセリカ

17/03/02 コメント:0件 泉 鳴巳

 大学二年生の秋のことだ。サークルの飲み会ではしゃぎすぎて終電が無くなってしまった俺は、この近くに住んでいるという友人・豊田の部屋にお邪魔することにした。
 慎ましやかな二次会と洒落込んだ俺達は、コタツにビールやスナック菓子を並べ、他愛も無い雑談に興じていた。
 この豊田、大学生にもなって無類のオカルト好きだ。中二病を拗らせているのか、片側だけ長く伸ばした前髪でいつも左目を覆っていた。・・・

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ショートコント:語彙力が消える沼

17/02/28 コメント:4件 クナリ

 (森の中のセットに、上手から高校生姿の二人登場)
A「ああ、俺たち沼研究会の二人ともあろうものが、道に迷ってしまうなんて」
B:本当だな。でもこの辺りに必ずあるはずだ。あの伝説の沼が。
A「『はまると語彙力が消える沼』か…ただの都市伝説だろうか」
B:実は俺、小説家を目指してるんだ。もし俺がうっかりその沼にはまって語彙力を失ったら、もう生きる気力がない。
A「お前な・・・

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合コン

17/02/28 コメント:0件 眠々瀬未々

 私は本音を言うことができない。
 言おうとすると、ついかたまってしまう。
 まるでコマ送りしているようにそれでいて金魚みたいに口をパクパクとだけさせて、声はまるで出ないのだ。早送りならば声は出るのに。
「あ、こ、これは友達の友達の話なのですが……」
 場所は小洒落たお店ではなかった。彼はこういうお店の方が落ち着いて食事ができるという。
「うん……」と彼は相槌を打つ。・・・

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タイムスリップ?

17/02/27 コメント:0件 アシタバ

 凍てつく冬だけど彼女と熱々なので寒くもない僕は、はや25歳。
 彼女とドライブに出かけた時だ。助手席の彼女が楽しげに話しかけてくる。
「都市伝説だけど知ってる? この世界は――」
 すると、突然、目に映るもの、ハンドルの感覚、彼女の声、全て消え去ってしまった。叫ぶ間もない。人生という動画に停止ボタンが押されたようだった。

 瞬きをしたら世界が変わった、という言い・・・

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電脳都市の時空のすきま

17/02/27 コメント:6件 Fujiki

 僕が時空モノガタリに2000字小説を投稿し始めて約一年半が過ぎた。投稿はこれが40作目、入賞回数は5回。落選が続くとさすがにモチベーションが下がるけど(今のところ連続落選記録は18回)、書くのをやめた時が負けた時だと自分に言い聞かせてしつこく書き続けている。誰に対する負けなのかは不明だ。そんなスポ根式努力が実を結んだのかどうかは知らないが、ありがたいことに去年の冬に出版された『時空モノガタリ文学・・・

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サンチアゴ航空513便事件【エッセイ】

17/02/27 コメント:1件 あずみの白馬

 1989年10月12日、ブラジルのポルト・アレグレ空港に、正体不明の飛行機が近づいてきた。
 管制官はすぐさま無線連絡を試みる。
「正体不明機、こちらポルト・アレグレ空港。この空港に着陸するには許可が必要です。貴機の機体番号もしくは便名をどうぞ」
「……」
「正体不明機、緊急事態でしょうか? もし受信可能であれば、トランスポンダで応答してください」
「……」
・・・

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闇夜に浮かぶ巨大な人影

17/02/26 コメント:0件 バビロン

 人々が寝静まった夜、星空に巨大な人影が現れることがあるらしい。
 奇妙な話だ。ありえないと否定したい反面、実際あり得るかもしれないと思っている。しかも、その噂は若者なら多数の人が知っている。
 とは言え所詮その程度の話で、実際に目撃したという話は聞いたことがない。それにも理由があって、目撃した人間はその巨大な影に捕らわれて、二度とこの世に戻ることはないからだと噂は言っている。
・・・

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茜さす2

17/02/26 コメント:0件 リードマン

S県、S市、都市という言葉には不釣り合いな田舎町でもその都市伝説は存在する。
ココとは異なる世界。ココとは異なる日本。ココとは異なる政治体制。
第三次大戦が起こってしまった世界。
江戸時代から鎖国を頑として解かなかった日本が世界の為に開国した世界。
結果、再び世界に統一国家が誕生する。その名をアマテラスと言う。
人類の当然の帰結として、アマテラスを善としない勢力が世界・・・

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ジョゼとアーリャのウイルスラボ

17/02/25 コメント:0件 相葉俊貴

 ジョゼが左で、アーリャが右。体を掻きむしる方の手がついている方が左。掻かない方の手が右。掻きむしる手の方がジョゼで、掻かない方の手がアーリャ。
 実際、ジョゼもアーリャもきれいとかきたないに無頓着だったから、よく体を掻きむしっていた。
 この小さなラボはただでさえ汚らしいのに、錆びて朽ちたようなたくさんのマシンに占拠されているから、ジョゼとアーリャ以外の誰かが訪れることもない。

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後ろ向きの競争

17/02/25 コメント:0件 西 千石丁目

雑司は仕事帰りに、コンビニで買った酎ハイを煙草を吸いながら歩いて飲んだ。それが飲み終わると腹が減ってきて、また途中でコンビニに寄り出来合いの焼き鳥を買うと、それを温めてもらってから外で食べた。
家に帰り着くと仕事着を脱ぎ捨てて、寝間着に着替え、パソコンの電源を入れた。
ネットサーフィンをしているうちに奇妙なものがネットオークションで出品されているのを見つけた。
(煙草、一本百万円・・・

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星になれ

17/02/25 コメント:0件 青空 りく

誰もが一度は聞いたことがある言い伝え。
死んだ者は星になる…。
それが本当なら…。



青い空、白い雲。
 ここが僕の生きる世界。
 
 
 赤い空、赤い雲。
 ここが私の生きる世界。
 
 
 きっと君とは違う世界。
 
 きみとは違う世界。
 
 
 だから…。
 
・・・

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the word

17/02/24 コメント:0件 PURIN

今、俺は彼女が一人暮らしをしているアパートの部屋に彼女と一緒にいる。2人でソファーに隣り合って座っている。いつものことだ。いつもと違うのは、重苦しい沈黙の中であるという一点のみだ。

彼女はすこぶる機嫌が悪い。俺が浮気してたのが昨日バレたからだ。
あちらの子とはほんの遊びのつもりだったんだが、発覚した時、彼女は人が変わったかのように怒り狂い、俺と別れると何度も言ってきた。
・・・

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カルティック・ウーマンの二ドル札

17/02/24 コメント:0件 ぴっぴ

深夜のテキサスの何もない一本道を、一人の女性がヘッドライトだけを頼りに車を飛ばしていた。時速80マイル(128km)で走るにはそれなりの理由がある。この数ヶ月で六人もの女性が首を切られた無残な死体となって発見されていて、いまだ犯人は捕まっていない。死体の脇の下に二ドル札をはさんでおくところから『カルティック・ウーマン・ケース』とよばれた。
アメリカの二ドル札は悪魔の祟りがあるとされ、恐れた人・・・

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満月ビー玉

17/02/24 コメント:2件 ナマケモノ

 満月の夜にビー玉を見つめると、そこに亡くなった愛しい人がいる。
 そんな都市伝説が俺の小学校時代、密やかに流れていた。
「誰もいないぞ……」
 白い満月にビー玉を翳しながら、俺は苦笑する。正面に顔をやると、凪いだ海を月光が照らしていた。
 よく妻と夜の散歩にやって来た浜辺。今日はどうしても彼女に相談したいことがあってここにやって来た。
 だが、彼女には会えそうもない・・・

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告発

17/02/24 コメント:0件 デヴォン黒桃

 インターネットが発達して、誰もが自由に色んなサイトへ簡単にアクセスできるようになった現代。過去のように誰かに何かを伝えることは、最早そう難しくない。
 知ったところでどうでも良いような情報から、果ては国家機密レベルのものまで……
 勿論、そういった「機密」は暗号化されたり、厳重なセキュリティに守られているだろう。ただ、アナログでもデジタルでも人的ミスはあるものだ……
 
・・・

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人混みの中に

17/02/24 コメント:0件 糸井翼

気になる記事を見つけた。
「渋谷の人混みの中で、三つ目の男の子が無表情でこっちを見ていました。風が吹いて、おでこの目が見えたんです。見間違いじゃない。その目が、忘れられず、今も夢に出てくるんです。」
まあ、普通に考えて、そんな化け物はいない。
だいたい、あの人混みの中で一人の男を、ましてその化け物を見つけられるわけがない。でも、あの人混みだからこそ、そんなやつが一人くらいいてもお・・・

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かくれんぼ

17/02/23 コメント:0件 八王子

 小さな港町の子供たちの間で、ちょっとした遊びが流行った。
「かくれんぼしよーぜ!」
 だが、それは一度始まれば終わらない。

 セミが鳴く夏休み。
 海外線を望める神社の境内に集まる小学生や中学生の子供たち。
 本土から離れた離島では、テレビゲームで遊ぶよりも、海で潜ったり、日陰の多い神社で遊ぶことがほとんどだった。
「鬼は一人。その鬼が誰かを見つけたら・・・

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17/02/21 コメント:2件 林一

 ケンちゃんが住む町の小学校には、三〇年くらい前から広まり始めた都市伝説がある。その内容は、親に留守番を頼まれた子供の代わりに、その子供にそっくりなおばけが友達の家に遊びに行くというものだ。そのおばけは、類と呼ばれている。
  
「お母さんただいまー」
「ケンちゃん、昨日お留守番頼んだのに遊びに行ってたんでしょ。ナベちゃんのお母さんから聞いたわよ」
「えっ? 僕、ちゃんとお・・・

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掘る男

17/02/21 コメント:0件 むろいち

 深夜の公園。
 柳の下の影が揺れた。
 男が地面を掘り出した。
 しかし、固い箇所を突いたのか、スコップが弾かれ男は思わず膝をついた。
 痺れた手を振りながら、夜空を眺める。
 月も星も出ていない。
 三十も半ばになって何をしているのだろうとため息をついた。
 男は立ち上がり、再び掘り始めた。
 
 男は先ほど中学校の同窓会に参加していた。<・・・

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本の虫は秘蜜につられる

17/02/19 コメント:4件 浅月庵

 近年の利便性を考えてのデジタル化は、すべてに良い結果をもたらすとは限らないですね。

 私みたく鞄に、常にお気に入りの“本”を忍ばせていないと安心できない者もいるのです。紙質やインクの匂い、本によって変わる栞紐の色。片手で操作できる薄っぺらい電子の箱とは、違った味わいがあるとは思いませんか。

 ーー私の住んでいる地域は比較的田舎で、周囲に娯楽施設がありません。
 ・・・

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都市伝説ブーム

17/02/18 コメント:1件 笹岡 拓也

クラスでは数多くの都市伝説が蔓延していた。そのほとんどが俺の作った都市伝説だ。都市伝説と言っても学校で起きてそうな小さな噂話だ。
俺の作った都市伝説をみんなは鵜呑みにする。そもそもどうして俺が作った都市伝説がみんなをここまで信じ込ませることができたのか?それは俺が田山に話した冗談がキッカケだった。
「化学の武田先生は英語の山下先生とできてるらしいよ」
化学の授業中にふと思いついた・・・

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市役所の小人

17/02/18 コメント:0件 田中あらら

 ケン太の家は市役所の隣にあり、部屋からは市役所の建物と駐車場が見える。風情はないが、夜は車の出入りもなくひっそりしている。
 高校受験が2ヶ月後に迫る冬休みだが、ケン太は勉強に身が入らなかった。パラパラと参考書をめくってはいるが、頭に入ってこないのは、今に始まった事ではない。
 
 外はすでに暗く、出歩く人は少なかった。
「おい」外から抑えたような低い声がした。
 ・・・

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ラブ・ランド

17/02/18 コメント:0件 水面 光

「ユウイチ、新車が来たよ!」床屋と文具屋が並んだ交差点を白い新車が初々しいウインカーの光を点滅させて曲がり、こちらへ向かってくるのを見て、母さんが教えてくれた。身体障害のあった伯母も屈託なくほほえんでいた。──どうにも体の倦怠感に耐えきれず、昼に横になったときに見た夢だった。もしも連中が他人を貶すことに始終ご執心だとしたら、私には貶し返してやるしか選択肢がない。「ハゲだと思ったぜ、しかも短足だし」・・・

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未来予知について

17/02/18 コメント:1件 レマドア

 人生は確定できない事象だらけだ。それでも、人間は時として不確定なことでも確定とみなして生きていかなければならない。それは世の中の不条理でもあり、またこの世の道理でもある。
 故に、僕も確定できないことを確定出来たと思い込みながら進む人生であったことは間違いない。そのこと自体は否定する気はないし、誰にも否定させもしない。それが僕の生き方であったからだ。
 だが、そんな僕にさえ、たった今・・・

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リンゴの呪いを解く方法

17/02/17 コメント:1件 塩らーめん

「ねえ、トシデンセツ作ろうよ!」

柔らかな日が差し込む昼下がり。
都市伝説という場違いで不穏な言葉は、私のリンゴを剥く手を止めさせた。

「ねぇったら!トシデンセ」
「聞こえてるって」

彼女の言葉を食い気味に遮ると、私は再びリンゴに意識を戻した。
そんな私に、なんでそんなにキョーミなさそーなのーなどと彼女はボヤいている。

「…・・・

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神様は人と話したい

17/02/17 コメント:0件 星にぼし

「うーん……やっぱりこの神社は、晴れの日に来るに限るな……」

――町外れの森に忘れられた様に建つこの古びた神社には、神様が住んでいる。 そんな都市伝説を昔、聞いた事がある。

ある人は豊穣の神が住んでいると良い、別の人は太古の大妖怪が神の位にまで昇った存在だと言う。 真偽の程は誰にもわからないとされており、『なんだそれは』と言う呆れと、『それでこそ都市伝説だ』と言う感情が・・・

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首狩りさま

17/02/17 コメント:0件 海見みみみ

 小学校から歩いて十分。裏道に入るとそこに首狩り(くびかり)神社はあるといいます。首狩り神社には首狩りさまという神様がまつられていて、午前二時に会いにいくと、なんでも願いをかなえてくれるといいますが……?

 午前二時。小学生がいるにはふさわしくない真夜中の町を、トモコちゃんは走ります。走るほどトモコちゃんの長い黒髪(くろかみ)がなびきました。小学校から十分のところ。よく見ると建物の間・・・

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遠い日に焼けた手紙

17/02/17 コメント:1件 笹山ナオ

 その頃は、携帯電話はおろか固定電話すら普及していない時代で、私と彼は手紙でやり取りするしかなかった。

 初めて彼と会ったのは、私が異国のあの町に越した時で、彼はお隣の家の奔放で、しかし紳士的な子だった。肌が白く、金髪の私の容貌に、彼ははじめ驚いていた。私は嫌われるだろうかと思ったが、彼はすぐに笑顔を作って、こんにちはと言った。

 その町で最初に遊んだのも彼だった。朝か・・・

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Missionary of sound

17/02/17 コメント:4件 のあみっと二等兵

ライヴハウスの地下に続く階段を少し弾んだ足取りで降りて行く。
「あ〜。お久しぶりです〜」
私を認めて、受付の彼……Anji君が、相変わらずの間延びした声音を掛けてきた。彼は横浜近辺のライヴハウスを掛け持ちするスタッフだ。まだオープン前。私が一足先に入れたのは彼のお蔭だった。先週唐突に送られてきた、彼からのメッセ。
「あのバンド、デビュー決まったよー。チケット確保しますー?」

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色の無いスーパーカー

17/02/16 コメント:0件 空 佳吹

 その奇妙な車を見たのは、川上が仕事のために徹夜をした真夜中の2時頃だった。
 シナリオライターをしている彼がアイディアに困り、近くの公園で気分転換していた時、その車が走りぬけて行ったのだ。しかも、まったくの無音で――。
「そういえば、そういう都市伝説――聞いたことがあったな……。まったくの伝説だと思っていたが……」
 色は黒っぽかったが、普通の乗用車というより、いわゆるスーパー・・・

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iPhone New World

17/02/16 コメント:2件 まー

「それにしても不思議だよ。どういうカラクリなんだろう」
 青年はソファーの上で心地良さそうな表情を浮かべながら、スマートフォンの匂いをしきりに嗅いでいた。
「フフ。マイク、それを手に入れてからずっとその調子ね」
「だって信じられるかい、メアリー。アップル社はついにこんなテクノロジーまで開発してしまったんだよ。まさか新製品のiPhone NWはロゴマークのアップルからほのかにアップ・・・

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南瓜の馬車は、もう要らない

17/02/16 コメント:0件 白沢二背

「南瓜の馬車には如何遣って、乗るの?」。
 妹が唐突に御伽噺を始めた。
「昔、偉い人が言ったのよ。ガラスのハイヒール見付けても駄目って」「ねえ御兄ちゃん、教えてよ、ねえったらー」「五月蠅い、なー、もー」。僕は命の言を俟った。
 桂命十七歳。本日二度目の癇癪である。
 僕と母が別れて三週が経った。
 妹の母っ子振りは日増しに強く成る一方である。
「素敵な彼氏でも見・・・

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真っ白な羽根

17/02/15 コメント:0件 風宮 雅俊

「お嬢ちゃん、学校はどうした。ここの住人じゃないだろ? 勝手に入って来ちゃだめだ。直ぐに帰りなさい」
 うちのマンションはエントランスがオートロックになっている。それなのに、見覚えのないのが入り込む時がある。
 自殺者が出ると資産価値が落ちるとクレームが来るから、
『知らない人を一緒に入れない。管理組合より』
と貼り紙している。その上パトロールまでしろとは、役員を外れた奴は・・・

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あの日のお礼

17/02/15 コメント:0件 甘咲アユミ

夏休みのある日、お母さんとお父さんが連れてきた家のお手伝いさん。ふたりとも普通に人間みたいに話しかけてるけど、あたしには真っ黒で半透明の影が空中にふよふよ浮いていて、ペラペラ喋っている”影”にしか見えなかった。
「こんにちは、お嬢さん。今日からお世話になります。黒井です」
 うん、黒い、アンタは黒いよ。
あたしはボーゼンとしてしまって、言葉も出てこない。あれよあれよとお父・・・

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不思議草

17/02/15 コメント:0件 白沢二背

都市伝説には二通りのパターンが有る。
一つは、実際に有った事が形骸化した物。
もう一つは有りもしないのに噂が噂を呼んでしまう物。
此れは後者のパターンである。
新藤真奈美には人相が無い。
いや。実際には有るのだが、何処となく、他人を寄せ付けない面影が有る。
新藤真奈美の朝は早い。
彼女の噂は一人歩きしている。
新藤真奈美に愛想は無い。
実際には・・・

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春ノ桜ノ

17/02/15 コメント:0件 紙袋あける

 ――パキッ。
「ひゃぁん!」
「先輩、気持ち悪い声出さないでください」
「だって小枝ちゃんが」
「その乙女キャラの源流はどこなんですか」
「俺の中に流れる微量の女性ホルモン?」
 窪田は無言でずんずん前へ進んで行った。振っておいて無視された。窪田ひどい。
 夜の校舎は外から見ても思ったより真っ暗で怖い。真っ暗ではあるけれど廊下に設置された消化ホースのラン・・・

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ベッドの下に……

17/02/14 コメント:0件 桜坂ゆかり

 ベッドの下の男、と呼ばれる都市伝説がある。
 概ね以下のような話だ。

 一人暮らしの女性が友人を自室に泊めた際、友人には床に敷いた布団で寝てもらうことにしたという。
 すると就寝の段になって、突然友人がしつこく「外に出たい。一緒に来てほしい」と誘ってきたので、訝しがりながらも女性は渋々従った。
 そして外に出た途端、友人が血相を変えて「ベッドの下に凶器を手にした男・・・

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TO LOVE RUIN

17/02/14 コメント:0件 白沢二背

「愛を破壊する【TO LOVE RUIN】と書いて革命と読むのよ」。
 僕は篠崎妙子の美しさに微動だに出来無くなった。
 彼女の学年は僕よりも一つ上で、斯うして放課後は決まった様に授業を、課す。
 彼女の悲願が叶うのは、僕に取っても念願であった。
 ぞっとする様な黒髪を伸ばし、手先で器用にくるくるしながら、彼女は彼女の面目を躍如。「此れは魔法よ」「まるで魔法の様じゃなくって・・・

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深夜タクシー

17/02/14 コメント:2件 W・アーム・スープレックス

遠くからまちわびていた車のライトがちかづいてきた。
真矢は必死に手をふりあげた。こんな深夜、国道とはいえ通りかかるタクシーはめったにない。
車の上に光る社名表示灯から、まちがいなくそれがタクシーだとわかると彼女は、こんどはちぎれんばかりに腕をふりつづけた。
運転手がじぶんを認めたことが、車が急に速度をゆるめたことで理解できた。
案の定、タクシーはこちらにむかってまっしぐらに・・・

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都市伝説の真相は……

17/02/13 コメント:0件 望月ユカ

 1つ上の友人からメ―ルが来た。
『私の友達が困っているから助けてあげてほしい』
 私は興味本位でその話を聞きに行った。

 私は今年大学を卒業し、作家として働いている。
 高校の時に出版社の大賞でデビューし学生と両立しながら活動していた。
 3年生の春に訳アリの女の子を家に引き取ったことを元にした作品を書いたことでテレビ的にも有名になった。
 ……私のこ・・・

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東京夜走老婆。

17/02/13 コメント:0件 キッド

 蒲田駅前からほど近いとある居酒屋。座敷に上がってビールと食事を注文して、上機嫌のヨシダさんにいつものように怪談をせがんだ。
「ヨシダさん、なんか怖い話ない?」
 大ジョッキに残ったビールを飲み干し、ヨシダさんは小さくゲップをしてニヤリと笑うとぽつぽつ話し始めた。

 俺が東京に出てきたばかりの頃だ。最初にタクシーの運ちゃんをやったのが実は東京でよ。知ってのとおりバツ・・・

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御朱印

17/02/13 コメント:10件 石蕗亮

 前置き
 私はこの通り呪いだ魔術だ何だかんだを扱うことを生業としておりますから、都市伝説と言われれば幾つかお話もございます。
しかし、都市伝説というのはこういう処から広がり始めるものですから。
読まれた方が都市伝説の媒介や、下手を打てばあなた自身にこの都市伝説が降り掛かるかもしれないことを念頭に置いてから読んでください。
止めるなら、今のうちです。

 まず予・・・

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妹は、口裂け女か???

17/02/13 コメント:0件 ちほ

  1979年 春〜初夏〜?
日本全国、何処にでも口裂け女がいた。
赤い服を着て、大きなマスクをつけて「わたし、綺麗?」と聞いてくる。
その時は「わからない」と答えること。
それ以外の答えでは殺されてしまう。
マスクの下には、耳まで裂けた口があるという。

  大学のレポートを書き上げて、僕は東海道新幹線に乗った。東京から名古屋までの約2時間の旅。今朝ま・・・

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道路工事

17/02/13 コメント:0件 蹴沢缶九郎

「なんだ、ここも工事中か」

車で片側が工事中の道路に差し掛かった男は、誘導灯で停止を指示する交通誘導員を恨めしく見た。
年度末、不思議と道路工事が増える時期、何らかの事情はあるのだろうが、彼らの内情など知った事ではない道路利用者にとっては、全くもっていい迷惑である。

それから程なくして、交通誘導員は停止の指示を解き、ドライバーである男はそれに従い、車を発進させてい・・・

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