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こぐまじゅんこさん

詩を書いたり童話を書いたりしている主婦です。 みなさん、よろしくお願いします。 ムゲンブックスさんから、絵本「ねんねのかみさま」を出版しました。 アマゾンでも取り扱っていますので、よかったら みてくださいね。 ブログ「こぐまのノート」も書いています。

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はるくんとうめぼし

16/10/30 コンテスト(テーマ):第121回 時空モノガタリ文学賞 【 捨てゼリフ 】 コメント:0件 こぐまじゅんこ 閲覧数:544

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 はるくんは、三さい。
 おいしいものがだいすきです。あまいおかしはもちろん、つけものもすきです。
 カレーライスには、ふくしんづけ。
 カツ丼には、きいろいたくあん。
 はるくんは、パクパクおいしそうに食べちゃいます。
 
 おかあさんが、
「はるくん、おばあちゃんが、うめぼしをおくってくれたよ。食べてみる?」
と、びんに入った赤いうめぼしをひとつ、もってきました。
「うめぼし?」
 はるくんは、赤くてまるいうめぼしを、ふしぎそうにみています。
「これ、おいしいの?」
 おかあさんに、ききます。
「うーん、ちょっと、すっぱいんだけど……。」
 おかあさんが言っているあいだに、はるくんは、うめぼしをパクッと口にほおばりました。そして、すぐに、はきだしました。
「すっぱーい。おいしくないよ!」
 はるくんが、大きな声で言うと、うめぼしから、なにやら声がきこえてきます。
「どうせ、あたしゃ、すっぺーうめぼしばばあじゃよ。あたしを食べたら、元気になれるっていうのに……。あたしゃ、もう、はるくんがカゼひいたって、しらないからね!」
 捨てゼリフをのこして、うめぼしは、ころころころがっていきました。
 おかあさんが、
「はるくんが食べないんなら、おかあさんが食べちゃうよ。」
と言って、うめぼしをコップに、ころんと入れました。
 うめぼしの入ったお茶を、ごくんと飲んで、おかあさんは、
「あー、おいしい。元気になれそう。」
と、言いました。
 はるくんは、きょとんとしています。
 
 次の日、はるくんは、のどがいたくなりました。
 ゴホンゴホンと、せきもでます。
「はるくん、カゼひいたの?」
 おかあさんが、しんぱいしています。
「うめぼしさん、食べよっか。」
 おかあさんが、白いおかゆに、うめぼしを入れてもってきてくれました。
「えーっ、うめぼし、いやだ。」
 はるくんは、しぶっています。
「カゼがなおるから、食べて。」
 おかあさんに言われて、しかたなく、ひと口おかゆを食べました。
 ちょっとすっぱいけど、口の中が、さっぱりします。
 はるくんは、うめぼしも、思いきって、かじってみました。
「すっぱーい!」
 口を、きゅうっと、すぼめます。でも、おかゆさんをすぐに食べたら、ほっこりあったかくって、おいしいです。
 はるくんは、パクパク食べてしまいました。
 それから、おふとんで、おとなしくねました。

 寝ておきたら、カゼは、なおっていました。
「うめぼしさんって、すごいね。」
 はるくんは、おかあさんに言いました。
 うめぼしも、だいすきになったはるくん。
 きょうは、うめぼしの入ったおにぎりを、ほおばっています。


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