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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 MyISBN−デザインエッグ社さんから、絵本「おしえて!ねこばあちゃん」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

性別 女性
将来の夢 自分の書いた童話を孫に読んで聞かせたいです。
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お正月さん

17/01/04 コンテスト(テーマ):第126回 時空モノガタリ文学賞 【 304号室 】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:356

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 まあくんは、アパートの三階にすんでいます。まあくんの家は、304号室です。アパートには、エレベーターがありません。小学一年生のまあくんは、三階まで元気にかけあがります。
 おかあさんは、パートの仕事をしています。おとうさんはいません。おかさんは、おとうさんとけんかして、なかなおりできなくて別々にくらしているのです。
 今日は、大みそか。
 おかあさんの仕事は休みです。おかあさんは、まあくんといっしょに部屋のそうじをしています。
「今日の夜に、お正月さんがくるから、きれいにしておこうね。」
 おかあさんは、まあくんにそういうと、トイレの床をふいています。
「お正月さん?」
 まあくんが、聞き返します。
「そうよ。お正月さんは、大みそかの夜にやってくるのよ。」
「ぼく、今まであったことないよ。」
 まあくんは、首をかしげます。
「あら、そうだったっけ。お正月さんはね、いいものをいっぱいもってきてくれるのよ。たのしみ、たのしみ。」
 おかあさんは、鼻歌を歌いながら、トイレをせっせとそうじしています。


 そのころ、お正月さんは、ゆっくり歩いてまあくんのアパートにむかっていました。
 お正月さんは、ひげをはやしたおじさんです。
「お正月さん、いいものをあげる。」
 うさぎさんが、道ばたから、ひょっこり顔をだしました。
「ニンジン、どうぞ。」
 お正月さんは、
「ありがとう。」
と言うと、ニンジンを腰にさげている袋に入れました。
 また、ゆっくりゆっくり歩いていると、さるくんがでてきました。
「お正月さん、ホウレンソウあげる。」
「ありがとう。」
 お正月さんは、ホウレンソウも袋に入れました。
 よっこらしょ どっこらしょ
 お正月さんが歩いていると、くまくんがでてきました。
「お魚をあげる。」
「ありがとう。」
 お魚も、袋に入れます。
 お正月さんは、まだまだ歩きます。
 すると、リスさんがでてきました。
「お正月さん、おもちをあげる。」
「ありがとう。これで、そろったぞ。」
 お正月さんは、おもちも袋に入れると、言いました。
「さぁ、早くまあくんの家に行かなくちゃ。」
 よっこらよっこら、歩いて行くと、やっとまあくんのアパートにつきました。
 三階まで階段をあがります。
「うーん、しんどいなぁ。」
 ふぅふぅ言いながら、お正月さんは、304号室につきました。
 腰にさげている袋をドアの前にどさっとおろします。
「これで、いいお正月になるぞ。」
 お正月さんは、腰をトントンたたいて、また歩いて帰りました。


「どさって、音がしたわね。」
 おかあさんが、そうじをしている手をとめて玄関にいきました。
「お正月さんがきたんだわ。」
 おかあさんが、うれしそうな声をあげます。
「明日の朝は、おいしいお雑煮を作ってあげるね。」
 おかあさんは、袋の中身をみながら言いました。
 まあくんは、キョロキョロあたりをみまわします。
「お正月さん、もう帰ったの?」
 まあくんが残念そうに言うと、おかあさんは、
「お正月さんは、はずかしがり屋さんなのよ。」
と、クスッとわらいました。
 空を見上げると、お月さまもわらっていました。


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