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ヒカルさん

小説が上手くなりたいと思って書いています。 へたっぴでここの上手い人には全然叶いませんが、まだまだ諦めません! いつか、評価されるまで。 アドバイス貰えると嬉しいです! 目標は夢中になれる小説を書くことです。 高い目標ですが、とにかく目指して努力しています。

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都市伝説の会

13/10/10 コンテスト(テーマ):第四十二回 時空モノガタリ文学賞【 都市伝説 】 コメント:6件 ヒカル 閲覧数:1085

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 「お待たせしましたー」
 マスクをしていても分かる飛び切りの美人がとあるカラオケボックスの扉を開ける。
 「すみません、待ちました?」
 可愛らしくマスクの彼女が聞く。
 中には4人程の男女がすでに盛り上がっていた。オードブル、ビールやウーロン茶が賑やかにテーブルに並ぶ。
 「おう、くっちー。遅いじゃない、待ったよぉ。」
 熱唱していた非常にスマートすぎる女性が「くっちー」に言った。
 「まあまあいいじゃないですか。ちゃんと“都市伝説の会”に来てくれたんだし。“口裂け女さん”初めまして、ベットの下によくいる人間です。なんか好きなんですよね。俗に“ベットの下の男”なんて呼ばれてます。よろしくお願いします。」
 端正な顔立ちだが目つきの怪しい青年が微笑んで会釈した。どうぞ、というと隣の空席にくっちーを案内する。
 「やだー、そこ私の席じゃん!くっちーずるい!」
 スマートフォン3枚分くらいの厚さの女性がまたも言う。
 「ははは、すみません“隙間女”さん。じゃあ、そっちの“だるま女”さんの隣があいてますから、お願いします。」
 斜め前のソファーには3人の男女が座っている。一番端がだるま女こと”タマちゃん”だ。
 「久しぶり、タマちゃん。ちょっと成長した?」
 タマちゃんが念力で義足と義手を動かして席を開けてくれた。タマちゃんは浮ける。
 「いや、そんなことないよ。それって嫌味?」
 二人でちょっとくすりとした。「ごめんごめん」と謝るとタマちゃんの隣に座った。
 「最近は世間も冷たいですよね。我々になんだか無関心になってきてるし」
 タマちゃんの隣の毛の濃い外人がにこやかに話しかけてきた。
 「ああ、俺は世間には“オオカミ男”って呼ばれてるよ。口裂け女さんは、本当に有名だよなー。尊敬しますよ。」
 「いえいえ、オオカミ男さんこそ世界中を恐怖に至らしめているじゃありませんか。やっぱり規模が違いますって。」
 「お世辞がうまいなー。」
 豪快にオオカミ男が笑った。
 「あっ、私、メリーです。よ、よろしくお願いします。」
 オオカミ男の向こうから小さな声で可愛い巻毛の女の子がこっちを見ていた。
 ちょっと緊張しているようで、顔の半分がオオカミ男に隠れている。
 「よろしくね、メリーちゃん。口裂け女です。メリーちゃんも歌うの?」
 「……。」
 メリーは黙ってしまった。メリーは人見知りなんだとくっちーは思った。
 熱唱していた隙間女が席に戻り、全員が席に着いた。
 隙間女は一度あたりを見回して、「じゃあ、いっちょやりますか!ではかんぱーい!」というと、
 「「かんぱーい!」」
 楽しそうな掛け声がカラオケボックスに響いた。
 ひと段落ついたところで口裂け女が「やっぱりこういうのっていいよねー」という。それぞれにうなずき、「そうだね」「確かに」「うんうん」と同意の声が上がる。

 「やっぱり信じてくれないと何にも出来ないですからね」とベットの下の男が言った。
 「我々って、信じてもらうことがすべてじゃないですか。そのために僕なんか何回人ん家のベットの下に潜り込んだか…。本当大変ですよね、都市伝説ってのも」
 くっちーが同意する。
 「私も最近はなかなか大変ですよ。不審者って、皆マスクとる前に逃げちゃうんです」くっちーはちょっと寂しそうだった。
 「まあ、大丈夫だって。テクニックじゃない?そういうの。」隙間女が慰める。
 賑やかに話は盛り上がる。気付けば時間も大分遅くなっていた。
 オオカミ男が立ち上がって、大きく伸びをした。
 「さてと。じゃあ取り敢えずお開きにしますか」
 「そうですね、時間もそろそろですし。」くっちーも荷物をもって立ち上がる。
 「じゃ、今日はお疲れ様でしたー!またやりましょう!連絡待ってまーす!」
 隙間女がいうと「お疲れ様でしたー」「お疲れ―」とそれぞれに部屋を出ていく。
 「隙間女ちゃん、帰らないの?」くっちーが部屋に最後まで残った隙間女に問いかける。辺りはもう静かだった。彼女は針金のような指で器用にスマホをいじっていた。「うん?」「何してるの?」「ああ、ツイッター。都市伝説botしてるんだー。今日の事も上げてる。」「別垢もあるけど。」「??…ごめんケータイ持ってないんだ…」
 案外、都市伝説は身近に存在するのかもしれない。
 SNSで仲良くなった人間が実は…なんてこともあるかわからない。何しろ匿名の、それこそ真っ暗闇の世界だからだ。もしかすると人好きの怪異達があなたの友達かもしれないのだ。
 そして今日も都市伝説の主役たちは一日の仕事を始める。
 箪笥の隙間から、ベットの下から、人気のない公園から。
 「もしもし、私メリー…」。
 そして、これを見た人は後ろに気を付けた方がいいかもしれない。
 冗談である。


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このストーリーに関するコメント

13/10/11 遥原永司

読ませて頂きました。

なんなんでしょうこれは、とても面白かったです。
出オチといいますか、この状況自体が既に楽しいっていう日本版モンスターズインクかっていうそんな感じで。
でも海外からの方もいるんですよね。ていうかオオカミ男さん他のメンツに比べてどんだけ先輩なんだってふうなのに、すっごい気さくで驚きです。
メリーさんは人見知りっていうのも妙に納得出来て笑えました。たしかにあの方、逐一訪問先に連絡入れながら向かって行かれますからね。それもいちいち名乗りながら。あれって知らない人の所へ行くという不安からのもんだったんですね。
隙間女さんの「テクニックじゃない?」もなんかやけに説得力ありました。なんでかはわかりませんが。
状況だけでなく各キャラの設定ややり取りなんかも楽しかったです。

一応、文章的に引っかかった部分ですが、冒頭の、

>マスクをしていても分かる飛び切りの美人がとあるカラオケボックスの扉を開ける。

この箇所は、さすがにマスクをしていたら飛び切りの美人とはわからないのでは?と思ってしまいました。たしかに目元だけで美人って人もいるんですけどね。しかしそうでない人もいてしまいますので、個人的にちょっと違和感でした。

13/10/11 ヒカル

くくるさん、丁寧な感想ありがとうございます!

「マスクの美人」というのは一応都市伝説から引いて来ているのですが、分かりづらかったですね。もうちょっと表現を考えて見ようかと思います。

面白いと言ってもらって本当に幸せです。初めてではないでしょうか?
正直評価は0で終わるかもしれないと思っていたので、とても励みになりました!

13/10/12 光石七

拝読しました。
素直に面白かったです。
都市伝説の主役たちがオフ会とは……
こんな楽しい人(?)たちなら、あってみたいと思ってしまいました(笑)

13/10/12 そらの珊瑚

ヒカルさん、拝読しました。

この設定、面白いですね♪
都市伝説を演じて(もしくは生業にしていくのも)いくのも、結構大変なご苦労がおありだったと、なんだか同情しちゃいました。
やっぱり人を怖がらせてなんぼ、の世界だったのですね、納得です((笑))

私の場合ですが、数人の登場人物に語らせる時、わかりにくくならないように、一人は関西弁とかにしてメリハリをねらったりします。

13/10/12 ヒカル

光石七さん、コメントありがとうございます。
そう言ってもらえるとやっぱり一番嬉しいです!
いきなり人間が入ってしまったらてんやわんやになっちゃうかもしれません。
「「あっ・・」」
「・・私メ」「私綺麗」「ワオーン」「(椅子の下にセットアップ)」「(這い寄る)」「(採点ボックスと壁の間に挟まる)」
都市伝説のオンパレードです(笑)

13/10/12 ヒカル

そらの珊瑚さん、コメントありがとうございます。
面白さ感じて頂いて嬉しいです!
もしかすると登場人物の区別がしにくかったかもしれません。
やはり微妙な話し方の違いを表現するには実力が少し足りないようです(笑)
参考になります、ありがとうございました!

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